ライズ視点
~オージャの湖~
俺達はシャリタツの案内に従って隠されていた洞窟へと入っていった。
そして洞窟に入った途端にペパーが目の色を変えて走り始める。
「あった!きっとあれだ!」
「ちょっとペパー!?」
「待てって!」
ペパーが向かう先にはやたらと赤く輝いているハーブが生えており、今までの傾向からしてこれがひでんスパイスなのは間違いないと分かるような代物であった。
が……なんかすげぇ嫌な予感がする。
今までのひでんスパイスって確か他の食材の味をたったひと振りで塗りつぶしかねない程尖った味をしていた。
今まで発見したのは甘味・苦味・酸味・塩味の四種の味がやたらと尖っていたものだ。
人間の感じる味覚的に順当に考えれば最後は旨味になるんだが……流石にあの色はどうみても違う。
そうなると残るのは味覚ではなく痛覚……つまり……。
「ひでん:からスパイスって所か……。」
「な……なんか近付くだけで痛いんだけど?」
「ねぇ……これってもしかして……。」
「あぁ……周囲に辛み成分が飛び立ってるんだろうな。
多分香りの成分にも辛みが含まれてるんだろうな。」
俺はとりあえずこんなこともあろうかと買っておいた防塵ゴーグルを着けておく。
「最後の秘伝スパイス……ッ!!」
ペパーはそれを調理等で使うポリ手袋を着けて採取する。
「シャリタツ、ありがたく使わせて貰うぜ。」
「ウム……。」
ペパーはすぐさま調理に使えるようにスパイス用のグラインダーを使って粉状に加工してからスカーレットブック及びバイオレットブックに乗っている秘伝スパイスのページを開ける。
「えーとなになに?本によると……
ひでん:からスパイスは代謝を上げる!
循環機能に効き目があっていっぱいの汗と一緒に体から毒素も出ていくんだってさ!」
「基本的には辛みの強い香辛料の延長線上なんだろうが……これは相当扱いが難しいぞ。」
粉の状態だと若干マシになるみたいだが粉塵が少しでも目や鼻にでも入ったりすれば洒落にならないだろう。
「あぁ、でも考えてたって仕方ねぇよ。
んじゃさっそく調理開始だー!!」
そう言うとペパーは凄まじい速度でピクニックグッズを組み立てていく。
すると隣にいたレティ達から声をかけられる。
「ねぇねぇ、私達も何か手伝おうか?」
「ん?あぁ、大丈夫だ。
少しの間だけ待っててくれ。
そうだな……ここの洞窟の大きさなら皆出せそうだな。
オストガロアだけは湖側にいて貰うことにならがここは皆で食べるとしよう。」
正直そのくらいまで薄めないと食えたもんじゃないだろう……お陰で今まで採取したひでんスパイスは実は結構残っている。
あまりにも味が強すぎるのだ……とはいえたった少量でもマフィティフにあれほどまでの効果を発揮している事から大丈夫だろう。
「わかった!ヴィオ姉!」
「ええ、とりあえず出来るまでの間はみんなのお世話をしておきましょうか。
私も謎の多い古竜の事……オストガロアの事ももっと知っておきたいもの。」
最近のヴィオは俺が生物学を個人的に教えているのもあってアナザーポケモンの生態調査なんかに何かと乗り気になったりすることが多くなった気がするな……。
まぁそれはそれで良い……のかな?
「ペパー、スパイス半分程貰うぞ。
手分けして作ろう。」
「おうよ!」
流石にポケモン含め全員分のを作る……つまりは32人前だからな……まぁ体の小さいポケモンだったりもいるから実際の量としては15~18人前ってとこだろう。
ペパーは毎度の事ながらバッグの中に尋常じゃないほど食材がパンパンに詰められており、普通に全員分いける量の食材がある。
さて……俺は全員分とは別にネクロム用にと事前なレシピをよく練っておいた特別なのを用意しておくか……。
「うおおおおおおお!!ずりゃ!!おりゃー!!」
相変わらずペパーの調理速度が若干おかしい……あれで趣味レベルはないと思うんだがなぁ……。
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「全員お待ちどうさん!ペパーお兄さんの元気印!
ファイナルスパイスサンドだ!」
「俺の作ったもんもあるぞ、これなら皆食えるだろうから順番に受け取ってってくれ。」
しばらくした後全員分のサンドウィッチを作った俺達は汗を軽く手拭いで拭いながらも皿を皆に渡していった。
「オレモヨイノカ?」
「あぁ、もちろんだ。
それに元々はお前のものだったわけだしな。」
「ソウカ、ナラアリガタクイタダコウ。」
シャリタツにも俺達のサンドウィッチを渡して全員分に行き渡らせる。
だが一つ突っ込ませろペパー……。
「…………お前の事だから味は良いんだろう。
だが……その燃え盛るようなオーラはなんだヲイ……。」
「あぁ……いやー……そのー。」
「目をそらすってことは自覚あったのね……。」
「まぁこれはこれで良い記念写真が取れる……のかな?」
記念撮影を終えた後俺達はとりあえずネクロムとマフィティフへと食わせる時の世話をするために先に食うことにした。
……が。
とりあえず味は想像を絶する程辛……いや、痛かったと言っておこう。
一応は旨かった。