IS学園なかよし部 活動記録   作:とんこつラーメン

37 / 40
なかよし部はお昼を食べます

 厄介な女に絡まれていたところを皆に助けられてから、俺達はそのままの足でレゾナンスにあるファミレスに昼飯を食いに行った。

 勿論、途中で合流したラウラや千冬姉、山田先生も一緒に。

 

「成る程…私がやって来る前に、そんな事があったんですねぇ~」

「典型的な女尊男卑の女ではあったが、真宮寺の咄嗟の機転のお蔭で見事に解決した。流石はIS学園一番の天才だな。良くやった。教師としてでなく、アイツの姉として礼を言う」

「なに。これぐらいは彼の先輩として当然の事さ」

 

 なんて言っているが、千冬姉に褒められながら頭を撫でられているユニちゃん先輩は凄く嬉しそうにニッコリ笑顔を浮かべている。

 もう完全に女子小学生になってるぞ。

 

「一夏。お前からもちゃんと礼を言ったか?」

「あ…っと…まだだった。ユニ先輩、さっきは本当にありがとうございました」

「気にする事はないさ。困った時はお互い様だろう? 君には我々も世話になっているからね。偶には先輩らしい一面を見せておかないといけないと思ったまでさ」

 

 今はそう言う事にしておこう。

 俺はマジで感謝してるし、この人達に助けられたのだって今回が初めてじゃない。

 この人の場合、何か美味い料理でも作ってあげれば、それで十分なお礼になりそうな気もするけど。

 

「にしても、まさか先生達も水着を買いに来てるとは思わなかったワー」

「ですねー。周りを見てて思ったけど、このレゾナンスってもしかして、IS学園の生徒御用達だったりするんですかね?」

 

 確かにシャルロットの言う通り、人込みの中にIS学園の生徒と思わしき子達がかなり紛れてたな。

 モノレールに乗れば一直線だし、色んな店があるから、生徒や教師問わずに来る人が多いのか?

 

「そうだな。確かに、このレゾナンスはIS学園の生徒が来ることが多い。私の記憶が正しければ、確か黒江は去年もこの時期に更識たちと一緒にここへ水着を買いに来てなかったか?」

「あー…そーゆー事もあったなー。あん時はあいつらに色んな水着を試着させられて、すっごい疲れた記憶しかないわー」

「先輩達と一緒…色んな水着…!」

 

 なんだろう…シャルロットの顔が急に百面相してるんだが。

 最初は嫉妬っぽい表情をしたのに、次の瞬間にはニヤケ面に変わったし。

 

「しかしユニ先輩。一体いつ、あの女のプロフィールなどを調査したのですか?」

「話している最中にさ。ボクの専用機に内蔵してあるサポート用AIのロゼッタに命じていたのさ」

「なんと…! 先輩の専用機にはそのような物が内蔵してあるのか…! 流石はIS学園一の天才…!」

 

 マジかよ…先輩のISには、そんなものがあるのかよ…。

 でも、幾らサポート用のAIがあるとはいえ、それと上手に連携が出来ないと意味無いんだろうなぁ…。

 そう考えると、やっぱりこの人も操縦者としても凄いんだなって思う。

 伊達に、この間のトーナメントで最難関である三年生の部で総合優勝しただけはある。

 

「あの女は、これからどうなるんだ?」

「多分ですけどー、逮捕とかはされずに、厳重注意とかで終わるんじゃないんですかねー?」

「それだけなのか?」

「実害が出た訳じゃないですからねー。先輩達の活躍で事前に防がれてますからー」

 

 そうなのか…。

 少しだけ釈然としないが、下手に大事になって色々と面倒な事に巻き込まれるのは嫌だしな。

 

「予想外のトラブルはあったが、無事に目的のブツは購入できたのだから、まぁ良しとしようじゃあないか」

「そうッスね。寧ろ、こういうのがある意味ウチららしいというか」

「その言い方だと、まるでチエル達がトラブルメーカーみたいに聞こえますよー?」

 

 いや…実際にトラブルメーカーだろ…。

 そのトラブルを自力で完璧に解決できる実力を持っているのも事実だけど。

 だからなのか、妙に憎めないんだよなぁ…この三人は。

 

「お昼を食べたら学園に戻るとしようか。少し疲れてしまったしね」

「パイセンは基本的にインドア派だから、外出するだけで体力全消費確定ッスもんねー」

「だから、普段からもうちょっと運動した方が良いって言ってるのに…」

 

 そういや、そうだったな…。

 前に校舎内で迷った挙句、千冬姉におんぶされてたって言ってたっけ。

 あと、シャトルランの一回目でギブアップをしたと言う奇跡の記録が…。

 

「なんと…そうだったのか…。今後はもっと先輩の体調に気を付けておかなければなるまいな…」

 

 なんで、そこでラウラが心配する?

 いや…別に心配する事は悪いことじゃないけど、あの水着選びの僅かな一時でかなり仲が進展したのか?

 身長も割と近いし、二人で並んでいる姿はかなり絵になるかもな。

 

「寮に帰ったら、ゆっくりと休む事としよう。きっと、今夜はぐっすりと熟睡できるな」

 

 アンタはどこのサイコパス連続殺人鬼だ。

 

「そう言えば、真宮寺は未だに一度もトレーニングルームの類には入った事は無かったな」

「ボクとは最も縁が無い場所だからね。どこにあるのかさえ知らないよ」

 

 ま…マジでッ!?

 トレーニングルームってあれだろ?

 アリーナとかとは違って、色んなトレーニング器具が置いてある場所だよな?

 前にクロエ先輩や風間さんが入って行くのを見かけて、それに巻き込まれるような形で俺も一回だけ使った事がある。

 流石はIS学園と言うべきか、まるで本場のトレーニングジムのような充実っぷりで、そりゃこんな場所でいつでも好きな時に体を鍛えられたら強くもなるわって納得したもんな。

 特に、三年生が強い理由に納得いった。

 一部の先輩に至っては腹筋割れてたからな。

 

「端的に換言すると、ボクは基本的になかよし部の頭脳労働担当なのだよ。逆に肉体労働担当がクロエくんとチエルくんなのさ」

「担当と言うか…」

「自然とそうなってるんですよねー。ユニ先輩マジで動かないから」

 

 ユニ先輩が動こうとしない事で、必然的に動かざる負えない状況になってるのか…。

 ある意味、これも全て計算の内なんだろうな。

 

「別の先生に聞いたんですけど、真宮寺さんは一年生の時に行った臨海学校でも、海辺の椅子に寝転がって殆ど動いていなかったり、部屋でジッとしている事が多かったって仰られてましたねー」

 

 臨海学校でも動かざること山の如しだったのかよ。

 じゃあ、今年の臨海学校でも似たような事になるんじゃねぇのか?

 

「まぁ…今年はそんな事にはならんだろう。黒江や風間が一緒だしな」

「そうッスねー。今回は一応『なかよし部で参加』って事になってるんで、流石に部屋に籠らせるわけにはネー」

「いざとなったら、皆で運びますから大丈夫ですよー。ユニ先輩って割と流されやすくて、同時に諦めも早いですから。海まで行けば即座に観念すると思いますよー?」

 

 と言うか、恐らくは抵抗するのも面倒くさいだけなんだろうな…この人の場合。

 無駄な労力とかめっちゃ嫌いそうだし。

 

「その時は私も手伝うぞ、チエル」

「勿論、ボクもね。というか、ユニ先輩って物凄く軽そうな印象があるんだけど…」

 

 箒とシャルロットも参戦声明発表っと。

 確かに…あの体格だしな。

 前におんぶした時も、物凄く軽かったし。

 あの時はいきなりの事に混乱してたけど、今にして思えば、ちゃんと三食食べているのか不安になるほどに軽かった。

 実際には、単に先輩の食が細かったってだけなんだけどな。

 今だって、ユニ先輩が食べてるの…あろうことか『お子様ランチ』だぜ?

 普通なら絶対に無理な筈なのに、何故かオーダーが通ってるしな。

 あれ…完全に店員さんがユニ先輩の事を園児か何かと間違えてるぞ。

 

「む…真宮寺。少しジッとしていろ。口にケチャップが付いている」

「おや」

 

 千冬姉がユニ先輩の口元を拭いている…。

 それ自体は何もおかしな部分は無いんだけど…でも…。

 

(パッと見、まるで親子みたいな光景だな…)

 

 年齢的には『姉妹みたい』って言うべきなんだろうが…見た目的に絶対に無理なんだよな…。

 寧ろ、クロエ先輩と一緒に並んでいる時の方が姉妹っぽく見える気がする。

 割と性格も似てる方だし。

 

「ふぅ…食った食った。んじゃ、食後のデザートを待ちますか」

「そうですねー。クロエ先輩は何を注文したんですかー?」

「…チョコパフェ」

 

 可愛いかよ。

 デザートのチョイスが可愛過ぎだろ。

 

「はぅ…クロエ先輩…そのギャップは反則ですよぉ…♡」

 

 そして、その隣でシャルロットが悶絶してるわけなんだが。

 胸を抑えながら体をクネクネさせてる。

 

「チエルはみたらし団子を注文しましたー」

 

 こっちはこっちでまた渋いな。

 もっとギャルっぽいのを注文するかと思ってたわ。

 

「フッ…流石はチエル。分かってるじゃないか。日本人なら団子だよな。因みに、私もチエルと同じみたらし団子だ」

 

 箒は箒で嬉しそうにしてるなー。

 性格的には完全に真逆と言っても過言じゃない、あの二人がよくここまで仲良くなったもんだ。

 こればっかりは全く予想出来なかった。

 風間さんのコミュ力が、箒の心の壁を見事に溶かしたってことなのか。

 

「ユニ先輩は、何か食後のデザートを注文などしたのですか?」

「デザートではないが、クリームソーダを注文しておいた。それぐらいは余裕があるからな…胃の容量的な意味で」

「ドリンク類か…私も同じのを注文しようか…」

 

 このちびっ子達もすっかり仲良くなった。

 ラウラとユニ先輩、両方の昔を知っている千冬姉は、さっきから嬉しそうに二人を見ていた。

 千冬姉にとっては二人共が大切な教え子なんだもんな。

 それが仲良くしてたら、そりゃ嬉しいわな。

 

(なんか、皆がデザートを注文してるのを見てたら、俺もなんか食いたくなってきたな…)

 

 どうせだし、俺も食後のデザートを注文するか?

 でも何にしよう…?

 ま…適当で良いか。

 って事で、パッと目に入った『バニラアイス』にした。

 これぐらいサッパリとした奴の方が食後にはピッタリだよな。

 少なくとも俺は『デザートは別腹』な人種じゃないんでな。

 ちゃんと食べたデザートは昼飯と同じ場所に入って行くんだよ。

 

 その後、俺達は全員揃ってデザート注文して、それを食べてから店を後にした。

 しれっと千冬姉と山田先生もデザートを注文してたのには地味に驚いたけど。

 

 

 

 

なかよし部で誰が好き?

  • 可愛いクロエちゃん!
  • 賢いユニちゃん!
  • 楽しいチエルちゃん!
  • 皆大好き!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。