IS学園なかよし部 活動記録   作:とんこつラーメン

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なかよし部と意外な人物

 突然ですが、読者の皆さん初めまして。

 私の名前は『更識簪』と申します。

 これでも一応、一年四組のクラス代表と日本の代表候補生をやらせて貰ってます。

 後ついでに言っておくと、第一話から登場して醜態を晒しまくっているクロエ先輩LOVEな二年生にして生徒会長でロシア代表な更識楯無は、悲しいことにこの私の実の姉だったりします。

 非常にお恥ずかしい限りですが。

 もしかしたら、このまま行けばあのクロエ先輩が将来的に私のお義姉ちゃんになるかもしれないと思うと、それは少しだけワクワクしてます。

 だって、ツンデレドジッ娘中二病クールビューティーチート美少女とか属性多可過ぎて逆に凄すぎますもん。

 そりゃ、2~3年生の大半の生徒がファンクラブにも入りますわ。

 そのファンクラブの代表をウチの愚姉がやってるのも納得ですわ。

 

 おっと、自分語りをし過ぎましたね。失礼。

 実は私、今…凄く気になっている人がいるんです。

 一応言っておくと、決して例の男子ではないのであしからず。

 

(く…来る…来る…!)

 

 心臓が凄くバクバクと脈打ってる…。

 いつも、この瞬間だけは試合の時よりも遥かに緊張するなぁ…。

 

(き…来た!!)

 

 それは、とてもじゃないけど高校生とは思えない程に小柄な体格をしていて、パッと見はまるで小学生低学年のような容姿。

 長い髪を三つ編みにしていて、いつも気怠そうな顔をしながら本を読んでいる美少女ならぬ美幼女。

 噂では既に博士号を幾つも持っていて、IS学園一番の天才と言われている。

 運動は凄く苦手だけど、その超絶的な頭脳と演算能力は史上最強。

 今は天下に轟く、あの『風間コーポレーション』で開発主任とテストパイロットを兼任している、正真正銘の天才美幼女。

 

「全く…織斑教諭もいい加減、校内でのセグウェイの使用を許可してくれても良いだろうに。教室から部活に行くまでに中々の距離があると言う事を彼女は理解していない。セグウェイが駄目なら、せめて他の物で代用できないだろうか…うーむ…」

 

 それがこの、今まさに私の目の前を通り過ぎようとしている三年生の『真宮寺由仁』先輩。

 またの名を『ユニちゃん先輩』。

 余りの可愛さと幼さに、以前に一度、本物の小学生と混じって一緒に遊んだ挙句、その子達の家まで行ってジュースとおやつを御馳走になった事があると言う伝説を持つ人。

 

 真宮寺先輩はいつも、6時間目が終わって放課後になると毎日きっかり、この時間にこの廊下を通って部活に向かう。

 

「ふむ…喉が渇いてきたな。部活に向かう前に、どこかの自販機で水分補給でもするか。喉が渇いたと思った時にはもう既に、体は水分不足に陥っていると言うしな」

 

 先輩の傍に最も近付ける…。

 それが、この私にとっての唯一無二の至福の瞬間。

 例え、それが会話一つすらなかったとしても。

 この話が、臨海学校編までの繋ぎの一つとして書かれているとしても、私は全然構わない。

 

(お…思い切って話しかけてみよう…かな…)

 

 む…無理無理無理無理無理!

 絶対に怪しまれる!!

 

(だって、私ってお姉ちゃんと違って暗いし…趣味はゲームと漫画とアニメだし…)

 

 それに…それに…。

 

(絶対…先輩は私の事なんて覚えてないよ…)

 

 あれは、忘れもしない…先輩と初めて出逢った日…。

 私が今までずっと最強だと信じて疑ってなかった人を、容易く倒してしまった先輩…。

 

「はぁ…同人誌の良いネタになると思って今の活動を始めたは良いけど…やっぱり辞めて、真宮寺先輩と同じ部に入ろうかな…」

 

 なんて、ここで溜息交じりに呟いてても何も始まらない。

 せめて、今日も活動に顔ぐらいは出すか…。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

【オカルト研究会】

 目指せ! 『部』昇格!

 

「よーし! 今度こそ真宮寺由仁率いる『なかよし部』をケチョンケチョンに倒す為の作戦を練っていくわよ!!」

 

 作戦…ねぇ…。

 気付いてるのかな…今の状況が完全に本末転倒だって事を…。

 

「我等に部室を!!」

「おぉー!!」

 

 なんか田中先輩のノリに引っ張られて、木村先輩も無駄に気合い入れちゃってるし…。

 

「ん? どうしたのフレディ!? 聞いてるのっ!?」

 

 本当にどうしようかなぁ…はぁ…。

 

「フレディッ!?」

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 一方その頃のなかよし部。

 いや、何が『一方その頃』なんだろうか…。

 俺は一体誰に話しかけてるんだろう。

 今日も今日とて、半ば強制的になかよし部に連行されてきたし…。

 

「では、本日の部活を始める…と言いたいところだが、その前に報告することがある。これは、今日は用事があって来れなくなってしまった織斑教諭から知らされたことなのだが…」

 

 千冬姉がユニ先輩に?

 一体なんだろう…。

 

「諸君はもうすぐ、毎年恒例となっている『臨海学校』があるのは知っているだろうか」

「「臨海学校?」」

 

 IS学園って、そんなのもやってるのか…。

 本当にイベントが豊富な学園だよな…。

 

「はいはーい! チエルは先輩達から教えて貰ってたから知ってまーす!」

「そういや、そうだったっけ」

 

 あー…風間さんは入学前から先輩達とは知り合いだったな。

 色々と聞かされてても不思議じゃないか。

 

「因みに、今は一夏くんやシャルロットくんが所属している一年一組の副担任である山田教諭が臨海学校で泊まる予定となっている旅館の視察に向かっている」

 

 成る程…だから今日、山田先生の姿を見かけなかったのか。

 その分の仕事を千冬姉がしなくちゃいけなくなったから、今日はなかよし部に来れなくなったと見た。

 

「その臨海学校は基本的に一年生のみが行くことになっているのだが、毎回に渡って学園側を代表する形で生徒会のメンバーが臨海学校に行くことになっている」

 

 マジかよ…。

 ってことは、少なくとも生徒会に所属すれば毎年に渡って臨海学校に行けるってことか。

 二回目以降は別目的になるんだろうけど。

 それでもかなりの役得なんじゃないのか?

 

「と言っても、やることは後輩となる一年生たちの指導や、先生方の手伝いなどが主になるのだがな。故に、遊び気分で行くと痛い目に遭う。実際、これまでの生徒会メンバーは浮かれ気分で行った結果、かなり苦労したそうだ。今の生徒会長になってからは、そうはならなくなったが」

 

 へぇー…あの生徒会長、クロエ先輩の事になると暴走するイメージが強いから、あんましそんな感じはしなかったけど…意外と真面目な一面もあるんだな。

 

「今年もいつものように、生徒会長である楯無君率いる生徒会が引率に加わる予定…だったのだが…」

「何かあったんですか?」

 

 おぉー…流石はシャルロット。

 俺達の言葉を代表して代弁してくれた。

 

「うむ。実は、今の生徒会メンバーは全員が古くからある名家の出身者ばかりで構成されていてな。運悪く家の用事と臨海学校の日が重なってしまい、行きたくても行けなくなってしまったのだ」

 

 なんだろう…この流れ…なんとなくではあるけど話が読めてきたぞ?

 敢えて黙っているけど。

 

「とは言っても、来れなくなるのはあくまで上級生の二人だけで、一年生にして生徒会メンバーでもある本音くんは普通に来るらしいのだが」

「虚パイセンの両親って、かなり過保護ッスもんねー。せめて末娘だけでもー…的な感じで色々と調整したんじゃネ? 知らんケド」

 

 大切な思い出になるかもだしな…。

 いい家族を持ってるじゃないか、のほほんさん。

 

「なので、今年のみ生徒会に変わり、我等『なかよし部』が引率として臨海学校に同行することになった」

 

 やっぱり…そうだと思った。

 この流れ的に、それしか有り得ないだろ。

 だとしても普通に驚きはするけど。

 

「え? ちょ…ちょっと待ってください…」

「ん? どうかしたのかね? シャルロット君」

 

 シャルロットがまるで信じられない物を見るような目をしながら、震える手で挙手をした。

 いきなりどうしたんだ?

 

「それってつまり…クロエ先輩も臨海学校に来るって…そういうことですか…?」

「そうなるな。来るのはクロエくんだけじゃなくて、このボクもだが」

「ぃよっしゃぁっ!!!」

「いっ!?」

 

 余りの大声に、思わず変な声が出ちまったじゃねーか!

 つーか、シャルロットがめっちゃ嬉しそうに全力のガッツポーズをしてるんだがッ!?

 こいつ、こんなにテンションが高い奴だったっけ!?

 

「そうと決まれば…クロエ先輩!」

「んー? どった?」

「今度の休みの日にでも、一緒に水着買いに行きませんかッ!?」

「水着かー…去年、臨海学校に着て行ったのもあるけど…折角なら新しいのが欲しいよナー…」

「じゃあ…!」

「ん…別に行っても良いよ。一人で行っても虚しいだけだし」

「やったっ!!!」

 

 さっきからシャルロット…元気だなぁ…。

 この元気はどこから来るんだろうか…。

 

「水着かー…チエルも箒ちゃんと一緒に買いに行こうかなー」

 

 箒と一緒に…か。

 ここ最近になって、更に風間さんと箒って仲良くなってるからな。

 幼馴染としては非常に嬉しい限りだ。

 出来れば、これからも仲良くしてくれると凄く助かる。

 

「そうか…水着の問題があったな。ボクはどうするか…」

「一年の時、先輩はどうしてたんスか?」

「最初は買うのが面倒くさくて、普通に学園指定の水着にでもしようかと思っていたのだが、何故かそれに対して猛反発をするダリル君と虚君を初めとする面々に水着売り場に強制連行されて、そこで着せ替え人形にされてしまった挙句、妙にお洒落な水着を買わされてしまったよ…何故か彼女達の奢りで」

 

 なんだろう…直接見た訳でもないのに、その時の光景が凄く鮮明に想像出来てしまうんだが…。

 ユニ先輩は本当に同級生の人達に大人気なんだな。

 約二名を覗いて、マスコットのような扱いなんだろう。

 

「あの時の水着はどこに仕舞ったか分からなくなったしな…かといって、学園指定の水着でも着て行こうとしたら、またあの着せ替え人形タイムがやって来そうだし…仕方がない。背に腹は代えられん。ボクも水着を買いに行くしかないか…」

 

 臨海学校に着て行く水着…か。

 俺はどうするかなー…。

 男の水着なんて誰も興味ないだろうけど、だからと言って学園指定の奴は流石に味気ないしな…。

 幸いなことに金ならあるし、俺も買いに行ってみるか…?

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 急いで活動を終わらせて、私はギリギリ会話が聞こえるぐらいの離れた場所から、なかよし部の活動を密かに盗み聞いていた。

 別にスパイをしようとか、そんなんじゃない。

 単純に真宮寺先輩の声を聞きたいだけだ。

 

 けど、そんな私の耳に衝撃的な情報が飛び込んできた。

 

(なかよし部が…先輩達が今年の臨海学校に来る…!? 用事が出来た、お姉ちゃんたちの代理として…!?)

 

 そう言えば、確かにこの間、家でそんな事を言っていたような気がする。

 あの時は校内で密かに取引されている『ユニちゃんブロマイド』に夢中になっていたから、半分ぐらい聞き流してたけど…まさか、あの時の話がこんな形で繋がってくるだなんて!

 ものすごーく久々にお姉ちゃんに感謝したくなったよ…!

 まさか、この目で真宮寺先輩の水着を拝めるチャンスが来るだなんて…!

 本当は、あんまり行く気がしなかったから臨海学校の日は適当に仮病でも使って休もうかと思ってたけど…そんな事を言ってる場合じゃない!!

 今から急いで真宮寺先輩の水着姿を写真に収める為の準備に取り掛からなくちゃ!!

 念の為にコピーも沢山用意して…映像データのバックアップも完備して…現像した写真は勿論、永久保存しなくちゃね。

 真宮寺先輩の生水着写真の一枚でもプレゼントすれば、虚さんも喜んで協力してくれるに違いない。

 あぁ…今から臨海学校が楽しみだなぁ~…♡

 こんなにも学校のイベントを待ち侘びたのなんて生まれて初めてかも知れない…。

 間違いなく、今年の臨海学校は一生の思い出になるだろうなぁ…。

 

 

 

 

 

 

なかよし部で誰が好き?

  • 可愛いクロエちゃん!
  • 賢いユニちゃん!
  • 楽しいチエルちゃん!
  • 皆大好き!
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