ラスボスはお母さん 作:ラスボスはゴッドウソップ
それとも……ぼう太で記憶を抹消してみるか、私の。
それはあまりにも逃げの選択で、卑怯なことだとは分かっていたが、もしかしたらウタちゃんが歪んでしまったのは『ルタ』のせいではなく『私』が前世の記憶を持って生まれた化け物だからではないか。
幼いながらに察しの良い子供はさぞ不気味だったのだろう。親の顔色を伺っている様は実に気味が悪かったろう。
それでも自分は親だからと育てる事を強要されるのはさぞ、苦痛だったに違いない。
(なんだ……悪いのは私か)
そう思うと、何だが凄くしっくりときて、私はぼう太を額に押し付けて、記憶を全て引き抜いた。
「「―――ルタァ!!?」」
……あれ?ルフィとウタちゃんが、二人……どうして。
その瞬間、『私』という自我は綺麗さっぱり消失した。
「…………記憶喪失だ。ルタはもうおれ達のことも、ウタのことも、何も覚えてねぇ」
あぁ、嘘だ。そんなのってない。
「何とか……ならねぇのか?」
「分からない。元々生物の脳ってのは複雑で今の医学でも分からない事が多いんだ。それに加えてルタの記憶喪失は悪魔の実によるものだ。あの鳥を捕まえないことにはどうしようもない」
「そうか……」
折角、ルフィ達と仲良くなって、ルタのことも打ち明けて受け入れて貰えたのに。これから私達はルフィの船に乗って沢山冒険する筈だったのに。
「ルフィ君。やはりあの鳥は島の外へと出てしまったようじゃ……それで言いにくいのじゃが、あの鳥の別名はグランドバードと言って、自らが住みやすい環境を探して
「……そうか。こんな時間になるまで探してくれてありがとな。悪いけど、アイツらを集めてきてくれねぇか?」
「あぁ、分かった」
私達の目の前にいるルタ。
まるでただ眠っているだけのようなのに、そこに彼女はいない。心臓が動いていても息をしていても、決して目覚めることのない透明だ。
どうしてこんなことになってしまったのか。
私だ。私があの子を追い詰めたからだ。
それを自覚して、やっと謝ろうと決意した時には遅かったんだ。
もっと前に、6年ぶりにウタワールドで再会した時……一言「ごめん」と言えばこうならなかったかもしれないのに。
私は……娘を殺してしまった。
「ウタ、そろそろお前も休め。ルタは俺が見守っておいてやる」
「ああ……ごめんなさい、ルフィ。
あんたはルタと冒険をしたい、見せたいものが沢山あるってあんなに楽しそうに話してくれたのに、私のせいで……」
「いや、違ぇ。お前だけのせいじゃねえ」
いや、私のせいだ。
ルタとファンの皆を巻き込んでウタワールドで生きようとし、その為に集めた人達の想いを散々弄んで、挙げ句の果てに娘にこんな最低な逃げ道を用意してしまった。
ルフィ達はむしろその逆で、ルタだけでなくこんな救いようのない私ですら救おうとしてくれた。
だから、ルタが死んだのは全部私が悪い。
だから、ごめんなさいルタ。
私は最後まで貴方の母親にはなれなかった。
もし、叶うならどんな酷い死に方をしてもいい。
もう一度だけ、やり直す機会を………………。
本当にやり直せないのだろうか?
「そっか、またやり直せばいいんだ」
なんだ。そうだよ。何で気づかなかったんだろう。
記憶がないならまたやり直せばいい。
美化もせず、風化もせず、1ビット足りとも違うことない貴方を造ろう。
幸いにも透明なだけで貴方はそこにある。
だからウタワールドに貴方を運んで、どれだけ時間が掛かったとしても、どんな手段を使ってでも、本当の貴方を彩り、もう一度会いに行こう。
それで会えたら今度こそは、貴方の夢を叶える。
だから少しだけ先の未来で待っててね、ルタ。
私も直ぐにそっちに行くから。
ノーマルエンド:ぼう太で記憶を抹消する→ルタ
「無限ループって怖くね?」
モンキー・D・ルタ 懸賞金 なし
ウタちゃんが能力を超強化してウタワールド内で時間加速とか宇宙規模まで世界を展開出来るようになる。
ウタちゃんにちょっかいかけた黒ひげがかなり痛い目を見る。
ルフィとウタが結婚する。
ルタは救われる(強制)
なお転生者時代の記憶は再現出来ない為、ウタちゃんの知るオリジナルのルタに限りなく近いナニかになる模様。
最終的にハッピーエンドが確約されているので、ある意味、ハッピーエンドとも捉えられなくはない。
ノーマルエンドの理由は「HappyかBADか」それを下す本当のルタちゃんが存在しなくなってしまった為。