ヴィオ視点
~ナッペ山~
「はぁ……僕のこおり溶かされた。」
「…………?」
レティはハッサムでトドメを刺してからという物呆然としている。
まるで何が起きたのか分からないみたいな反応をしている。
「逆境をものともせず未来を切り開く熱意……!
昔の自分を思い出すよ……。」
「へ?昔の自分……ですか?」
「いや、何でもない。
ジムバッジを渡さないと。」
するとレティが再起動したように気を取り直す。
「え?あぁ、ちょっと待ってください。
出来ればヴィオ姉とライズ君のジム戦もやってからでお願いしても良いですか?」
「うん?大丈夫だけどどうしてだい?」
「合格記念にジムリーダーと皆一緒に記念写真取りたくて。」
「えっ……一緒に写真取るって……?
うう……そういうのサムいから普通に嫌なんだけど……仕方ない……特別だ。
ただし他の二人が勝ってからだよ?」
「よし!なら大丈夫!」
「へ?」
グルーシャさんはレティが何も心配してないようなその声に疑問を持ったのか首を傾げる。
「だってヴィオ姉もライズ君も私より強いし!」
「…………え?」
レティ……そんなにハードルを上げないで頂戴。
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まぁ実際の所結果としては私達の圧勝となった。
というか純粋に相性が良すぎた。
私は『いのちのたま』を持たせたルカリオを使って必中技の『はとうだん』で牽制しつつ弱点でありタイプ一致技の『バレットパンチ』や『インファイト』でひたすら殴るだけだったのが大きい。
とは言えこの戦法は事前にかなり練習して覚えさせないといけない。
何故なら必中技を使うという特性上追尾式の攻撃となるけどそれが直撃する前に接近戦を行ってしまうと事故って自分に当たってしまうケースが多いからだ。
まぁそれ込みで波動の感知によって三次元的な視覚を持っているルカリオを選んだわけだけどね。
まぁ物理も特殊も両方強いルカリオにこれやらせればかなり強いんじゃね的な思いつきで特訓してたけど……ここまで刺さるとは思わなかったわね。
だけどグルーシャさんにとって一番ダメージが大きいのはそこじゃなかった。
「こおりポケモンのジムリーダーの僕が……ジム用のポケモンとはいえこおりポケモンで負けるなんて……。」
ライズはグルーシャさん相手にこおりタイプであるアグナコトルを出して殲滅していた。
ライズはナッペ山に登る前、チャンプルタウンに寄った時にさらっとアグナコトルのテラスタイプをはがねに切り替えていて『アイアンヘッド』を覚えさせていた。
しかもアグナコトルはかなり耐久が高いのもあって殆どの攻撃を弾いたりこおり技に至っては身体に纏って鎧にしたりと完全なメタになってしまっていたのだ。
うん、あれは仕方ないわ。
グルーシャさんはもはや崩れ落ちて自信を失っていた。
あんなにこっちを見下してるような感じで自信家っぽい感じだったのに見事にわからされたわね……。
とりあえずグルーシャさんからこおりジムバッジを貰って皆で記念に撮影をして肝心の対アナザーポケモン戦に入る。
「アナザーポケモン……確かに僕も捕まえてはいる。
だけど本気でやめた方が良いと思う。
あのポケモンはかなり気性が荒くてまだあんまり言うことを聞かないんだ。」
「…………もしかして最近のナッペ山での異常気象の原因って?」
ライズは何かを思い出したようにそう質問をする。
正直私としても竜巻って時点で嫌な予感がしてる。
「あぁ、こいつはついこの前ナッペ山頂上付近で暴れていたのを捕まえたばかりなんだ。
ボールから出すだけならまだギリギリおとなしいんだがバトルとなると途端に指示を聞かないんだ。」
そう言ってグルーシャさんはボールを取り出して投げ、中に入っていたポケモンを出す。
「オロロロロロ………。」
そのポケモンは全身を純白の鱗と甲殻に覆われており、その翼脚と顔の周辺にはかなりもふもふとしていそうな純白の毛が生えている。
さらにその牙は凍結しており、純白に青みがかった氷が刃のような形となって定着している。
全体的に保護色となるように適応したのだろう純白の肉体をは雪に完全に溶け込んでいる。
まるで鱗や甲殻は鎧、氷の牙が剣の騎士のような風格だ。
つまりこのアナザーポケモンは……!
「ベリオロス……氷刃佩くベリオロス!」
よりにもよってアイスボーンで追加されたベリオロスの特殊個体!?
「………ライズ……レティ。」
「どうしたの?ヴィオ姉?」
「何かあったか?」
「…………このモンスターは古龍相手に縄張り争い出来るレベルの強さを持ってるわ。
少なくともこれにこれに勝てなければオージャの湖のアナザーポケモンは話にならないと思った方が良いわ。」
「「っ!!」」