ラスボスはお母さん 作:ラスボスはゴッドウソップ
○月✕日
大変なことになっちゃった。
突風が吹いて船から落ちちゃた私は、なんとか海面につく前に能力で体重を軽くしたまではいいものの、また一際強い突風が吹いて、軽かったからものだからすごく飛ばされてしまい、知らない海賊船に乗り込んでしまったのだ。
「ゼハハハハ!おいサッチ!チェリーパイの追加を頼む!こいつはとんだ大食いだぜ!」
「たくっ、とんでもねぇ食欲だぜ、こいつは……」
シャンクスお爺ちゃんが海賊って言うのは俺達が例外なだけで、本当はお前みたいなチビを喜んで食べちゃうような怖い人達だって言ってたから、おっきい白髭の人を前にして怖くてお漏らししちゃったんだけど、どうしてだが今はチェリーパイを御馳走になっている。
「ウマイ!ウマイ!ウマイ!」
まさか、私を太らせて食べるつもりなんじゃ……て思うんだけど、美味しくて手が止まらないよ!
助けてお兄ちゃん!!!!
○月△日
「成る程……つまりおめぇさんは赤髪んとこの娘って訳か」
「ううん!違うよ!シャンクスお爺ちゃんは私のお爺ちゃんなの!」
「はぁぁ?」
昨日は怖がっちゃったけど、何とこの人達はシャンクスお爺ちゃんの知り合いらしい。
チェリーパイ同盟を結んだティーチに肩車してもらって、それでもおっきい白髭のおじちゃんを見上げて話してみると、ぜんぜん悪い人達じゃないことが分かった。
「訳ありって感じか」
「あんまり深入りしない方が良さそうだよい」
それでも強そうな人ばっかりで、思わず尻込みしてしまったんだけど、そんな私に変わってティーチが全部話してくれたんだ。
「オヤジ。ちょっくら船を離れてもいいか?」
「何だ。まさかおめぇがこのガキを送り届けるとでも?……珍しいこともあるもんだな」
そして何とティーチは私を送り届けてくれるという。
「悪いよティーチ……この船が次に立ちよった島で降りて海軍に連絡すれば私は帰れるのに」
「ゼハハハハ、ガキが遠慮すんじゃねぇ!それにこの船は補給を済ませたばっかで、どんなに早くても次の島まで一ヶ月はかかる。それまでお前は待てんのか?」
「待てない……早くお家に帰りたいよぅ」
「なら決まりだぁ!」
そんな訳でティーチとフーシャ村まで旅をすることになった。
「そう言えば、白髭のおじちゃんは病気みたいだったけど治してあげなくてよかったの?」
「あぁ……オヤジももう歳だ。下手に延命はしたくねぇ………時に任せて余生を送りたいのさ」
ティーチは何でも悪魔の実っていう私の能力に詳しいらしくて、私が白髭おじちゃんの病気を治せるって直ぐに気付いたみたいだけど、白髭おじちゃんはそんなことはしたくないからって私が余計なことを言い出す前に止めてくれたんだ。
ティーチって本当に頼りになる!
○月△✕日
「なん……だと?」
ティーチと一緒にキャラベル船でユラユラと。
途中白髭おじちゃんを狙っていたらしい海賊と鉢合わせて、ティーチが一人で相手にするという事件はあったものの、ものすごく強いティーチのお陰で船には埃一つついていない。
ティーチは海賊達の船から宝箱を取ってきたようで、二人でワクワクしながら蓋を開けたんだけど、そこに入っていたのは美味しくなさそうな果物だった。
腐ってはいなさそうだけど、黒っぽくてネジネジしてて食欲をそそらない。どうせ果物ならチェリーがよかったのにねーとティーチを見ると、その美味しくなさそうな果物を震える手で掴んだと思ったら、雄叫びを上げた。
「うぉぉぉぉぉ!!!!!ついに手に入れたぞ!」
どうやらティーチがずっと探していたヤミヤミの実っていう悪魔の実らしい。
悪魔の実は一人一個しか食べちゃいけなくて、私は昔食べちゃったそうなので、食べれないから興味なかったけど取り敢えずおめでとうって拍手しておいた。
△月○日?
「………は?」
「これがグラグラの実で、こっちがキラキラの実、そしてこれがマルコさんのトリトリの実だね!」
ヤミヤミの実を食べて、ヤミヤミ人間となったティーチと能力の修行をする最中、ティーチのふとした閃きからセルセルの実の本当の能力という物を試すことになって、白髭海賊団の人たちの悪魔の実をコピーすることになった。
「いや……ありなのかこれ。いやしかし……図鑑にすら乗ってねぇ、セルセルの実。持ち主がDの一族であることから何かあると思っていたが………まさか、ここまでとは」
私たちはもう悪魔の実を食べちゃったから、もう捨てるしかないと思ったんだけど、ティーチはグラグラの実をパクッと食べちゃった。
直ぐに吐き出させようと、ティーチから教わった血統因子を揺らして相手を強制的に吐かせる技を使おうとしたら食い気味に止められた。
曰く「それはヤバいからマジで止めろ。あと俺の体は特殊で、悪魔の実を二つ食えるんだぜ」とのこと。
何それずるい!と私が言うとティーチは特製のチェリーパイを御馳走してくれた。
△月△日
「なぁ、ルタ。お前、俺の船に乗らねぇか?」
ティーチがグラグラの実を食べてから、少し。いよいよフーシャ村も近くなり、ティーチとチェリーパイを作ったり、能力で遊んだりしていたら、真面目そうな顔をしてティーチが言う。
「ティーチとはずっと居たいけど…………まだ私、六歳だよ?」
「そういやそうか……つい忘れそうになるが、まだ親が恋しい時期だったな」
将来はシャンクスお爺ちゃんのように外の世界を旅したいと思っていた私としてはティーチからの提案はとても魅力的だったけど、今すぐお姉ちゃん達と離れて旅をするのは寂しいと感じた。
「ガキのうちに無理やり丸め込んで、しょうもないとこで死なれるよりはある程度大きくなった所で回収する方が得か?」
「えっ?何か言った?」
「いや、急に変なこと言ってすまなかったな」
ワシャワシと私の頭を撫でるティーチ。
△月✕日
そしてティーチとの別れの日。
「また会おうぜ!」とお土産に大量のチェリーパイを持たせてくれたティーチを涙ながらに見送り、何だか騒がしいフーシャ村に私は帰ってきた。
「あ、お兄ちゃん!」
「ルタ!?」
フーシャ村ってあんまり人はいなかった筈だけど、人がとにかく一杯で、道が人で溢れかえっている。
運良くお兄ちゃんを見つけた私は、呼び掛けるとびっくりした様子のお兄ちゃんが私の体をぐるぐると見渡して、一先ず怪我がないことが分かるとホッと息を吐いた。
「良かった。爺ちゃん達が見つけてくれたんだな」
「うん?」
「ウタが心配してたぞ。直ぐに会いにいこう」
そして人が多い理由も分からぬまま、マキノさんの酒場を目指して歩く。
「なんだぇ~お前。不敬だぇ」
すると私の目の前に金魚鉢を被った変な人が立ち塞がった。
次回
ONE PIECE
【ついに炸裂!シャンクス、怒りの神避】