ヴィオ視点
~オージャの湖~
あの後グルーシャさんにオージャの湖に向かうことを伝えてかなり入念に準備をしてから向かった。
でもいざ到着してみると……。
「「…………。」」
「…………まぁこうなるでしょうね。」
私たちは目の前に広がる惨状に思わず言葉を失っていた。
オージャの湖は前世の日本でいう琵琶湖レベルの超巨大でとても美しい湖だ。
だけど今はその湖が見る影もなくなっている。
「…………湖が埋め立てられてる。
あんな大きさの湖にどうしたらこれ程の量のポケモンの骨が……。」
辺り一面に写るのは水ではなく骨……骨……骨……。
尋常じゃない量の骨が散乱し、辺り一面真っ白なのだ。
「…………おかしいな。
あの大きさの湖を埋め立てるにはこのパルデア全てのポケモンの骨でも物理的に足りないはずだ。
それに明らかこのパルデア地方で見たことがない骨格の骨がいくつもある。」
「この地方で見たこと無い骨……ってあれは!?」
私はバッグから望遠鏡を取り出して今見つけたポケモン……いや、モンスターの骨を観察する。
「間違いないわ。
これはモンスター……いえ、アナザーポケモンの骨ね。
骨格は……飛竜種……それも前翼脚竜、つまりはベリオロスみたいな翼を脚として使っているモンスターの骨格ね。
翼の骨の刃物みたいな鋭さや頭の特徴からして多分……"ナルガクルガ"の骨かしら?」
他を見てみると軽く見渡すだけでドスジャギィ、ディノバルド、ライゼクス等の大型や中型モンスターに加え大量の小型モンスターの骨まで発見出来た。
少し気になることが出来た私はこの時の為に調査の名目でリーグから借りたドローンロトムを飛ばしてスマホロトムにその映像を送らせる。
「何かわかったのか?」
「えぇ、正直憶測でしかないけどもし当たったのなら最悪の事態と不幸中の幸いが発見出来るわ。」
はっきりいってこの量のアナザーポケモンの骨が大量にここにある時点で可能性としては二つある。
一つはそれだけの量のアナザーポケモンがこのパルデアに来ており、オストガロアが狩り尽くした。
だけど正直この可能性はゼロに近いと思っている。
何故ならそれだけの事態に陥っていたのなら私達がそれを知らないはずがなく、なおかつこの骨には肉や鱗、甲殻といったアナザーポケモンの遺体の一部が殆ど残っていない完全な白骨だからだ。
つまりこの骨は相当前にオストガロアが食べた後であり、時期的に考えてもこの世界に来る前の物のはずなのだ。
「っとやっぱりあったわね。
しかもかなり大きいわよ。」
「っ!?!?ウルトラホール……っ!!!」
「骨が……滝みたいに流れ出てるっ!」
私のスマホロトムにはオストガロアが簡単に通れそうな程の巨大なウルトラホールが空いており、そこからはとてつもない量の骨が滝のようにあふれでており、その光景からあのウルトラホールがどこと繋がっているのかが一発で分かった。
「十中八九オストガロアの元々住んでいた竜の墓場と繋がっているわね。
少なくとも他のモンスターからの乱入は無さそうね。」
「竜の墓場?ヴィオ姉その場所って……。」
「…………オストガロアって種はどれもかなり高い捕食欲求を持っているのよ。
その触手や体液で獲物を自分の棲みかに引きずり込んでから捕食する。
そうやって積み重なった骨でオストガロアの巣は骨で埋め尽くされていって最終的に竜の墓場と呼ばれるまでに至るのよ。
あそこに繋がってるとなると……あぁ、やっぱりあれも流れてきてるわね。」
ドローンロトムの視点を変えるとそこには台座の上に設置された大型の弩弓……バリスタが流れていた。
見た感じ装填されているバリスタの矢にはワイヤーが接続されているので拘束用バリスタ弾が装填されてるみたいね。
「こいつは……まさか兵器か?」
「えぇ、と言っても正確に言うなら狩猟兵器ね。
あの世界のアナザーポケモン達に人間の力のみで対抗しようものならこういう小細工が必要になってくるのよ。」
まぁこんなの使ってるのは基本超大型古龍とか禁忌級を狩る時くらいで他で使うのはカムラの里の百竜夜行くらいだから向こうでもあんまり使うような武器とは言いにくいんだけどね。
撃龍槍は……流石に無いわね。
「ライズ、ここにテント張ってオストガロアの行動を観察するわよ。」
「分かった。
それと情報を改めて確認しておきたい。」
「ええ、構わないわ。
あとは懸念事項としては秘伝スパイスの位置ね……もしオストガロアが食ってたら確実に勝ち目無いわよ。
相手は古龍の中でもかなり上位の存在よ。
今私達が相手にしようとしてるのはちょっとした伝説のポケモンだと思いなさい。」
ポケモンと違ってモンスターはこっちを本気で殺しに来る……弱肉強食であり、敗北=死へと繋がるこの世界とは真逆みたいな殺伐とした世界の絶対強者……準備し過ぎて損する事はない。