知らんのか?第2期までの構想は既に出来ているのだ(どうでもいい)
そこからの日々はあっという間だった。
試験の後、目覚めた私にヴィヴィオちゃんが興奮した様子で
「スゴい一撃でした!まるでリンネさんみたいですね!」
と言ってくれたがよく覚えていない。
というかリンネってどなた?となった。
まあこの後会うことになったのだけど。
とりあえず試験は合格、私はフーカ師匠の弟子(仮)となった。
ナカジマジムには体験入会扱いで、基本的にはフーカ師匠が指導をしてくれるとのこと。
仮なのはフーカ師匠が恥ずかしくて嫌だとまだ譲らないから。
基本的に学校と週3日アルバイトがあるので丸一日とはいかないが、早朝のランニングと基本型の稽古は毎日。
アルバイトがない日はジムに通って、先輩方に混じってトレーニング。
私だけいつも死にかけてるけど。
子どもに体力負けする大人の気分だよ。
ちなみに毎回授業中に寝てしまった結果、先生がやつれた。ストレスだそうだ。
大変だなぁ。
たった二週間とはいえ、濃密な時間だったと思う。
ちなみに、指導してもらう中で歳上だということを気にして欲しくないと、フーカ師匠には敬語をやめてもらった。
結果的に仲良くなれたんだけど、代わりに指導の時の怒声が任侠映画みたいになった。恐かった。
毎日毎日、体力の限界を超え続ける。
誰かと競うのはあんまり好きじゃないけど、自分が成長していく感覚は素直に気持ち良くて好きになれた。
修行開始から一週間経ったくらいに、フーカ師匠の提案で先輩方の練習試合を見学することになった。
対戦カードは師匠の師匠ことアインハルトさん対噂の人リンネ・ベルリネッタちゃん。
なんとアインハルトさんはU15元チャンピオン(現在は卒業してU19に)で
リンネちゃんは現U15チャンピオンらしいのだ。
チャンピオン同士の練習試合なんて滅多に見られないということで、私も含め全員が興奮していた。
フーカ師匠曰く
「戦闘スタイルはリンネ。流派はハルさんから盗め。それが一番真に合っとる。」
とのこと。
緊張して見学するが、何が何だか分からないくらいのハイレベル試合で見ているのがやっとだった。
うーん。リンネちゃんはパワーも持久力もすごくて、殴られても止まらない、防がれても確実にダメージを通す強さがある?のかな。
作戦を考えてないんじゃなくて、強みを押し付けるのがいいって分かってる感じ。
アインハルトさんの方は...。
難しい。
パワーも持久力もある。技術もある。頭もいい。パーフェクト過ぎてわけが分からない。
断空?の動きというか、型とか構えとか、見た目から真似しようと思った。
それぐらいしか出来そうにない。
結果としては引き分け。
どちらも全力で倒しに行ったというより動きを見せるのに注力してくれたらしい。
どこら辺に手加減があったのだろうか。これが分からない。
師匠たち曰くリンネちゃんと私の適性は似ているとのこと。
いや、どこら辺が?
私あんなに可愛くないし、ふわふわしてないし、お淑やかでお嬢様じゃないよ?
そう言ったらフーカ師匠に爆笑された。
リンネちゃんもそんな師匠にムッとしていたが、最終的には一緒に笑ってしまっていた。
可愛かった。
とりあえずファンになったのでサインをもらった。
「フーちゃんとヴィヴィオさんは、私に勝ったことがあるんですよ?」
そう笑顔で話してくれた。
本当だった。
後で去年のウィンターカップを見せてもらったのだが、激熱でしたね、あれは。
ヴィヴィオちゃんにサインをもらった。照れていてとても可愛いかった。
そんな修行漬けの毎日だったが、日常な部分も話題に事欠かなかった。
まず、りーちゃんが研究所に滞在することになった。無闇に移動できない以上、この研究所が潜伏にちょうどいいとのこと。
幼なじみの発想が知らない内にどんどん犯罪者寄りになっていく...。
何やらリーナさんと話し合いをしていたが。
仲良くなったのならばよし。
リーナさんと言えば、天才のリーナさんにも弱点があることが分かった。
とにかく家事が出来ない。
掃除と料理が壊滅的。洗濯は機械だから大丈夫何だとか。
基本的には買ってきたご飯を食べていたらしい。
身綺麗にしてるから、てっきり整理整頓もできる女子力高めの天才だとばかり思っていたが、よく考えたら始めから書類は散らかっていたと思う。
欠点があると分かって、親近感が湧いた。
ちなみに、レンちゃんは食べ方が汚ない。
よく食べカスが口に付いてるのをリーナさんに拭いてもらっている。
小学生というより、むしろ赤ちゃんみたいだった。言ってみたら叩かれたけど。
そんなわけで家事は専ら私が...と思いきやここで活躍したのはりーちゃんだった。
掃除洗濯もそつなくこなし、何より料理がとても上手だった。
和食洋食何でもござれ。デザートまで作れる。
生活する上でどうしてもやる必要があったと言っていたが、必要以上の高水準に達してると思う。
お嫁に欲しい!とみんなから絶賛され、謙遜しながら真っ赤になるりーちゃんは可愛かった。
こうやって会えなかった時間を埋めるように、これからも一緒にいたいなって思う。
そう言えば
イズナちゃんとミラちゃんに関しては、あれ以来一度も会っていない。
諦めてくれたのだろうか?
酷いケガをさせてしまったのでは、と心配になったが
呆れ混じりに
「逃げる時ピンピンしてたぞ。」
とレンちゃんに教えてもらえた。
たぶん元気なんだろう。
フェイトさんからの連絡は週1回ペースで来る。
どうやらかなり重い仕事を担当しているらしく、私の見張り(警護)も出来ないほど暇がないようだ。
申し訳なさそうに話すフェイトさんに色々話したくなったが、グッと我慢した。
襲撃もないし、私もリーナさんもレンちゃんも元気。心配しなくて大丈夫と伝えた。
「何かあったらすぐに連絡してね。」
決まって最後に言ってくれるその言葉に、胸が少し痛くなった。
ごめんなさい、フェイトさん。
二週間はすぐに過ぎ去っていき、ついにその前日を迎えることとなった。
――――――――――――――――――――――――
リングに二人の少女が向かい合っている。
一人は涼しい顔で隙なく構え、白と黒を基調とした衣装を着た少女。
もう片方は同じ構えを取り、肩で息をしている紅白の鎧...というには薄手の衣装を着た少女だ。
師弟は向かい合い、何度か攻防を交わす。
優勢なのはロングポニーの少女、フーカだ。
弟子の拳を防ぎ、躱す。
そして自分の一撃を確実に当てていく。
しかし、弟子の方。真もその一撃に耐え、拳を繰り出し続ける。
我武者羅ではあるが、その動きには確かな技術が宿っていた。
二人の攻防に、観覧していた先輩たちも息を呑んでしまう。
「ししょぉぁーーっ!!!」
「来い、真...!」
ラウンドなしの殴り合いは、実に一時間以上も続いたのだった。
――――――――――――――――――――――――
「ま、まいりましたぁ~...。」
真がジムの横にゴロンと寝転がる。
「ナイスファイトだ、二人とも。」
すかさずノーヴェが二人に水とタオルを手渡す。
「ありがとうございます、会長。」
あれ程打ち合ったにも関わらず、フーカにはまだ余裕があるようだ。
その表情には疲れの色が見えない。
「やっぱり師匠にはかなわないなぁー...。」
「当たり前じゃ。そう簡単に超えられるわけにはいかんからな。」
ですよねー、と肩を落とす真。
「...まあ、最後の一撃は悪くなかった。二週間前のド素人とは大違いじゃ。」
「ししょー!!」
「やめろ抱きつくな!暑苦しいじゃろうが!!」
そんな師弟のやり取りにナカジマジム一同も自然と笑顔になってしまう。
「フーカさん、もう立派な覇王流の師匠って感じですねー♪」
「はい。本当に強くなりました...♪」
すっかり師匠が板に付いたフーカに、その師匠と先輩が嬉しそうに呟き。
「真さんのあの動き。二週間でここまで仕上げるなんて、ボクも熱くなってきちゃいますね!」
「やる気ですね、ミウラさん!私もテンション上がって来ちゃった!」
「練習、また楽しくなっちゃいますね♪」
真の急成長に負けていられないと、他の三人はトレーニングを開始する。
「...やっぱり新人は、いつもいい風を吹かせてくれるよな。」
そんな教え子たちの姿に、つい幸せを感じてしまうコーチがいた。
――――――――――――――――――――――――
「話って何ですか?師匠。」
練習後。真はフーカに呼び出されていた。
「明日は、何かあるんか。」
「え...あ、いや。ちょっと家族絡みで、用事が...。」
フーカは真の目を見て、更に質問を続ける。
「お前が何かを隠しとるんは、何となく分かる。」
「!...。」
「だが敢えて聞くことはせん。お前はワシに守る力が欲しいと言った。その覚悟も通した。だから、ワシはお前を信じる。」
「師匠...。」
アインハルトもヴィヴィオも、『何か』を抱えているのをフーカは感じ取っていた。
しかし、二人はフーカにその何かについて語ることはない。
それは信頼がないからではない。
話す必要がないからだ。
もう終わった話、話しても無駄に心配をさせるだけだと分かっているから、話さない。
それは気遣いでもあり、彼女たちなりのけじめでもあった。
フーカは『日常』を取り戻す為にアインハルトたちを頼った。
しかしきっと、アインハルトたちは『何か』を乗り越え、今の『日常』を得たのではないか。
少し不思議な先輩たちに、フーカはそんなことを思っていた。
この真は自分と同じ『日常』を取り戻す為に自分を頼ったとフーカは考えていたが、何となくアインハルトたちと同じものも感じる。
乗り越えなければならない『何か』があって。
その先に待っていて欲しい『日常』があるのでは。
だから『日常』であるナカジマジムを巻き込みたくない。
だから話さない。
この弟子は不器用だが、優しい奴だ。
このたった二週間。
それでもフーカには、真のそんな心が分かるような気がした。
「まあ、なんじゃ。...ちゃんと帰って来い。」
「...押忍!」
師弟は拳を軽くぶつけ合う。
そんな不器用なやり取りを、師匠と先輩に覗かれていることにも気づかずに。
――――――――――――――――――――――――
◼️□バレンシュタイン研究所◼️□
いよいよ、明日だ。
いつも通りお風呂に入り、いつも通りご飯を食べる。
そして、いつもと違う作戦会議。
目的はひとつ。石動刃凱中将の確保。
大元を捕まえて、罪を暴く。
そうすればきっとりーちゃんの無罪が証明され、私も犯罪者にならずに日常に戻れるはずだ。
気合いを入れたら、眠れなくなった。
リビングに出てみると、私と同じで眠れなかったのか、既に先客がいた。
「まーちゃん...。」
りーちゃんはソファーに座り、デバイスの画像フォルダを見ているようだった。
「眠れないの?」
「ええ。早く寝なければいけないのですが...。」
私は隣に座る。
「何か緊張するよね。がんばるぞ!って気持ちと、大丈夫かなって気持ちで舞い上がっちゃって。」
「...ええ。」
りーちゃんは手元のカップに目を移す。
ホットミルクだろうか。
安眠効果ありそう。
「写真?私も見ていい?」
「...はい。どうぞ。」
おばさん(りーちゃんのお母さん)とりーちゃんの写真。
これは中学校の入学式かな。
ふふっ、恥ずかしがってるりーちゃんと笑顔のおばさんの姿がほっこりする。
「おばさん、やっぱりキレイだね。」
「職場ではまだモテるとは聞きましたが。」
「すっごいね、美魔女ってやつだ。」
「直接言われたらちょっと傷つきそうですが...。」
次は、なのはさんとの写真だ。
今度はすごく嬉しそうな笑顔で写ってる。
「なのはさんとツーショットなんて、りーちゃん雑誌の中の人みたいだね!」
「相変わらずなのはさんにはインタビューの話は来るみたいですからね。本当にあの人の教え子になれるなんて、思ってもいませんでした。」
特別な教導隊?の試験後の写真らしい。
写真を見て、自然と笑顔になるりーちゃん。見ている私も嬉しくなる。
「次は...。」
りーちゃんと先輩。クレア・スカーレットさんの写真。
二人ともボロボロだけど、いい笑顔で写っている。
「最終試験の後の写真ですね。なのはさんが容赦なくて...。二人共ボロボロになりながら、何とか合格を勝ち取ったんです。」
そういうりーちゃんの顔は笑っていたけど。少し悲しそうな、辛さを堪えているようにも見えた。
「...幸せ、だったんだね。」
「っ...。はい...。」
りーちゃんは私がいなくても、ちゃんと幸せを掴んでいたんだ。
それなのに。
「取り戻すよ。絶対。」
「まーちゃん...?」
りーちゃんに向き合って。気持ちを込めて伝える。
「おばさんのところに帰れるようにする。なのはさんにまた教えてもらえるように一緒に謝る。先輩と仲直りできるように、ちゃんと話せるようにする。」
私が守って、支えるんだ。
「私がりーちゃんの幸せ、取り戻すから。これは絶対の絶対だよ。」
りーちゃんは目を見開いて、目を潤ませた後。涙を堪えて、そして笑った。
「私の幸せは私が取り戻します。だから、もし危なくなったら。その時は必ず、助けて下さいね...♪」
「...うん!約束だよ!」
決意の夜は過ぎ行く。
次はこんな写真を撮ろう、こんな場所に行こう。
そんな当たり前の日常を語らう。
また明日もこうして、何でもない話が出来ると信じて。
――――――――――――――――――――――――
□◼️とある病院□◼️
「あら。今日は遅かったのね、クレア。」
ある病室に管理局の制服を着たクレアが入る。
「こう見えて私は忙しいんだ。昇進したからな。」
椅子に腰掛け、見舞い相手を見遣る。
綺麗な薄青色の髪に真っ白な肌。金色に輝く瞳。
とても病人とは思えない美しい姿だ。
「そう見たいね。何だかやつれてるみたいだし。」
「そう、だろうか...?」
病人みたいなのはむしろ自分か。などと自嘲気味に笑ってしまう。
「...。ねぇ、クレア。何か隠してない?」
「隠しているさ。何でもかんでも教えるわけないだろう。一日のトイレの回数とか、報告すると思うか?」
「ちょっと。女の子がそういう冗談言わないの。」
ため息を吐き、真剣な表情でクレアを見つめる。
「...私の体の為に何かしてるなら、やめて。私なんかの為にクレアが」
「なんかじゃない!お前は私の大切な友達だろう...!」
「っ...!」
思わず声を荒らげる。
「すまない...。心配など不要だ。お前は私が守る。...エレナ。そう約束しただろう...。」
「クレア..。ごめん、なさい...。」
お互いを慰めるように抱き締め合う。
この地獄から抜け出すにはどうすれば。
考えることすら出来ず、夜は更けていく。
決戦の朝は、今。
第15話『繋ぎ紡ぐ思い出』
「回、想...?」
「リンネがまたドブみたいな目に!?」
「回想で出れるだけ幸せですよ...。」←ずっと受付にいた
「あはは...。ユミナさんまで目から光が...。」
「「にゃあ!にゃあ!」」
「ティオにウーラまで!?もう収拾がつかん!」
「じ、次回も!」
「「にゃあ!にゃ、にゃあ!」」ビッ!
「リリカルマジカル、頑張ります。だそうです。」
「全、然分からん...。」