【ガイア連合】の【黒札】仲間から助力を乞われ、大したことではないからとそれを受けたら、悪趣味黒札の遊びに付き合わされることになった。
きりたんネキ*1が主催するソフトデスゲーム路線の番組だが、今回は『マ●ーの虎』をそのままパクった、参加者が黒札にスポンサーとなってくれるようアピールして黒札がそれをジャッジするというリアリティー・ショーものだ。
いや、有望な在野の能力者を発掘するチャンスっていう
事前に渡された台本も、参加者のプロフィールが簡単に書かれているだけ。リハーサルもなし。番組がどう転がるのか不安でしかない。
「おはようございまーす」
収録日当日、きりたんが用意したスタジオ入りする。ゲスト出演する黒札のための控室に向かい、すでに入室している先輩黒札に挨拶すると、そこには見知った顔ばかり。
「おっす、今日はこの4人か、よろしくな」
代表して返事してくれたのがスタンクニキ*2、その隣で手のひらを軽く上げてジェスチャーで挨拶したドクオニキ*3、二人とちょっと距離を取った席で無言のまま軽く頭を下げた佐久間すみれネキ*4の3人がそこにいた。
馬ニキとしてもまったく見知らぬ人がいないことに安堵し、そして思いついたことを素直に口にした。
「……この4人って、スケベ部つながりですか。つまり我々にもそういうのが期待されていると?」
「
「つまり、私たちのアクションは観衆の目前で全裸土下座足舐めを強要するのが精々なんですね」
「銀時ニキ*5じゃあるまいしwww」
すみれネキがやや残念そうな声音で茶化し、ドクオニキが笑う。
「生放送でなく収録なんですね」
「きりたんが相手するなら切羽詰まった未覚醒者が予想の斜め上のことをやらかしても撮れ高で済ますんだろうけど、さすがにゲストの俺たちに迷惑はかけられないから、本当にヤバい部分はカットするってさ」
「台本もリハーサルもろくにない、ハプニング期待の撮影の時点で要らぬ気づかいでしょうに」
すみれネキが鈴を転がすような笑い声で揶揄し、ドクオニキもそれに応じる。
「まあ、こんなご時世に安っぽいお涙頂戴で訴えかけることしかできないような奴とかは、俺のシェルターで扱き使ってやるから、皆もハプニングを楽しむくらいで丁度いいぜ」
すみれネキが露悪的に振舞っているだけでなく、性格が復讐に向かない小心者のドクオニキまでわざと尊大に演じているように感じ、馬ニキは違和感を覚えた。
『もしかして、この控室にも隠しカメラがあり、もう撮影は始まっている? だとしたら、今のうちからキャラ付けしておくべきか?』
馬ニキは少しだけ額に皺を寄せて考えた後、自身もキャラを演じることにした。
「そうですね、私はきりたんさんに人材発掘のチャンスとだけ言われてますからね。田舎の過疎地でまっとうにデビルバスターとして活動してくれるなら拾ってもいいかなと思います」
「真面目か! こんな悪趣味企画に真面目に付き合う必要ないんだぞ?」
スタンクニキが近寄って、肩をバシバシ豪快に叩きながらアドバイスしてくる。
「いやぁ、折角だから他の皆さんと違う視点でやる方が、ショーが盛り上がるかなって。それにうちは牧場もやってますから、牛糞馬糞の処理係とか、ドクオ先輩のトコの待遇に負けず劣らずの仕事もありますよ」
「馬糞?! がははっ! お前さんもいい性格してるよ」
スタンクニキは豪快に笑った。どうやら彼はこの路線でいくようだ。