ラスボスはお母さん   作:ラスボスはゴッドウソップ

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これが地獄か

◯月✕日

 

ゴードンから誕生日プレゼントに日記帳を貰ったので日記を書くようにした。

見られたらヤバい内容になると思うけど、いい加減この地獄みたいな環境について整理をつけたかったし丁度良い機会だと思う。

 

 

じゃあ先ずは簡単な説明から。

 

私ないし僕は転生者だ。

 

前世でトラックに跳ねられてお亡くなりになり、神様的なやつで死後好きな世界に転生させて貰える……有名なあれにあやかれたタイプの転生者である。

私はそこでONE PIECEの世界を選び、そして異世界転生物のお約束でもある、転生特典というやつで"好きな悪魔の実を選べる権利"と"好きな血統に転生出来る権利"を貰った。

別に隠すことでもないので私が選んだ悪魔の実と血統について書くが、悪魔の実はセルセルの実の遺伝子操作人間。まぁ男になったり女になったり顔を変えたり、身長を急激に伸ばしたりと色々と出来る超人(パラミシア)系と、血統は世界に名を残す男を排出することに定評のあるモンキー一族だ。

 

 

今にして思えば、悪魔の実は何故自然系(ロギア)にしなかったのだとか、血統だって原作ブレイクまっしぐらな所を選ぶんじゃなかったと後悔するばかりだが、好きな世界に転生出来ると聞いてONE PIECEを迷わず選んでしまうぐらいには私はオタクであり、もしもONE PIECEの世界に転生出来たのならと纏めた妄想ノートから抜粋ような……一時のテンションで身を滅ぼすタイプのバカだったんだ。

 

 

……さて、取り返しのつかない過去ばかり振り返っていても仕方がないので現実に戻る。

先ず私は今、エレジアにいる。

ONE PIECE史上最高収入を叩き出した劇場版のヒロインにしてラスボス、歌姫ウタの暮らすあのエレジアである。

 

どうやらここはONE PIECEフィルムの世界線らしい。

 

既にトットムジカった後なのか住人は元国王のゴードンと死んだ魚の目をしたウタ、そして私の三人のみ。

ウタは15歳で私ことルタは6歳。ゴードンさんは何故かはぐらかされたので仮に41歳としておこう。

 

何故私がここにいるかだが、ゴードンさん曰く、私はどうやらこの国唯一の生き残りらしく、死んでしまった両親に代わり彼が親代わりとして育ててくれているらしい。

 

はて?ドラゴンの娘……ルフィの腹違いの妹ルートかと思ったが、()()は死亡か。

どうなってんだ。バグか?と転生特典であるセルセルの実を手に入れる以前は、そもそも転生特典がなかったことになったのかと思いはしたが、先日、無事セルセルの実を食する機会に恵まれ、それならどういう事だと私はもう一度ゴードンに尋ねることにした。

 

「ねぇ、私のパパとママは本当に死んだの?」

「……ぁ、あぁ。そうだよ」

 

……怪しい。さてはお前何か隠しているな!

 

実はモンキー一族の親戚がこの国で暮らしていた可能性も視野に入れていたのだが、ゴードンの反応でそれは潰える。

ドラゴンが娘の可愛さを想ってエレジアに隠したのか、ガープが風船にくくりつけて飛ばした結果なのかは知らないが、間違いなく何か私にとって良からぬ真実をゴードンは隠していた。

 

ネームドキャラほど重い過去を抱えているONE PIECEの世界だ。神の天敵と言われるDの一族で出生が不明。いや、出生はモンキー一族なのだろうが、海軍の英雄が祖父で革命軍のトップが父、海賊では四本の指に入る大海賊が主人公と、モンキー一族はDの一族でも危険度はピカ一。

事によっては生きているだけで世界政府から命を狙われる可能性もあるわけで、とてつもない不安に襲われた私はそれを絶対に暴いてやろうと躍起になった訳だ。

 

そして色々とアプローチを変えてみたり、セルセルの実の力でちょっと脅してみたりもしたが、ゴードンは絶対に口を割らなかった。もう何が何でも話すものかって感じで、鬼気迫る物を感じる。

 

ここで諦めてしまえばある意味、幸せだったのだろう。

 

 

だが、事件は起きた。

 

「ねぇねぇ、いい加減におしえてよ~」

「だから言っているだろう?キミの御両親は災害で命を……」

 

「……ルタは私の娘だよ」

 

「「は?」」

 

瞬間、世界が凍りついたようだった。

 

「ウタ……いきなり何を」

「そうだよお姉ちゃん。それはいくら何でも」

 

夕食のパスタをすすりながら、世間話でもするみたいにとんでもない情報をぶちまけるウタちゃん。冗談だとしても(たち)が悪すぎる。

ほら、いきなりおかしな事言うからゴードンが絞め落とされる三秒前のニワトリみたいな顔してるぞ。

 

「ルタはまだちっちゃいから分からないと思うけどね、赤ちゃんって子供でも出来ちゃうんだよ。ゴードンは私が大人になるまでルタには黙ってるべきだって言ってたけど……ルタは私が9歳の時に産んだんだ」

 

 

何を言ってるんだこいつは。

 

 

 

……まさか!ドラゴンの野郎、ロリコッ

 

 

「パパは多分……そう、ルフィ。だから貴方の本当の名前はモンキー・D・ルタってことになるのかな?」

 

 

今度こそ、世界は凍りついた。

 

 

いや、……そのさ。

 

何この地獄みたいな設定!重いって!

 

このクソ神クソ野郎!なんて事してくれとんのじゃああああああああ!!!!!!

 

 

 

 

 

と言うのか半年前の出来事になる。

それからはもう……重いよ。ウタのハイライトのない瞳は益々ダークになっていくし、ゴードンは過度なストレスで血を吐いて倒れたし、私のセルセルの能力で胃に空いた穴は塞いだけど、根本的な解決にはならないようで日に日に窶れていっているような気がする。

 

う~ん。ここが地獄でなくてなんと言う?

 

 

……もう死んだほうがいいんじゃないですかね私は。

いや、死んだだけだとゴードンやウタにダメージがガガガガガガ

 

はぁ……楽しくない、申し訳ない、死にたい、殺して……

私の胃にも穴が空きそう……能力で治せるんだけどね。

 

 

うん。

 

今日はこれぐらいにしよう。

何にも解決しなかったけど、少しだけスッキリした。

これからも続けて行こうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

◯月△日

 

そうや、ホビホビの力で私の存在をなかったことにすればええやん!

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