ラスボスはお母さん 作:ラスボスはゴッドウソップ
◯月✕✕日
ホビホビの能力で自分の存在をなかったことにしよう。
そう決意してから行動は早かった。
ようはドレスローザまで行って、適当に暴れてドンキホーテファミリーに捕らえられればいいのだ。
そうなればウタが原作以上に曇ることも、ゴードンの胃に穴が空くこともない。
その日のうちに私は荷物を纏め、定期船に乗り込む計画を建てた。
エレジアは前半の海にあるらしいから後半の海にあるドレスローザまではかなりの長旅となることが予想される。
必要となるのは、その為の資金と食料か。
まぁ途中までは海列車で進んで、何とかカームベルトを乗り越える方法を模索しなければならないが、最悪は
ドラゴンは死ぬかも知れんが……可愛い初孫のお茶目だと思って受け入れてほしいと思う。
別に抱っこぐらいならさせてあげてもいいのよ?
……おげぇ。
まぁそんな訳でエレジアの国庫を漁っていたのだが、速攻でウタちゃんに見つかった。
「何……してるの?」
ヒェ。こいつ目が笑ってねぇ。
「ねぇ……ルタ。お母さんに教えて欲しいな。何を探しているの?」
「お、お姉ちゃ」
「
……少し漏らした。
ちょっと前まではお姉ちゃん、ルタって可愛らしく呼び合ってたのに、今ではこれよ。
諸君、篤と見るがいい……これが地獄というものだ。
肉親のみが子に放つことを許されるという伝説の覇王色の覇気を受けて六歳ボディのルタちゃんは半泣きである。
「お、玩具を……探してたの」
「……玩具。そうだよね。まだ子供のルタがまさか海賊みたいに盗みを働こうなんて悪さをするわけがないよね」
ウタちゃんってもしかして見聞色の覇気持ってる?て疑いたくなるぐらい的を得た考察だが、どうやらギリギリ騙し通せたみたいだ。
◯月△△日
ゴードンにエレジアを出る旨を伝えた。
表向きには隣国であるドラム王国から優秀な精神科医を連れてきてウタちゃんのボロボロメンタルを修復しようという提案である。
「駄目に決まっている」
ですよね~
「いいかルタ?キミはその特別な力で大人の姿になることは出来るが、まだ六歳の子供なのだ。グランドラインは危険な海賊も多い。キミ一人だなんてとても……第一ウタが許す筈がない」
まぁウタちゃんが大嫌いな
「ウタは今、とても不安定な状態なのだ。今まで君へ注ぐべきだった愛情を圧し殺し、姉として細々と注いでいたそれがあの日を境に一気に溢れ出し、歪んだ形となって君に降り注いでいる」
だから専門家が必要なんじゃないですか。
まぁこの頃だと既にバカワポルの手によって優秀な医者の殆どは国外追放されてるだろうから、まともなのはDr.くれはぐらいしかいないんでしょうけども。
「君はウタが何故、三食キチンと食事を取るのか知っているのかね?」
あの完璧なプロポーションを保つ為じゃね?知らんけど
「君の為だ。一時は水も喉を通らぬほど塞ぎ込んでいた彼女は、君に栄養を与える為にバランスの取れた食事をするようになった」
栄養(意味深)……別に六歳児なんだから恥ずかしがらずにおっ◯いとかでもいいよ、て言おうと思ったけど、9歳児のおっ◯い飲んでる赤ちゃんって絵面が最高に犯罪的で洒落にならねぇな。
「あの事件からウタが笑顔を見せるのは君の前だけなのだ。どれだけ歪んでいても今はそれに縋ることしか出来ない私を許してくれ……私にはウタの心を救うことは出来なかった!」
血を吐くように、そう言葉を絞り出すゴードン。
その目尻にはうっすら涙が浮かんでいたが、胃に熱々の鉛を流し込まれたような重い話をされて、正直泣きたいのはこっちである。
別に実年齢を言い訳にするわけではないけど、私まだ六歳よ?
取り敢えず、私が自殺したら二人とも後追い自殺するんだろうなってのは今回で分かった。
よしよし、一歩前進、朗報だ!
…………寝よう。
◯月♡日
今日はセルセルの能力で男になった。
するとウタちゃんの様子がおかしい。
「ル、ルル……ルタ、その姿はやめて」
どうやらこの姿、クリソツではないにしろルフィ寄りの為、どうしても彼を思わせてしまうのだとか。
怒られはしなかったが、それが逆に怖いと言うかなんと言うか……もうウタちゃんの前で男になるのはやめておこうと思う。
◯月☆日
やったぜ。
電伝虫を見つけた。
残念ながらベガパンク製の電伝虫じゃなかったみたいだけど、私はセルセルの実の遺伝子操作人間。電伝虫も生物ならやりようはある。ってことで研究開始だー!
―――――てなわけで完成した。
まさか半日で完成するとは思わなかったけど、ようはラジオと同じだ。周波数を調整して不確定多数に通信が届くようにすればいい。
早速ウタちゃんにプレゼントしたら戸惑いつつも喜んでた。
シャンクスにウタを立派な音楽家にするって約束はこの世界でもゴードンはちゃんと守ってたからね。
その洗練された歌声を電伝虫を通して届ける姿はまさに歌姫…………後は私が消えるだけである。
「凄い、凄いよ!私の歌が素敵だって人がこんなに……そうだ!ルタも何か歌いなよ!」
えっ?
△月◯日
「こんにちは皆!ウタだよー!」
ファン:待ってた
ファン:ウタちゃん~!
ファン:やった!
ファン:ウタのライブだ!
何とか出演することだけは避けつつ、ウタちゃんがライブ配信にハマってから早3ヶ月。あえて小型電伝虫を改良することでウタの配信が聞ける範囲を絞った事が幸いとし、原作のような勢いでファンと言う名の海賊排除主義のカルト信者が急増することもなく、小規模のコミュニティで盛り上がる至って平和な日々が続いている。
その間に私は覇気の練習をしていたのだが……全くと言っていいほど成果を上げられず、途中から能力を伸ばす方法にシフトして、半径30メートル内にある電伝虫のコントロール権を奪うという強いのか弱いのかよく分からない必殺技を獲得していた。
そろそろウタちゃんのメンタルも安定した頃だし、本来の目的を果たしたいのだが、最近はゴードンが私にも歌のレッスンをさせるので計画の為の時間が取れないのが悩みの種だ。
△月✕日
「ルタ……ルタはどこ!?」
「落ち着けウタ。ルタはちょっと隠れているだけさ」
「落ち着け?ルタはまだ六歳の子供なんだよ!?それなのに……あぁどうしよう。ルタがルタがぁぁぁぁぁ!!!!」
前回、ウタのメンタルが安定したとか言ったな?
あれはウソだ。
いよいよこの島から脱出して、モンキー・D・ルタという存在をこの世界から抹消しようという計画実行を間近に控えた日。私はドレスローザに着いてからホビホビの力を受けるまで最低10日は掛かると計算し、果たしてそれまでウタの精神は耐えられるのか?と抜き打ちで時間無制限かくれんぼを決行した。
そして結果はこの通り、6時間でウタちゃんのメンタルは崩壊した。
……正直、これは予想外だ。
1日ぐらいは持つかと思ったが、今にも自殺しそうな勢いである。
取り敢えず直ぐに出ていって土下寝からの頬にキッス。一緒にお風呂、添い寝でウタちゃんの壊れた精神の修復に努めなければならない。
✕月◯日
ドレスローザについた。
最近ちょっとサボり気味だったが……ほんと忙しかったのだ。
まさかウタちゃんがストレスで歌えなくなったり、遂に自傷行為に走り出したりと、それに奔走する毎日は本当に大変で、はぁ……疲れた。
だが、もうすぐこの地獄も終わる。
出来ればウタちゃんがエレジアを崩壊させたという証拠である映像記憶電伝虫だけは破壊したかったが、どれだけ探しても見つからなかった。
まあエレジアに自生しているネズキノコは食べると眠りにくくはなるが、体力が限界近くになると勝手に眠ってしまうように品種改良したので多分大丈夫だろう。
ウタちゃんもゴードンも、この苦しみからもうすぐ解放される。
地獄のような六年だったが、まぁ悪くない人生だった……
ポンッ
あ、そう言えばゴッドウソップがシュガー気絶させたら終わるやんけ。
陶器の人形になった後でそれに気付く。
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!
【ウタ日記 UTA diary】#n えっ私の過去の配信に子供の幽霊が映ってた!?