「生き、てる...?」
気づいたら立ち上がってた。
一体何が、というかお腹血だらけで...。
「あれ...?」
血が出てない。というか、痛くない。
というか!
「って、何これ!?」
見える範囲だけでも私の格好が制服じゃないのが分かった。
手にはグローブというか、ガントレット的な物が付いてるし、足も似たような感じ。
写真で見たフェイトさんのバリアジャケットより何かいかつい気がする。
それなのに胴体は何だか寒そうな、ピッチリした服?になっていた。
「恥ずかし!?何かのユニフォーム!?」
『ユニフォームじゃねぇ、アーマーだ。』
「大事なところにアーマーがないんですけど!?」
...ん?
「...今の声どこから?」
『あ?』
「私のお腹からーっ!?」
私のお腹からあの銀髪小学生の声がする!?
やだ、私ったらいつの間に...。
『んなわけあるかバカ。いいかよく聞け。お前は』
ー瞬間。
私の顔スレスレを弾丸が通り過ぎる。
「まさか適合者だったとはねぇ。面倒なことになったもんだよ。」
さっきの魔導師!やっぱり夢じゃない、確かに私はあの銃で撃たれて...。
「まあ、せっかく覚醒したんだ。不完全燃焼の分、楽しませてもらうよ!」
「!?」
魔導師が続け様に弾丸を放つ。
反応できるわけがない。私はその弾丸を全て受けて蜂の巣に
「避けれたぁ...!?」
ならなかった。まるで止まってるみたい、っていうと映画の見すぎだと思われるだろうけど。
本当にそんな感覚。生えてる草を歩いて避けるのと一緒って感じ。
『当たり前だ。お前の身体能力は人間の域を超えた。お前の纏っているあたしはそういうもんなんだよ。』
君を纏うって、どういう...?
『アイアンメイデン。仲良く化け物を楽しもうじゃねーか。マスター?♪』
「ちっ!」
やけにでもなったのか、魔導師が何度も射撃するがいずれもその深紅の外殻をかすることもできない。
「っ!」
この状況、全然まるまるまったく訳が分からないけれど、弾が当たらないなら死なずに済むかもしれない!
「今なら逃げっ...!」
思った瞬間。私の体は雲と雲の間、地上の敵が見えない程の高さまで飛び上がっていた。
「な、なななななっっ!?」
『バカ!何も考えずに飛び上がるヤツがいるか!』
そんなこと言われてもーーっっ!?
「しめた。素人で助かったよ...!」
魔導師が二丁の銃に魔力を充填しているのが分かる。
「あれ、収束魔法...!?」
「そんな体勢じゃ軌道修正もできやしないさ!くたばりなぁ!!」
閃光。先程の弾丸とは比較にもならない魔力の奔流が真に迫る。
「これ、やばい...死...!」
『拳を突き出せっ!!』
「拳って」
『いいからやれ!死にたくねぇ理由があるんだろーが!!』
「!」
ーーあの時の約束、まだ...!!ーーー
『解放全開だあぁッッ!!!』
稲妻が走り、雷が真の拳に宿る。
ロケット噴射のように腕部装甲から電気が走る。
「こんのおぉぉぉーーーーーッッッ!!!!!」
拳が光の奔流にぶつかる。
「なん、だと...。」
拮抗などしない。空から地上に落ちる稲光のように。
真っ直ぐに光を割って、少女の拳は敵を穿った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ハァ、ハァ...!!」
足元には意識を失った魔導師が。
「私、が...」
『そうだ。お前が倒した。』
あんなにすごい収束魔法だったのに、ただ殴っただけなのに...!
『剣も出せないとはな。素人も素人、ホットチョコより甘ぇチェリーちゃんってか?』
「言ってること、全然分からな、い...。」
私の意識はここでプッツリ切れてしまった。
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と、そんな感じで。
以上が今日あったことの振り返りなのでしたー。
いやー、我ながら日頃の行いが悪かったのか神様と仏様に懺悔したいレベルで呪われてるんじゃないかっていうとんでもデイだったね。
まあ、とりあえず命の危機は脱したし、死んだけど生き返ったみたいだし。
これで温かいお布団と美味しいカレーが沢山食べられれば明日からは強く生きられる、ってそう自分を騙していたわけなんだけど。
「星宮真さん。貴女をこのまま帰すわけにはいきません。」
目の前の女性。金髪で赤目で、黒い制服がバチッと決まった私の憧れの人。
フェイト・T・ハラオウンさんは、凛々しい目で、私にそう言い放った。
「...なんでえぇぇぇぇーーーーっ!?!?!?」
第2話『稲妻を喰らい、雷を。』
めちゃくちゃ短いじゃあないですか...。
続き気になってくれる人がいたら幸いです!