レティ視点
~ナッペ山~
なんだろう……この腕に付いた石を通してボルンガと深く繋がってるような感覚がする。
「ボルァァァァァァアアアアアア!!!!!!」
ボルンガが半径4m程の巨大な雪塊を投げ飛ばす。
しかも塊にはじめんタイプのエネルギーも集中しているみたい。
「ベリオロス!『アイスサイクロン』で押し返せ!」
「ベルルルルァァァァァアアアアアア!!!!」
ベリオロスが雪塊の進行方向に向けて複数の竜巻ブレスを放つ。
いくつもの竜巻が雪塊を押し返そうとぶつかるけどその圧倒的な重量故か押し返すには至らない。
しかも雪塊にはじめんタイプのエネルギーが混ざっていて『アイスサイクロン』で塊が削れる様子もない。
「押し返せないか……!
ベリオロス、かなり無茶になるだろうが任せてくれるか?」
「グルッ……!」
「ベリオロス!『アイスブレイク』と『すてみタックル』!」
っ!そう来た!?
ベリオロスの『アイスブレイク』はあくまでも翼脚に冷気を纏わせて接近戦闘に持ち込む技だか『すてみタックル』なら確かに同時に扱う事が出来る。
ベリオロスは翼脚に冷気を纏わせて身体を横に向け、雪塊に対してタックルを行う。
「ベルル……ッ!!ベルルルルァァァァァアアアアアア!!!!」
「ボルンガ!!!『もろはのずつき』ぃぃぃいいいい!!!!」
「ボルルルァァァァァアアアアア!!!!!!」
私達は雪塊に狙いを定めて上から叩き潰すように『もろはのずつき』を叩き込む。
最初はちょっとずつ押し返していたベリオロスだったけど『もろはのずつき』を入れてからどんどん押されていく。
「べ……ッ!!リオ……!!ベルルルルァァァァァアアアアアア!!!!!!」
そして雪塊……『ボロスチャージ』に『もろはのずつき』の威力が加わった攻撃にベリオロスが直撃した。
「ベルル……ァァァア……。」
ベリオロスは立ち上がろうとしたけど途中で力尽きてそのまま倒れていく。
「ベリオロス戦闘不能、君の勝ちだよ。」
「いやったぁぁぁああああ!!!」
「ボルァ!」
ベリオロスに勝てたのとボルンガが更に強くなったことが自分の事のように嬉しくなって私はボルンガとハイタッチして飛びながら喜んでしまう。
冷静になってみると割と恥ずかしい……。
だけど喜んでたのもつかの間……。
「レティ、ちょっと来なさい?」
「え?」
「あ、ボルンガは一旦ボールに戻ってて頂戴。」
「ボル?」
何故か私はヴィオ姉に肩を捕まれてボルンガをボールに戻されながら引きずられていく。
ちょっとまって!?
_________________________________________________
とりあえずグルーシャさんに挨拶だけして私はヴィオ姉、ライズ君と一緒に人気の無いナッペ山頂上付近に来ていた。
「いきなりどうしたの二人とも?」
「俺……というよりはヴィオだな。
正直俺もここまで強引にやった理由がわからない。」
さっきからヴィオ姉がこの腕にある石に視線を向けてるけどこれのことも知ってるのかな?
「はぁ……まぁ良いわ。
とりあえず私達がここに移動した理由としてはその絆石よ。」
「絆石?」
「ヴィオ、確かボルンガの暴走の原因になっていたあの結晶の事も絆石と言ってたな。
どう言うことなんだ?」
え?ボルンガの額の結晶も?
でも暴走させるような効果があるのなら絆石なんて名前とは全く合わないような?
「少し事情が複雑なのよ。
元々は絆原石っていう巨大な結晶体を削って作られるのがレティの腕に付けている絆石なのよ。
ただボルンガの額に付けられてるのは悪意のある人が絆石を盗掘して改造した結果モンスター……こっちで言うアナザーポケモンの意思を奪ってコントロールするっていう代物になったのよ。
だから厳密にはこれも絆石の一種なのだけど……正直今は私にも予想までしか出来ないわ。
だって改造モンスターと仲良くなって暴走が起きないっていうのが既に私からすれば異常事態だもの。」
「ポケモンの意思を奪う……。」
「…………まるでロケット団だな。」
私はボルンガの入ったボールを見つめながらその光景を思い浮かべる。
勝手に拐われて改造されて意思まで奪われる。
そんな事をやるような人がいるなんて……。
「…………ヴィオ、一つ聞きたい。
今後ボルンガに暴走の危険性はあるか?」
「向こうの世界の状況次第と言った所かしら……とはいえレティの絆石の形からして多分大丈夫。
原因となる『黒の狂気』は多分終息した後ね。
もし終息してなくともこの世界には絆原石は無いはずだしそもそもの世界自体が違うから可能性は限りなく0に近いと思うわ。」
良かったぁ。
ボルンガがまた暴走するって考えたらすごく嫌だし。
でも一番の疑問が残ってる。
「ねぇヴィオ姉。
絆石って結局なんなの?」
「…………ある意味この世界でいうモンスターボールのような役割を持った道具よ。
あの世界にはライダーと呼ばれるモンスター達との絆を育む少数民族のような人がいるのよ。」