IS学園なかよし部 活動記録   作:とんこつラーメン

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なかよし部は奮闘する

 チエルと箒がラウラ達と試合をしている頃、他の二人はと言うと…。

 

「あーもう! 一体何なのよ~! あの赤い障壁みたいのは~!」

 

 対戦相手の生徒達が、ダリル&ユニのコンビに見事に大苦戦をしていた。

 

「はっはっはっー。これこそが、このボクの専用機である『蜃気楼』の誇る世界最強の防御力を持つ無敵の盾『絶対守護領域』だ」

 

 三年生同士の試合ともなると、機体性能の差なんて当人達の実力で簡単に覆してくる。

 大国アメリカの代表候補生であるダリルの腕を以てしても、正面から戦えば苦戦は免れない。

 ほんの僅かな隙を狙って的確に攻撃を仕掛けてくる。

 

 だがしかし、今回の試合はタッグ戦。

 IS学園で一番の頭脳を持つユニが相棒になっている。

 緻密に練られた作戦に加え、漆黒の専用機『蜃気楼』の圧倒的なまでの防御力が、相手の生徒達の攻撃を全く通させない。

 

「練習の時からそうだったけどよ…こうして実戦で試すと改めて実感させられるぜ…。あの細っこいボディからは想像も出来ないような鉄壁の防御…マジで頼もしすぎるだろ!」

 

 ユニのサポートはダリルの死角を完璧にサポートし、あらゆる場所からの強襲を防いでいる。

 勿論、それだけではなく、ユニ自身の防御もちゃんと行っているので、相手は未だに一回も攻撃を命中させられていない。

 

「ヘル・ハウンドの高い攻撃力と、蜃気楼の無敵の防御力…これ普通に勝ち目無いじゃないのよ~!」

「ユニちゃんも、意外とこっちの攻撃を避けてくるし~!」

 

 彼女達が言うように、ユニとダリルのコンビは即席とは思えない程に連携が取れていた。

 前衛と後衛がハッキリとしていて、お互いがお互いの役目をちゃんと果たしている。

 普段の様子からユニは運動が苦手だから、ISの操縦も上手ではないのではという先入観が完全に裏目に出てしまった。

 最早、この試合は完全にユニたちのペースになっている。

 

「さて…それでは、そろそろ終わらせようか」

「お? もしかして『アレ』を使うのか?」

「うむ。さっきから盾役に徹しているが故に攻撃能力が無いと思われるのは心外だからな。ここらで蜃気楼のもう一つの力を見せておくとしよう」

「了解だ。頼むぜユニ!」

「任せておきたまえ」

 

 蜃気楼の眼前に真っ赤に染まった投影型のコンソールが出現し、凄まじい勢いで次々とデータを入力していく。

 

「入射角。及び反射角の入力完了。残念だが…これでフィニッシュだ」

 

 最後にエンターキーを押した瞬間、蜃気楼の胸部装甲が展開され、そこから液体金属からプリズム状に凝固させたレンズを相手の頭上に目掛けて発射した。

 

「拡散構造相転移砲…発射!」

 

 レンズの発射口から、今度は貫通力の高いレーザーが発射。

 レーザーはレンズに直撃し、文字通りステージ全体に雨のように拡散し、相手の逃げ場を完全に奪った。

 

「な…何よこれぇっ!?」

「無数のレーザーが降り注いでくるッ!?」

「しかも、どうしてダリルには全く誤射してないのよぉッ!?」

 

 一見すると無差別な攻撃に思われるが、実際には高速で緻密な計算を行い、相手だけに確実に命中するように撃たれている。

 それにより、味方であるダリルがどんな風に動いたとしても絶対に誤射しないようになっているのだ。

 

「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」

 

 削り取るようにSEを奪っていき、レーザーが止んだ時にはもう完全に相手二人のラファールはSEを失い機能停止をしていた。

 

『試合終了! 勝者…真宮寺由仁&ダリル・ケイシー!』

 

 こうして、ユニとダリルは完全なワンサイドゲームで第一試合を終えたのだった。

 

「よっし! やったなユニ!」

「ふっ…ボクとダリル君が手を組んだんだ。この結果は当然さ」

 

 なんてない風を装ってはいるが、装甲に覆われた下にある顔は可愛らしく微笑んでおり、ダリルからのハイタッチにも迷わず応えた。

 この後、ピットに戻ってISを解除し装甲の下から出てきた笑顔のユニを見てダリルを萌えさせたのは言うまでもない。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 そして、二年生の試合はと言うと…。

 

「絶対に決勝戦まで行って、クロエちゃん達と試合をするわよぉ~!」

「当たり前じゃない! だから、こんな所で躓くわけにはいかないのよぉ~!」

 

 物凄い気合いで相手を圧倒している楯無とサラの二人がいた。

 余りの気合いに観客も他の生徒もドン引き。

 

「まぁ…あの二人なら、まず負ける事はないっしょ」

「そうッスねー。なんせ、ロシアの国家代表とイギリスの代表候補生のコンビっすからねー」

「てなわけで…」

「「がーんーばーれー」」

 

 適当に手を振って応援するクロエとフォルテ。

 その時、ハイパーセンサーを通して楯無たちはそれを見た。

 

「ク…クロエちゃんが…私達を…」

「応援…してくれてる…!?」

 

 謎フィルターにより、楯無たちには何故かクロエが満面の笑みを浮かべながら自分達を応援しているように見えた。

 瞬間、二人の気力がMAXになった。

 

「「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

「「ひぃぃぃぃっ!?」」

 

 まるで、今からファイナルフュージョンでやりそうな気迫に完全に気圧される対戦相手の女子生徒達。

 今回の一番の犠牲者は間違いなく彼女達だ。

 

 結局、それから10秒と経たずにフルボッコにされ、試合は楯無とサラの圧勝で幕を閉じた。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 そして、場面は戻って第三アリーナ。

 チエルの紅蓮によって完膚なきまでに叩きのめされ、ラウラと専用機であるシュヴァルツェア・レーゲンは完全に沈黙していた。

 

「チエル!」

「あ。箒ちゃん。そっちは大丈夫でしたか?」

「勿論だ。あの通り」

 

 箒が視線を向けた先には、目を回しながら倒れている相川清香の姿があった。

 

「う~…全く手も足も出なかったよぉ~…」

 

 機体の性能、学び始めた時期が同じでも、操縦者の身体能力が違い過ぎた。

 元ハンドボール部と剣道全国王者なのだから当然だが。

 

「しかし…どうして試合終了のアナウンスが流れない? 私もチエルも相手を倒した以上、これで終わりの筈だろう?」

「うーん…本当なら終わりなんですけどぉー…実はそうじゃないと言いますかぁー…」

「ん? どういう意味だ?」

「ま。これに関しては説明するよりも見て貰う方が早いかもですね」

「そ…そうか…」

 

 なんとももどかしい言い方だが、今の箒はチエルの事を全面的に信頼している。

 なので、例え何があってもチエルなら大丈夫と言う安心感があった。

 

『…織斑先生』

『真宮寺から話は聞いている。ここはお前に全てを任せる。好きにやれ。責任は顧問である私が取ってやる』

『ありがとうございます♡』

 

 こっそりとプライベートチャンネルを使って千冬と通信。

 予め話はしてあり、千冬もなかよし部三人に全てを託していた。

 

『本当に情けない話だが…アイツを…ラウラを頼む…!』

『まっかせてください! むっ!?』

 

 滅多に聞けない千冬の弱音を聞き、口調とは裏腹にマジモードになったチエルの目の前で、倒れ伏したレーゲンに変化が起きた。

 

「な…なんだあれはっ!?」

「始まりましたか…」

 

 突如としてレーゲンの装甲がドロドロに溶け、それがまるで意志を持つかのように操縦者であるラウラの身体を飲みこもうとした。

 このままではラウラは完全に取り込まれてしまう。

 当然だが、そんな事は暴挙はなかよし部が絶対に許さない。

 

「やらせるかってんですよぉぉぉぉぉぉっ!! そこぉっ!!」

 

 ラウラの全身が見えた瞬間を狙い、チエルは紅蓮の右腕部を高速で射出。

 その巨大な手でラウラの身体を掴んでから、即座に繋がっているワイヤーを巻き戻して彼女の身体を無事に救出した。

 

「よっし! なんとか最悪の事態だけは防げた!」

「さ…流石はチエルだ…! あの僅かな隙を狙ってラウラの奴を助け出すとは…!」

 

 救出されたラウラは気を失ってはいるが、特に外傷などは見当たらない。

 女の子の身体に傷でも付けたとあっては、それこそ『なかよし部』の名折れ。

 

「なぁ…チエル。そろそろ教えてくれないか? さっきのは一体なんだったんだ?」

「ボーデヴィッヒさんのISに密かに組み込まれていた『VTシステム』が強制起動したんですよ」

「VTシステム?」

「正式名称『ヴァルキリー・トレース・システム』。要するに『強い人の真似をして強くなろう大作戦!』って感じです」

「なんだそれは…!?」

 

 別に強者の真似をすること自体は箒も否定しない。

 武道家たる者、先人たちの技術を学び、それを自分なりに昇華させて新たな技術を生み出す事の大切さを知っているから。

 だが、『学ぶ』ことと『猿真似』をする事は全くの別だ。

 強者の姿形や動きだけを模して強くなれれば誰も苦労なんてしない。

 大事なのは『そこから何を得るか』なのだから。

 

「完全にふざけているな…! そのシステムは間違いなく、世界中の武道に携わる者達の努力を冒涜している!」

「だからこそ、アラスカ条約で開発は愚か、研究することも禁止されてる筈なんですけどね…」

「それが何故かラウラの機体に組み込まれていた…か」

「その通り。見つけたのはユニ先輩なんですけどね」

「あの人が…」

「どうやら、本人には内緒でやってたみたいですね。下手したら、ドイツ軍の上層部も騙されてた可能性もあるかもです」

「許せんな…! 人の命を何だと思っているんだ…!」

「ちょー同感。ん?」

 

 話している間に主と言う名の生体コアを失ったレーゲンがなんとか人の形になろうとしているが、ラウラがいない状態では上手く機能していないのか、辛うじて人体の上半身のような形状になり、下半身はベトベトンのようにドロドロとなっていた。

 

「うわー…あれじゃまるで、生まれたての巨神兵じゃないですかヤダー」

「あぁ…ナウシカに出てきたアレか…。確かに似ているかもな。流石に口からビームは撃たないだろうが」

 

 意外とスタジオジブリを知っていた箒。

 

「あそこまでドロドロだと、誰を真似しようとしたのか分からないな…」

「その辺はユニ先輩が調べてくれるんじゃないんですか? それよりも、あれをこのまま放置は出来ないですし、今からどうにかするしかないですねー」

 

 チエルの言葉を聞いて、ようやく箒は全てを悟った。

 今までの闘いは全て前座に過ぎなかったのだ。

 あの異形の姿になったレーゲンとの戦いこそが本命なのだと。

 

「箒ちゃん。この子の事をお願いしても良いですか?」

「任せておけ」

 

 チエルからラウラの身体を受け取り、しっかりと抱きとめる。

 

「…負けるなよ…チエル」

「負けませんよ。だってチエルは…」

 

 エナジーウィングを広げ、右腕部の巨大な爪を異形のISに向ける。

 

「なかよし部ですから」

 

 

 

 

 

 

なかよし部で誰が好き?

  • 可愛いクロエちゃん!
  • 賢いユニちゃん!
  • 楽しいチエルちゃん!
  • 皆大好き!
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