ラスボスはお母さん 作:ラスボスはゴッドウソップ
紆余曲折ありつつドレスローザ編に当たる原作の流れが終了した今、
シュガーは行方不明となり、何故かルフィに気に入られた。
数年ぶりに戻った体は6歳の時のままだった。
……そんなことは今はどうでもいい。
今重要なのは、ホビホビの呪いが解けてしまった今……ウタちゃんはどう動くのか。それが重要だ。
ドレスローザ
南海岸
海軍仮
―――仏のセンゴクの膝上
と言うわけで私は今、流石にルフィもここまでは追って来ないだろうと無礼にもセンゴクさんの膝の上に腰かけて、無数の電伝虫とにらめっこしている。
「あー、お嬢ちゃん?いい加減ワシも膝が疲れてきたんじゃが……」
「黙って!今はそれどころじゃない!」
私の知るウタちゃんなら、私が消えたと知ったら発狂するより先に探そうとする筈だ。時間無制限かくれんぼの時は結局見付けられずに発狂していたが、一応記憶が戻った時でなきゃ開けられない金庫に私がドレスローザで暮らしている情報は残してきた。
つまり、それに気付けば何らかのアクションを起こしてくる筈。具体的に言えばウタウタの能力でドレスローザ中の人々をウタワールドに取り込み、その中から私を探そうとする的な……この世界に転生する前ならそこまでやらんだろうと笑ったが、それが一番早くて確実な以上、ウタちゃんなら絶対にやるという確信がある。
プルプル プルプル
「はい!もしもしー」
『あー誰じゃ?ワシはセンゴクに掛けた筈なんじゃが』
「私はモンキー・D・ルタ!アンタの息子が不倫して出来たアンタの孫娘だ!これで分かったな?分かったな!!分かったらもう掛けてくるな!私は忙しいんだ!!!」
『孫むっ!?……ちょっ待!!!』
叩きつけるように受話器を落とす。
今のでセンゴクさんの体がブルりと震えたり、周りの温度が数度下がったような気がするが、そんなものは関係ない。
今のウタちゃんが劇場版のようなテロ行為を行えば、麦わらの一味や赤髪海賊団もいないエレジアに海軍や世界政府の役人が押し掛けることになる。
それだけは回避せねばなるまいってことでウタちゃんがウタウタの能力を使ったらいの一番にウタワールドに飛び込んで止めにいく必要があるのだ。
プルプル プルプル
「もしもし!」
『孫娘ってマジでか!?』
「あぁもう掛けてくるなって言ったじゃん!」
『いや、だって……孫娘じゃぞ!?しかもお主、その声からしてまだ小さな子供じゃろ!?それがその……本当にワシの孫なのか?――おい、センゴク!近くにいるなら返事せい!もしこの子が本当にワシの孫なら直ぐに会って抱きしめた……ゴホン、ゴホン。ワシはドラゴンを殺しにいかなければなるまい!』
あーこのうるさいひい爺ちゃんめ。
アンタのせいでウタちゃんが引き起こす惨劇を止められなかったらどうすんだ!
「お嬢ちゃん……冗談だよな?」
「おい、イッショウ。アンタはどう思う?」
「あっしには……確かにガープさんやルフィさんと似たような雰囲気を感じるね。少々ルフィさんの方が気配が似すぎている気もするが……まさかね」
「こりゃ参ったね。アイツの血筋は只でさえ騒がしいってのにここに来て一人追加ときた」
「あぁ。ここで保護出来たのは幸いだったな。……そう言えば何故この子はドレスローザに?」
まさか母親もこの国にいるのか?とセンゴクさんが上から語り掛けてくるが、無視。おつるさんが飴玉を取り出してきたので口に放り込む。
あぁ……数年ぶりの糖分が全身に染み渡る。
でも黒飴よりリンゴ飴の方が好きなんだよな……。
そう言えばウタちゃんもリンゴ飴が好きだったけど、やっぱり親子だから味覚も似てくるのだろうか。
でも私、肉よりサラダ派なんだが……
プルプル プルプル
「もう掛けてくるなって言ったろうが!このクソ爺!」
『見つけた♪︎』
――――あっ。
途端に急激な眠気に誘われた。
タイトル詐欺になりそうなのでタイトルを少し変えるかも?