IS学園なかよし部 活動記録   作:とんこつラーメン

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なかよし部は海に行く

 部屋に荷物を置いて来てから、皆と待ち合わせているロビーに戻ってきた。

 にしても凄い部屋だったなー…。

 窓を開いたら、まさかのオーシャンビューとか豪華の化身かよ。

 部屋自体も高級感満載だったし…これが高級旅館って奴なのか…。

 こんなの絶対にプライベートじゃこれねーだろ…。

 

「おや。まさか君が最後だとは思わなかったぞ」

「部屋で何してたん?」

「今はまだ、荷物を置いた後に軽く部屋を確認するぐらいしか、する事が無いって思うんですけどねー」

 

 …なんかもう既に皆が集合してたんですが。

 ユニ先輩に至っては、しれっと売店で買い物をしたと思われる飴を咥えてるし。

 そんなんしてたら増々、小学生女子にしか見えないんですけど?

 

「全く…こんな時は男の方が先に来るのが甲斐性と言うものだろうに」

「へーへー。すいませんでしたねー」

 

 なんか箒からも怒られた。解せぬ。

 

「全員集まった所で、早く更衣室に行くとしよう。時間は有限だからな」

 

 最年長者って事でユニ先輩が締めた所で、俺達はロビーの案内板に書いてある更衣室まで行くことに。

 ちゃんとスマホで案内板の写真を撮っている辺り、本当にユニ先輩は抜け目がないと言うか。

 俺だと、まず確実にそこまで気が利かないだろうな。

 絶対に頭で覚えようとするわ。

 んで全部忘れるまでがワンセットだな。

 

「なんと…更衣室までの道には渡り廊下があるのか。風情だな…」

「いいですねー。いかにも『旅館に来たー』って感じがして」

 

 渡り廊下か…IS学園にもあるにはあるけど、機械的過ぎて風情とは程遠いからな…。

 夜なんかは、ここに佇んでいるだけで十分に癒されるに違いない。

 

「ん? 何よアレは」

「どうかしたんですかクロエ先輩? え?」

 

 シャルロットとクロエ先輩が何かを発見したのか、渡り廊下にある中庭に視線を向ける。

 それに釣られて俺も皆も同じ方を見たんだけど…。

 

「なぁ…箒…あれ…」

「言うな…私も言いたくないんだから…」

「お前がそう言うって事は…」

 

 あの何故か地面に突き刺さっている機械的なデザインのウサ耳は…『あの人』のだよな…。

 なんで、あんなのがここにあるんだ?

 しかも、律儀に『引っ張ってください』という意味不明な立札付きで。

 

「ふむ…いきなり我等の目の前に現れた謎のウサ耳…非常に興味深い」

「「「え?」」」

 

 ま…まさかのユニ先輩の興味に触れた? マジで?

 

「よし。ここで臨時かつ緊急のなかよし部の部活動開始だ。今回は特別に箒君も臨時の部員にしておこう」

「ありがとうございます!」

 

 なんでそんなに嬉しそうなんだ?

 なかよし部だぞ?

 

「さて…まずは色んなアクションをして反応を確かめよう。チエル君」

「はーい! 取り敢えず、まずはこのウサ耳を中心に地面に『無敵要塞ザイガス』でも落書きしておきましょうかね~」

 

 無敵要塞ザイガスとなっ!?

 最初から飛ばし過ぎではッ!?

 なんてツッコんでいたら、あっという間にウサ耳が生えた無敵要塞ザイガスが中庭の地面に爆誕しちまったし…。

 

「ならウチは、線香でも上げておくか」

 

 次のクロエ先輩は急に大人しくなったっ!

 けど、ウサ耳の無敵要塞ザイガスの隣にお線香って…かなりカオスだな。

 

「ならば、次は私が」

 

 箒も箒で、なんかノリノリだな…。

 一時的とはいえ、風間さんと同じ部に入れて嬉しいのか?

 

「さっき旅館の売店で見つけた、この麦わら海賊団の海賊旗のミニチュアを刺しておこう」

「まさかのワンピースッ!? なんで、んなもんが売ってたんだっ!? っていうか買ったのかッ!?」

「買ったぞ? っていうか普通に読者だ。単行本も持ってる」

「持ってるのか…」

「因みに、一番好きなキャラはゾロだ」

「だろうな」

 

 それはすぐに分かったよ。

 

「それじゃあ、ボクは皆が話している間に密かに作っておいた、このカルボナーラをお供えしておこうかな」

「いつの間に作ったッ!? 調理工程速すぎだろッ!? 三分クッキングかよッ!?」

 

 あああああぁ…シャルロットの手によって、麦わら海賊団の旗が立っている無敵要塞ザイガスとお線香の傍に美味しそうなカルボナーラが追加された…。

 

「お次はボクだな。では、少し前にプライベートで作成した、紙粘土の一夏くんを置こう」

「それ俺なんですかッ!? 何をどう見てもカラフルな生まれたての巨神兵にしか見えないんですがッ!?」

 

 というか、なんでプライベートで俺の像を紙粘土で造ろうと思ったッ!?

 そこの所を詳しく聞きたいっ!

 

「ユニ先輩の次は私だな。では、ここは何故かポケットの中に入れっぱなしになっていた手榴弾を…」

「お前は堂々と兵器を置くなーっ!?」

「心配するな。これは相手を油断させるために用いる単なるレプリカだ…多分」

「その間は何だーっ!?」

 

 あぁ…遂にはラウラまでなかよし部に染まっていく…。

 このままじゃ、俺の周囲全員がなかよし部と化していく…。

 

「最後は一夏くんだぞ」

「俺もするのっ!?」

「「「「「「当然」」」」」」

「当然なんだ…」

 

 俺は…俺はー…。

 

「…ロビーに来る前に買ったジュースでも置きます」

 

 臨海学校まで来て一体何やってんだ俺は…。

 急に日常感が出てきて風情が因果地平の彼方へと吹き飛んでしまった…。

 

「うーむ…こうして並べると、中々の芸術作品に仕上がったな」

「どこがっ!?」

 

 何処からどう見てもカオスを表現した何かにしか見えないんですがッ!?

 これ…旅館の人に見つかったらどうする気だよ…。

 

「けど、なーんのリアクションも無い感じじゃね?」

「ですねー。てっきり、地面の中から誰か出てくるとか想像してたんですけどねー」

「やはり、これは置いてあるだけなのか…?」

「だとしてもはた迷惑だがな」

「もう更衣室に着替えに行きます?」

「そうだな」

 

 あ…なんかもう終わりそう。

 

「偶には、皆でこうしてはしゃぐのも悪くは無いな。では…着替えに行こうか」

「「「はい!」」」

「はーい」

「行きましょー!」

「は…はい…」

 

 やっぱ片付けないんだ…コレ。

 俺だけでもとか考えてる間に皆はもう着替えに行っちゃったし…。

 

「…行くか」

 

 いざって時は知らない振りを貫こう。

 うん。そうしよう。それがいい。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「うわーん! なんか箒ちゃん達にメチャクチャにされたー! 服にお線香の匂いが付着して取れないよー! でもカルボナーラは美味しいー! いっくーん! ジュースありがとねー! あと、この謎の紙粘土は一体何ーッ!? っていうか、この手榴弾は本物なんじゃないのーッ!?」

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 やっと海に来れた…。

 まだ何もしてないのに、既にドッと疲れた気がする…。

 周囲を見渡すと、もう既に皆は海で遊んでるし。

 これは完全に出遅れちまったな。

 

「お待たせー」

「お。やっぱ男子は着替えんのが早いね」

 

 この声は、シャルロットとクロエ先輩か。

 何事もテキパキしてるからか、着替えるのも早いんだな。

 

「…………」

「ん? 急に黙り込んで、どしたん?」

 

 ク…クロエ先輩の水着姿…綺麗だ…。

 普段はツインテールなのに、今はポニーテールに変わってるし…それがすごく新鮮に感じる…。

 スポーティーな水着なのに、クロエ先輩の場合は何と言うか…可愛さと色気が見事に混在してるっていうか…あー! 良い言葉が思い浮かばねー!

 

「ちょっと一夏? クロエ先輩の体をジロジロと見るのは止めてくれないかな?」

「え? み…見てねぇよッ!?」

 

 シャルロットは専用機と同じオレンジ色のビキニを着ている。

 これもこれで色っぽいが、それ以上に彼女の睨みが怖いので何も言えない。

 

「おやおや~? 一夏君って、思ってるよりも体が引き締まってるんですね~!」

「ふっ…チエルが言っても皮肉にしか聞こえんぞ?」

 

 次は風間さんと箒のコンビか。

 

「おぉ…」

 

 風間さんの水着は桃色のビキニで、箒はデザインだけが同じで色が違う白いビキニ。

 本当に同い年か疑うほどにスタイル良すぎだろ…。

 

「おやおや~? もしかして~…チエル達の水着姿の魅力にメロメロって感じですかぁ~? キャー!」

「何ッ!? 一夏…チエルをいやらしい目で見る事は、この私が許さんぞ!」

「だから、見てねーって!」

 

 またこれかよ…。

 仕方ないだろ…この状況じゃさ…。

 

「どうやら、我々が最後のようだな」

「うぅ…恥ずかしい…」

 

 んで、ラストがユニ先輩とラウラか。

 流石に、この二人は大丈夫だろう。

 

「こうして水着になるのは久し振りだ。というか、まだ七月なのに日差しが強くないか?」

「あ…あの…ユニ先輩…? せめてタオルを…」

 

 ユニ先輩は予想通り、大人しめの水着だ。

 どう見ても浜辺で遊ぶ気が無いのが分かる。

 だって手に本を持ってるし。

 ラウラは…まさかのフリル付きの黒いビキニ。

 しかも、髪型をツインテールに纏めている。

 意外なチョイスだけど、意外と似合ってるんじゃないか?

 

「では、ここらで一度解散するとしようか。折角の自由時間だ。思い思いに過ごそうではないか」

「それには賛成」

 

 どーせ明日は色々と忙しいんだろ?

 ならせめて初日ぐらいは思い切り羽を伸ばさないとな。

 

「あれって…もしかしなくてもクロエ先輩ッ!?」

「キャー! クロエ先輩の水着姿素敵~!」

 

 解散と言った矢先にクロエ先輩がファンクラブの子に見つかってるし。

 流石は学園の人気者、いつもと違う姿を見せただけで人気が爆増してるな。

 

「むぅ~…クロエ先輩と一緒にいるのはボクなのにぃ~…!」

「はいはい。一緒に遊んでやるから落ち着きなって」

「はぅ~…♡」

 

 頭を撫でられただけでシャルロットが大人しくなった…。

 伊達に去年、旅館で客同士の喧嘩を止めてないな。

 

「ユニ先輩可愛い~♡」

「あ~…もう! このまま持ち帰りたいぐらいに愛おしいわ…♡」

 

 ユニ先輩もまた、特殊な性癖の子達の標的にされてる…。

 確かに可愛いかもだけど、一応は三年生なんだぞ?

 二つも上の先輩なんだぞ? そこんとこ分かってる?

 

「はぁ…はぁ…はぁ…水着でツインテなラウラちゃんも可愛いわ…♡」

「水着ロリっ子コンビ…ユニ×ラウラ…これは売れるっ!!」

「しかもユニ先輩は貴重な合法ロリ!! 勝ったな。風呂食ってくる」

「な…何を言ってるんだ…?」

 

 おいこらそこ。

 完全にラウラの目が点になってるだろーが。

 只でさえなかよし部に染まってきつつあるんだから、これ以上純粋無垢なラウラを変な方向に持って行かないでくれ。

 

「にゃはは…相変わらず、あの二人の人気は凄いですね~」

「あれが先輩の貫録なのか…見習わなければ!」

 

 人気云々はともかく、別に見習う必要はないぞ箒。

 っていうか、頼むから見習わないでくれ。

 

「俺…ちゃんと自由時間を満喫できるんだろうか…」

 

 なんか急に不安になって来た…。

 海に入る前に、かき氷でも食べて頭を冷やそうかな…。

 

 

 




なかよし部の水着=ゲーム版と同じ。




なかよし部で誰が好き?

  • 可愛いクロエちゃん!
  • 賢いユニちゃん!
  • 楽しいチエルちゃん!
  • 皆大好き!
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