未来と古来と異界のポケモン   作:クロマ・グロ

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少年と双子とオルティガの過去

 

 

 

ヴィオ視点

 

 

~スター団フェアリー組アジト内部~

 

 

 

一年と数ヶ月前……。

 

 

「もうーっ!なんでだよー!!」

 

ピンク色の衣装に身を包んだオルティガスター団のボスの一人、オルティガは杖を何度も掌に叩きつけるように癇癪を起こしていた。

原因は簡単である。

 

「あの車モドキ、全然動かなかったな。」

 

メロコは辛辣な言葉を述べる。

 

この頃スター団はいじめっ子への対抗策としてスターモービルの開発に専念していた。

オルティガはスター団のメカニックとしてこの開発に力を注いでいたのだがその試作品を動かそうとしてのその重量にスターモービルの当時のエンジンの出力ではまともに動くことすらままならなかったのだ。

 

「スターモービルね!!車モドキって名前じゃない!

徹夜して作ったんだよ!」

 

オルティガはそうメロコへと叫ぶが若干論点がズレていた。

そしてそんなオルティガへ冷静に原因を分析したピーニャがその答えを出す。

 

「あきらかにパワー不足だよ。

カルボウ2匹で動かすにはスターモービルが重すぎる。」

 

事実スターモービルの重力はその通りかなり重くなっており、未だ進化すらしていないカルボウ二匹だけで動かすのは到底不可能な超重力となっていた。

 

そんな様子をみていたかくとう組のボス『ビワ』は少し残念そうに答える。

 

「これが動けばいじめっ子も絶対ビックリするのにね……。」

 

皆の様子を見たオルティガは失敗したことによりイラついていた顔を申し訳なさそうに歪めて謝る。

 

「ごめん……こんなはずじゃ……。」

 

そんな様子のオルティガをシュウメイはフォローする。

 

「落ち込む事はござらぬ。

かような傑作をハンドメイドとはオルティガ殿は誠に天才……。」

 

だがオルティガは悔しそうにその言葉に返答する。

 

「……動かなくちゃ意味ないじゃん。

こんなことならママに頼んで車買って貰えば良かった……。」

 

そんなぼっちゃん丸出しの発言に若干皆が引くがメロコがまた辛辣な意見を答える。

 

「そんなこと言ってるからナメられんだよ。」

「なっ!」

「メロコやめとけって。」

「やめねーよ。」

 

どことなく挑発的な態度を取るメロコはオルティガの元へと歩いていく。

 

「やめねーよ。

親とか金とか頼るのやめるって団作った度団作った時掟にしたろ?」

「…………。」

 

メロコはそう辛辣にそう、答えた。

 

「動かねぇならうごくように動かねぇなら動くようにりゃいい!パワー不足なら騙せ出せばいいだろ。」

 

「でもどうするの?」

 

ビワは不安そうにオルティガ達へと視線を向ける。

そんなビワにメロコが答える。

 

「カルボウ育てて進化させる。

その火力をスターモービルに使う。」

 

だがメロコの答えた解決策には一つ大きな問題があった。

 

「スター大作戦まで残り僅か……。

間に合うでござるか?」

 

シュウメイはメロコへとそう問いかける。

 

当時スター団はいじめっ子達をまとめて脅かしてこれ以上自分達のような人が出ないようにするためにスター大作戦というのを計画していた。

だがそのスター大作戦の予定日は刻一刻と迫ってきており、あまり時間に余裕があるわけではなかったのだ。

 

「間に合わせる!」

 

そう答えたメロコは何処かへと走り去っていく。

 

「メロちゃん!」

 

そう言いながらビワは追いかけようとするがすでにメロコはかなりの距離を走り去っており、合流は難しそうだった。

 

「……………。」

 

ピーニャはメロコの事をフォローするようにオルティガへと話しかける。

 

「メロコもさ……口はともかく悪気がある訳じゃないよ。」

 

そんなピーニャにオルティガは少し落ち着いた様子でピーニャへと返事をする。

 

「…………知ってる。

なんだよちくしょう……。」

 

オルティガは踵を返してスターモービルの改良へと専念していくのだった。

 

_________________________________________________

 

「ちくしょう!負けて悔しいのにオマエらを認めているオレもいる!」

 

オルティガはしばらく昔を懐かしむように呆然としていたけど少ししたらすぐに私達の方へと向き直って若干スッキリしたような様子でこちらをみていた。

 

「負けたらボスを降りる……。

掟を破るのは団に対する裏切りだもんな。」

 

オルティガはそう言いながらパオウルムーの治療を行っていく。

治療を終えた後はボールへと戻してから私達の元へとやってくる。

 

「仕方ないからやるよ、光栄に思えよ!!」

 

偉そうに上から目線なのは変わらないけど何かスッキリした様子でオルティガはそう答えて私達にバッジを渡してくる。

 

代表してレティがバッジを受け取って握手を交わす。

 

ついでに乗っかって私達も握手をしている手に片手を乗せていく。(ライズは若干戸惑い気味だったから無理矢理乗せた。)

 

その瞬間をスマホロトムに撮影して貰ってまた一つ私達は思い出を増やしていった。

 

撮影が終わると何か思い出したようにオルティガはポケットを漁ってわざマシンを取り出した。

 

「ただでは帰さない……オレのお気に入りも持ってっとけ。」

 

そう照れた様子でオルティガはレティに『マジカルシャイン』のわざマシンを手渡していた。

 

さてはこの人ツンデレだな?

ツンデレショタ……ハァハァ……じゅるり。

 

「言っとくけどオマエらすっげームカつくかんな!

でもすっげー強いのも認める!

オレのスターモービルを壊すとか!…………修理できなそうなくらい。」

 

オルティガが若干落ち込む。

 

 

 

 

うん……まぁ可哀想なくらいひしゃげているわね……少なくとも。

 

 

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