ヴィオ視点
~フリッジタウン~
「それでは皆さんご一緒に!本日の主役……!!
カモン!!ソウルフルビート……ラァァァイム!!!!」
カマーさんがそう叫ぶと同時に客席からとてつもない声援が発生する。
「「「「「ライム!ライム!ライム!ライム!ライム!ライム!ライム!ライム!ライム!ライム!ライム!ライム!ライム!」」」」」
強烈なライムコールと共にステージにこのジムのジムリーダーであるライムさんが上がってくる。
あら?この顔どこかで見覚えが……。
するとライムさんが瞑っていた目をクワッという効果音が鳴りそうな勢いで開くと……。
「黙りな!!」
「「「「「ッ!!!」」」」」
ライムさんの一喝で客席にいた全員が一瞬のうちに静かになる。
凄い迫力ね……。
「アンタたち……。」
するとライムさんはどこからともなくマイクを取り出し……。
「ジェラシー感じるノイジー!
ナイスな加減に御機嫌かい!?」
「「「「「イエーイ!!ごっきげーん!!ライム!ライム!ライム!ライム!」」」」」
いきなりラップを歌い始めた。
何故に!?
「あぁ、二人はあの人のラップは初めてか?
このジムの基本はこんなもんだ、それに言ってたろ?
「ああ……そういうことなのね……どっちかと言うとジムのがついでな訳ね……。」
「あはは……でも楽しそう!」
レティは気楽で良いわね……。
「オープニングサンキューベイビーズ!
アタイが来れば退屈させないよ!」
ライムさんはこちらに向いてそう言ってくる。
それとカマーさんが手招きをしていたので私達はとりあえずステージから降りていく事にした。
どうやらこれからしばらくライムさんのステージが始まるみたいだ。
「ジムテストお疲れ様。
マジで最高だったよ、ありがとう!
しばらくライムタイムだからジム受付に報告しておいでよ。」
「分かったわ。」
「うーん、でもライムさんのステージも見てみたいな……。」
「なら俺がここで録画しとくよ。
それなら後で見れるだろ?」
そう言うとライズは懐から折り畳み式の三脚を取り出してスマホロトムに取り付けて固定する。
そんなもんなんで用意してるのよ……準備良すぎないかしら?
「一応浮かせて撮ってもいいんだがしっかり固定した方が綺麗に録れるからな。
一応ライムさんのステージには定期的に来てるんだよ。」
あぁ……そういえばライズのジム関係での人脈忘れてたわ……案の定ライムさんとも知り合いだったわねこいつ……。
「じゃあお願いしても良いかしら?」
「お願い!すぐに戻ってくるから!!」
「任せとけ。」
結局またライズだけが残って私達がジム受付に報告することになった。
とはいえさっきから一人で色々と任せてしまってるから若干申し訳なさがあるのよね……けど私とレティってテント設営とかその辺苦手なのよねぇ……。
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『YO!YO……!』
「あら?」
「なんだろ?」
私達がジムでの受付を終えてジム施設を出ると会場からステージの声がここまで響いてくる。
ずいぶんとリズミカルな話し声だし多分ラップ対決ってとこかしら?
私達がステージに向かうとライムさんと一人の青年がラップ対決をしている所だった。
「今日こそ負かすぜ!ラップバトルで♪
YO友!倒すぜイッツ仰向け♪
オレの ラップ 聞けよ ジムリーダー♪
オレは トップ 店の バイトリーダー♪」
店のバイトリーダーの辺り割と無茶な言い方したわね……。
若干リズムずれてたわよ?
『ズンズンチャッチャカ……ズンズンチャッチャカ……。』
「バイトじゃ リーダー?♪
敗者は 帰りな 去っときな♪
アタイは ライム♪優しさ 皆無♪
じゃないか? ライク ザ・ダイナマイツ♪
ワックで ワナビな アンタには♪
ラップで 学びな ナンマイダ♪HEY!」
ライムさんは青年に近づきながらそう返す。
なかなか容赦ないわね……でも実際にラップを聞いてみるとリズムを一切外してないのもあって凄く上手いわね。
『ズンズンチャッチャカ……ズンズンチャッチャカ……。』
すると青年は若干涙目になりながら……。
「完敗 惨敗 両成敗!
次こそ リベンジ 午後3時ー!」
と言いながら走り去ってしまう。
会場が一気に唖然としてライムさんに至っては白目だ。
ってか午後3時って何よ……それ以前に両成敗どころかライムさんに全く返せてないじゃない……。
「待ちな!まだノッてきなよ!!
ハァ……なんだい午後3時って!自由なバイブスキメやがってさ!」
というか流石に自由過ぎないかしら?
明らかに何も関係なかったわよねあれ……。
するとライムさんは若干モヤっとしたような感じでラップを続ける。
「諦め 早めで 悲しいね!
骨ある 相手は 居ないかね!メーン!」
何気この人のラップちょいちょいゴーストネタ突っ込んで来るわね……ゴーストジムのジムリーダー伊達にやってないわね。
するとライズが溜め息をつく。
「はぁ……わりい、ジムバトルの開始が遅れる。
流石にこれは俺が付き合わないとダメそうだ……。」
「どういうこ…………あぁ、確かにお呼びね。」
私がライズの言葉に疑問を持つとライムさんの視線が思いっきりライズの方へと向いているのがわかる。
「わりい、しばらくライムさんのラップに付き合ってくる。」
「なら私もついてくわよ。
なかなかない機会だもの。」
「あ!私もいくいくー!」
結局レティもライズにくっついて行くことになってステージに上がっていく……。
しばらくラップバトルが続いて疲れそうね。