IS学園なかよし部 活動記録   作:とんこつラーメン

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今回でシャルロットに関する話は終了。

今後、彼女は本格的になかよし部の一員となります。

やったねシャルロットちゃん! 出番が増えるよ!








なかよし部はアフターフォローも忘れない

 夕食を終え、全員揃って再び俺達の部屋へと戻る。

 すると、もう既に親子の話は終わっていたようで、デュノア親子は画面越しに仲睦まじくしていた。

 

「ただいま。えっと…大丈夫だったか?」

「あ…一夏。それに皆も。うん。こっちは大丈夫だったよ」

 

 シャルロットの顔は、部屋を出る前の不安に満ちたものではなくなり、憑き物が取れたかのようにスッキリとしていた。

 

「あれから、お互いに言いたい事を思い切り言い合ったよ。お蔭で、お父さんたちの本当の気持ちを理解することが出来た」

『そうだな…。私達親子には『対話』が足りなさすぎた。もっと早くに勇気を出して色々と話し合っていれば、こんな事にはならなかったのかもしれん…。いや、過ぎた事を言っても意味が無いな』

 

 アルベールの顔もまたシャルロットと同様に穏やかな表情に戻っていた。

 これこそが彼の本来の顔なのだろう。

 

『本当に…君達にはどれだけ礼を言っても言い尽くせない。ありがとう…今はそれしか言える言葉が無い…』

「気にする必要は無いよ、アルベール氏。我々は単に困っている『友人』を助けようと思っただけさ」

「そのとーり。だから、そんな気にしなくてもいいッスよ」

「チエル達は、チエル達がやるべきだと思った事をしただけですからね~」

 

 やるべき事をしただけ…か。

 そんな台詞を素面で言える時点で凄いんだよなぁ…。

 

『では、私達はこの辺で失礼するとしよう。彼らが戻って来る前にも言ったが、もうこっちの心配はいらない。いつでも好きな時に戻って来なさい』

「うん…ありがとう。お父さん」

『元気でね…シャルロット』

「そっちこそね…お義母さん」

 

 よかった…ちゃんと仲直りが出来たみたいで。

 今回は本当になかよし部の大手柄だな。

 

『ユニさん! クロエさん! チエルさん! 私もそろそろ日本に戻りますわ! またそちらでお会いしましょう!』

「うむ。その日を楽しみに待っているぞ」

「そんじゃまた~」

「ちぇる~ん!」

 

 …こっちはこっちで平常運転だな。

 ある意味、なかよし部らしいって言うか…。

 あ…通信が切れた。

 

「そうだ。ほら、これ。購買部で買ってきた。カツサンドと牛乳。流石に食堂のやつを持ってくるわけにはいかないからな」

「ありがと、一夏。ふーん…豚肉を衣に包んで揚げたものをパンに挟んでるんだ…」

 

 どうやら興味を持ってくれたみたいだな。

 だが、ただカツを挟んだだけじゃないぞ。

 特製のソースも掛けられてるからな。

 ぶっちゃけ、凄く美味そうだったから、今度は自分でも買ってみようと思う。

 

「さて…取り敢えずの一件落着はしたから、今後の事を話し合おうか」

「「今後の事?」」

 

 今後って…一体何を?

 もうシャルロットの事は解決しただろ?

 

「シャルロット君には申し訳ないが、君にはもう少しだけ男装を続けて貰いたい」

「え? なんでだよ?」

 

 別に今のタイミングで言ってもいいじゃないか。

 つっても、流石にいきなりってのはあれだから、まずは千冬姉とかに事情を説明して…。

 

「よく考えてみて、織斑君。今、IS学園は『学年別トーナメント』に向けての準備の真っ最中なのよ? 勿論、先生達はほぼ毎日が大忙し。学年主任である織斑先生は特に忙しいでしょうね」

「そんなにも忙しい中で、もしも『シャルル君は実は男装をしていたけど、それに関する問題が無事に解決したので正体を明かしても良いですか?』なんて言ってみたまえ。それだけでまたひと仕事が発生するぞ?」

「そうなったら、一体どうなると思う?」

「どうなるって…」

 

 生徒会長である更識先輩と、学園一の天才児であるユニちゃん先輩に言われると迫力が違うな…。

 けど…なんとなく分かっちまった。

 今のタイミングでシャルロットの事を話したりしたら…。

 

「「まず確実に過労で倒れる」」

「だよなぁ…」

 

 一刻も早く、シャルロットが本当の姿で学園生活が送れるようにしてやりたいって気持ちはあるけど、かと言って千冬姉や山田先生が顔面蒼白状態でぶっ倒れる姿は見たくはない。

 

「あなただって、お姉さんが目の下に隈を作って栄養ドリンク片手にパソコンと睨めっこしている姿なんて見たくは無いでしょ?」

「はい…流石に堪えます…」

 

 うぅ…こればっかしは仕方がないか…。

 

「僕なら大丈夫だよ。もう吹っ切れてるし。先生達に迷惑をかける訳にはいかないしね」

「悪いな…シャルル…」

 

 こればっかりは単純に時期が悪かったってことか…。

 

「少なくとも、学年別トーナメントが終了するまでは男装しとくっきゃないっしょ。それさえ過ぎれば、学園も少しは落ち着きを取り戻すだろうし」

「そうですねー。学年別トーナメントの後は『臨海学校』があって、その後は期末テスト、それさえ過ぎれば念願の夏休み突入ですから」

 

 風間さんが説明してくれたけど、まだまだイベント豊富なんだな…。

 臨海学校か…マジでIS学園ってイベント多すぎじゃ?

 

「まぁ、こればかりは仕方があるまい。我々とて、織斑教諭に倒れられたくはないからな」

「そうッスね。なんだかんだ言って、ウチらって織斑センセーに世話になりまくってるし」

「こんな時ぐらいは大人しくしておきましょーか」

 

 なんだ…ちゃんと千冬姉の事を心配してくれてるのか…。

 そうだよな。シャルロットの事でこれだけ真剣になってくれた人たちが、自分達の部の顧問の事を心配しない訳がないか。

 

「これからは、シャルロット君にもなかよし部の一員として頑張って貰おうか。よろしく頼むぞ」

「は…はい! わかりまし…え? あの話って本当だったんですかっ!?」

「当たり前だろ? 伊達や酔狂であんな事は言わんよ」

 

 だよなぁ…。

 この人達って、基本的に発言はぶっ飛んでるし冗談も言うけど、嘘だけは絶対につかないんだよな。

 それが良いことなのかは別として。

 

「ならば、まずはシャルロット君に本格的な男装を覚えて貰おうか。僅かな期間だけとはいえ、男装を継続することが決まった以上、念には念を入れて男装の精度を向上させるのは急務と言えるだろう。ということで…楯無くん。チエルくん」

「「は~い♡」」

 

 言うが早いが、更識先輩と風間さんがすっごい良い笑顔でシャルルの両腕をガシッと摑んだ。

 あぁー…これはもう逃げられないパターンですわ。

 

「まぁ…その…頑張れ。ウチも一度やってるし、なんとかなるっしょ」

「なんか全然慰められてる感じがしない!?」

 

 結局、そのままシャルルは二人に脱衣所へと強制連行されていきましたとさ。

 

「大丈夫…かな…」

「あの二人ならば心配はあるまい。それよりも…一夏くん」

「は…はい」

「君も、シャルロット君…いや、シャルル君のフォローを頼むぞ。チエル君にも後で言っておくが、名目上『同じ男性IS操縦者』だから、君の方がフォローはし易いだろう」

「そう…っすね。分かりました。学年別トーナメントが終了するまでの間、俺と風間さんでシャルルの事を支えます」

「よろしく頼むよ」

「ガンバリな、男の子」

「はい!」

 

 クロエ先輩に励まされた…なんか地味に嬉しいぞ…。

 普通にやる気が出たかもしれない。

 

 明日からは、今まで以上に頑張らないとな…。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 次の日。

 俺とシャルルはいつものように教室へと向かう。

 だが、シャルルの姿がこれまでとは地味に、だが確かに違っていた。

 

「えっと…大丈夫かな…」

「おう。全く違和感ねぇよ」

 

 風間さんと更識先輩の手によって、シャルルの男装テクは大幅な進化を遂げていた。

 肩幅が大きくなり、肩の角度も高くなっているし、今までは僅かにあった腰の括れも完全に消失し、パッと見は完全に『体の線が細い男子』って感じになっている。

 ちょっとした工夫次第で、ここまで化けるとは…男装恐るべしだな。

 これがプロの技術って奴なのか。

 

「ね…ねぇ…今日のデュノア君さ…なんかいつもよりも雰囲気が違くない?」

「うん…凛々しくなってるっていうか…頼もしく感じるっていうか…」

 

 早速、効果が出ているみたいだな。

 ほんの少しまで、俺自身も全く気が付かなかったと思うと実に情けないが、それはこれから観察力を磨いていけばいいだけの話だ。

 

「ちぇる~ん! おはよ~ございま~す!」

「「おはよう」」

 

 噂をすれば何とやら。

 後ろから風間さんがやって来て挨拶をしてくれた。

 相変わらず、朝から元気だなぁ…。

 

「ふむふむ…どうやら、ちゃんとしているみたいですね」

「うん。風間さんと更識先輩のお蔭だよ」

「いえいえ、それ程でも~。ま、技術自体は覚えていても損は無いですし、本当の意味で一段落したら、趣味とかでしてみるのも一興かもですよ?」

「あはは…その時になったら考えておくよ…」

 

 趣味が男装って…いや、可能性はあるのか?

 今までは嫌々していても、ふとしたことが切っ掛けで…ってことは往々にしてよくあるしな。

 

「んじゃ、早く教室に入りましょーか。先生達が来ない内に」

「そうだな」

 

 後は学年別トーナメントを乗り越えるだけか。

 こればっかりは時間が解決するから、俺に出来る事は殆ど無い。

 

 けど…この時の俺はシャルルの問題が一応の解決をしたことで完全に失念していた。

 一年一組には現在、もう一つの問題があったと言うことを。

 

 そこまで大きな問題ではないけど…かといって、このまま放置は出来ないよなぁ…。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 一方その頃。

 クロエと楯無の所属している二年生の教室では…。

 

「どうやら、なんとかなってるみたいね」

「楯無とチエルの男装テクのお蔭だね」

「久し振りにやり甲斐のある仕事をさせて貰ったわ~」

「さよですか」

 

 机に座りながら、クロエがチエルから送られてきたメッセージを確認していた。

 一応、こうしてチエルの手によって学園の違うクロエやユニの所に定期的に報告をしているのだ。

 なかよし部、こういう所にはマジで抜かりがない。

 

「そういや、一組にはもう一人、なんかヤバげな問題児がいる的な事を前に言ってなかったっけ?」

「あぁ…あの『ドイツから来た子』のことね…」

「そ。それ。大丈夫な訳?」

「どうかしら…報告によると、協調性に欠ける上に暴力的な部分が見受けられるらしいけど…」

「いやいやいや…その時点でもう普通にアウトっしょ」

「そうなのよねぇ。でも、まだ絶妙に致命的な事はしていないのよ。だから、今は様子見をするしかないって言うのが現状で…」

「なんか、また別方向で苦労しそうな気がする…。こりゃ、もしかしなくても今年のトーナメントは荒れ模様だったりする…か?」

「それだけは勘弁願いたいわね…生徒会として」

「だね。ま、なんかあったらいつでもウチらに相談しに来なよ。なかよし部はいつだって、困ってる奴の味方だからさ」

「うぅ~…クロエちゃぁ~ん…いっぱいちゅき♡」

「あっそ……ウチもだよ

 

 今後の事を話し合いながらも、お熱いお二人さん。

 教室の温度が別の意味で上昇したのは言うまでも無かった。

 

 

 

 

 

 




次回からはラウラ編に突入。

果たして、ラウラはどんな風になかよし部と絡むのか?





なかよし部で誰が好き?

  • 可愛いクロエちゃん!
  • 賢いユニちゃん!
  • 楽しいチエルちゃん!
  • 皆大好き!
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