【カオ転三次】マイナー地方神と契約した男の話   作:れべっか

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余話31 黒姫伝説(2)

フル装備を整えた馬ニキ一行は、リヤカーにネオアームストロング(略)砲を搭載し、トラポートで戸隠神社の近くに飛んだ。戸隠神社に直接乗り込まなかったのは鉄火場にいきなり踏み入って味方を混乱させたくなかったからだ。

 

「おぅ…… 本当にキングギドラじゃねーか」

 

戸隠神社に繋がる峠道を越えたところで視界に入ったのは、結界を壊そうと大暴れしている三つ首の大怪獣。

 

「色がくすんだ金色なのは、黒姫伝説で黒龍とされたからかな…… よし、アナライズ結果は事前情報と同じく火炎弱点、氷結・衝撃無効はあるが物理は普通。【邪竜キングー】から電撃を水に変えた*1ような能力だな」

 

もしかしてキングギドラのキング成分ってそこから? じゃあ多頭の要素は【邪竜ヒュドラ】か何か?

そう考えた馬ニキだが、シキガミの<ヒメ>に促されて思考を戦闘に切り替えた。

 

「主様、先制攻撃やっちゃいますか!」

「おうともよ、事前に装填しておいた火炎属性弾が(比喩でなく)火を噴くぜ!」

 

ネオアームストロング(略)砲がぶっぴがんとSFチックな発射音を立て、馬ニキはそれが命中するか確認する前に次弾装填を急ぐ。

ちゅどーんとこれまた某ガンダムで聞いたような爆発音が響き、不意を打たれたキングギドラは体勢を崩してずさーっと倒れ込む。

 

「命中! でも【アギ】一発程度しか効いてませんわ!」

「取り回し重視の小型砲だし、そもそも【フレイミーズ弾】*2だからな! 向こうがこっちに気づくまでにもう一発間に合うか?!」

「キングギドラ、こちらに気づきました!」

「ちっ、二射目、いくぞ!」

 

背中の翼を羽ばたかせてこちらに急接近する邪龍にもう一度ネオアーム(略)砲が火を噴くが、これは急旋回したキングギドラに避けられてしまう。低威力といえども弱点攻撃をそう簡単に喰らってくれる簡単な相手ではない。

 

「命中率に難あり、まあ一発当たっただけで儲けものか」

「ぃょっしゃー、格上ボスに挑むのは久しぶりですわーっ!」

 

タンク役のシキガミ<ヒメ>が嬉しそうに前に出て、物理アタッカーの【ヴァルキリー】<アグネス>と国津神タケミナカタがそれに続く。火炎アタッカーの鬼女紅葉とリカーム役の女神・道敷大神が、HP回復の馬ニキと一緒に後衛、女神ネペレーと屍鬼ボディコニアンはCOMP/封魔管の中で控え。

キングギドラがお返しとばかりに【アイスブレス】を空から放射して、戦いの幕が上がる。

 

*

 

サイゲームスの二次創作ガイドラインに従い、暴力的シーンはカット。

<ヒメ>の活躍シーンは各自で脳内補完していただくようお願いします。

 

*

 

事前情報通りに弱点・耐性を上手く突けたものの、やはりレベル差が10以上あるとボス討伐はそう簡単にいかない。

前衛の<アグネス>とタケミナカタ、それに火力担当の鬼女紅葉は既にダウンし、MPの尽きた道敷大神とCOMPから出てきた控えのネペレーが氷結耐性・無効を活かした肉盾となり、タンク役の<ヒメ>が物理メインアタッカーを兼任する泥仕合。

 

「そろそろ切り札の使い時か?」

 

ちなみに切り札というのは新潟・田舎ニキにヘルプを頼むという意味である。

彼はLv90オーバーで【トラポート】持ち、氷結無効を持つキングギドラであっても耐性貫通余裕。なんだかんだで新潟の縁を深めている馬ニキの要請であれば、多分応えてくれるであろう。

とは言っても他所の黒札に借りを作りたくない気持ちがある。それに助けを借りなくてもぎりぎり勝てそうな気もする。まぁこういうときに即決できないあたり、馬ニキが戦闘修羅勢と比べてメンタルが弱い部分である。

 

「いいえ、まだ私たちに手札があります、出撃許可を!」

 

レベルが低く攻撃・防御手段に見込みがないので封魔管から出す予定のなかった【ボディコニアン】がそう言ってきたので、僅かな望みを賭けてそれを許す。するとボディコニアンはキングギドラとは逆方向の、ネオアーム(略)砲を据え付けたリヤカーの方に駆け出していく。

 

「おい、今から弾丸装填しても間に合わないぞ!」

「違います! 専門外の質問にも動じないシンプソン博士は言いました!」

 

シンプソン博士とは? 意味不明の言動に内心苛立った馬ニキだが、仲魔のネペレーは何か気づいたようなので、彼女の行動を制限しなかった。キングギドラを相手にそこまで気を散らす余裕がなかったとも言う。

 

「えぃっ!」

 

ボディコニアンはリヤカーに飛び乗りネオアーム(略)砲の上に跨った。その姿は川崎・金山神社のかなまら祭で男根神輿に乗る女性を想起させる。

 

「ドラゴンカーセックスは一般性癖!!」

 

そう大声で宣言しながらセクシーポーズを取るボディコニアン。なぜかボディコニアンに同調してネペレーもセクシーポーズを取り始めた。

えっ、もしかして【セクシーダンス】でキングギドラを魅了しようとしてる?

 

「んん? 本当に魅了成功してる~っ?!」

 

あんな雑な魅了が格上に通用するはずないと疑問に思いつつ、【改造オボログルマ】の魅了が野良ドラゴン悪魔に効く*3ことを思い出し、馬ニキは現実を受け入れる。

明らかにキングギドラの戦意が違う欲に摺り替わり、キングギドラは雄たけびを上げると下腹部で押し潰すかのようにリヤカーへと飛び掛かった。

 

「ぎゃース!」

 

キングギドラにリヤカーごとペシャンコにされて断末魔の悲鳴を上げるボディコニアン。

身を挺して隙を作ってくれた彼女に内心で感謝しながら総攻撃を指示しようとした馬ニキだったが、それより早く、キングギドラの全身を丸ごと燃やすように爆発が起こった。

 

「何だ?! 何が起きた?!」

 

想定外の出来事に狼狽える馬ニキと、なぜか満足したような雰囲気を漂わせて消滅していくキングギドラ。

いつの間にか、戦闘中にダウンしていたタケミナカタたちが復帰して、馬ニキの横に並ぶ。

 

「……多分、リヤカーに積んであったアームストロング砲の予備弾薬が誘爆したのかと」

「主様、魅了状態は攻撃をしないだけでなく、HP回復やバフをランダムに使うことがあります。キングーは【リカームドラ】を使える*4はずなので、もしかすると」

 

馬ニキは仲魔の推理を聞いてしばし考えこんだが、スクラップとなったリヤカーとネオ(略)砲の下から這いずり出てきたボディコニアンを見て、決断を下す。

 

「武士の情けってことで、弾薬の誘爆ということにしておこう。決まり手がドラゴンカーセックスはさすがに、キングギドラ(ボス)の沽券に、ね」

「えっ、私、憐れまれてる? キングギドラ討伐の立役者なのに?! 酷いです!」

 

一同のしんみりした雰囲気を勘違いしたボディコニアンが抗議の声を上げ、締まらない空気感の中で戦闘は終わった。

*1
真4ベース

*2
真4では火炎属性弾の最低威力

*3
カオス転生ごちゃまぜサマナー 小ネタ「改造・オボログルマについてのあれこれ」

*4
真4ベース




ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を犠牲にしてのボス戦勝利。
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