ヴィオ視点
~ポケモンリーグ試験会場前~
ライズ達と三手に別れた後私はテーブルシティすぐそこにあるポケモンリーグへと来ていた。
試験会場となる施設の前のポケモンセンターでそらとぶタクシーの登録をしていると入口側で話し声が聞こえてきてそこに視線を向けてみるとオモダカさんがいるのを見かけたので声をかける事にする。
「オモダカさん。」
「おや、バイオレットさん?
いよいよポケモンリーグに挑戦されるのですか?」
「はい、なので手持ちも今まで育てて来たポケモンの中でも特別特訓していたのを持ってきました。」
「それはそれは……所でスカーレットさんの姿が見えないようですが……?
ライズさんは先程ボタンさんの手伝いとデータの提出、論文の作成で缶詰になっていますが……。」
ラ……ライズ……。
「目的地が複数出来たので一度別れてから合流する事にしたんです。
別に一つ一つにしても良かったんですが今まで私達が離れて行動する事も無かったなと思ったんです。」
「そうでしたか……つまりこのリーグもただの通過点に過ぎないと考えているんですね?」
っ!オモダカさんから凄い威圧感が漂ってくる。
でもこんなの今までヤバイ奴らばかり相手しててもう慣れてるのよね。
「えぇ、まぁ見ていてください。
ちょっと度肝を抜かして頂こうかと思ってますから。」
「そうですか、それでは楽しみにさせて頂きましょう。
さて……チャンピオンランクになるための最後のテストは……。」
最後のテストは……?
「こちらの建物で行われているのです。」
「…………。」
溜めるだけ溜めて最後に叩き落としたわね……。
「バイオレットさんのご健闘を心より祈っております。
後程お会いできるのを楽しみにしておりますよ。」
「ええ、首を洗って待っててください。」
そうしてオモダカさんはリーグ施設の中に入っていった。
それにしても良く言った物ね……あの目を見れば分かる。
検討を祈っているとか楽しみに待っているのは確かだろうけどそこには油断も隙も何処にもない。
そして自分が負けるとは思っていないような圧倒的なまでの自信に満ちた目……慢心しない自信家程厄介な人は居ないわ。
慢心しないって事はつまりそれだけ自分の実力を見極められている証拠でありその上で自信に満ちているのであればそれは経験による物に他ならない。
下手しなくても普通のポケモンでアナザーポケモンを対処してきそうね。
すると先程までオモダカさんと会話していた職員の人が話しかけてくる。
「それでは早速ポケモンリーグチャンピオンテストに挑戦されますか?」
「はい!」
「えーとポケモンアカデミーのバイオレットさんですね。
お持ちのジムバッジは8個……と!
はい!それでは面接室へお入りください。」
め、面接?
なにそれ聞いてないんだけど。
職員の人に連れられて私はリーグ施設内のある一部屋の前へと訪れる。
職員の人がノックをすると中から『どうぞ』という声が聞こえてくる。
「それではお入りください。」
「はい、失礼します。」
私は扉を開けてからお辞儀をして閉め、面接官と思われる女性……チリさんのデスクの前に置かれた椅子の右横に移動して"座らずに立っている"。
少しチリさんが感心したような表情になる。
伊達に最初の人生で何度も面接やってないわよ。
「本日はお越しくださりありがとうございます。
どうぞおかけください。」
チリさんのその言葉を聞いてから私は横にある椅子にちゃんとした姿勢を崩さないように意識して座る。
それにしてもこの人こんな事するイメージ無かったから結構意外ね……。
「面接官のチリです。
これよりチャンピオンテストの第一次試験……面接テストを行います。」
「えーと、お持ちのジムバッジは……おお、8個ですか!
今からバイオレットさんにいくつか質問をさせていただきます。
回答によってはその時点でテスト不合格となる場合もございますのでご注意ください。」
気を付けなきゃね……それにしても四天王の前に面接って……この世界がおかしいのかこの地方がおかしいのかわからないわね。
「それでは始めます。
本日はどのようにしてお越しくださったんですか?」
「テーブルシティから徒歩で来ました。」
「それは良いですね。
普段通われている学校のお名前を教えてください。」
……?質問の意図が良くわからないわね。
「ポケモンアカデミーです。」
「そうでしたね、本日はポケモンリーグまで何をしに来られたんですか?」
「もちろんチャンピオンになるためです。」
「ええ、ええ……それ以外ありませんよね。
ではチャンピオンになってどうなさるおつもりですか?」
「…………私達の目標……この宝探しの最終目的……パルデアの大穴を目指します。」
「ッ!!!な、なるほど……そうでしたか。
続いて8つのジムの中でもっとも苦戦したのはどこですか?」
苦戦した所……正直一択しかないのよね。
「チャンプルジムです。」
あの紅兜だけは何故か強さの桁が一つ抜けてたのよね……ガノトトスの異空間タックルはコツさえ掴めばなんとかダメージは押さえられるけどあれは本気でヤバかったわ……。
「ほほう。
ではそのジムで挑戦したジムリーダーの名前は?」
「アオキさんです。」
「……………………しっかりと覚えていますね。
アオキさんのポケモンのタイプは覚えてますか?」
「ノーマルです。」
だいぶ溜めた後チリさんは笑みを浮かべて若干空気を緩める。
とはいえ私まで油断するわけには行かないので引き締めた気が緩まないように注意する。
「素晴らしい!
チャンピオンテストに辿り着ける実力をお持ちだということはバイオレットさんはたくさんのポケモンと出会ってきたと思います。
その中で最初に選んだポケモンの分類は覚えていますか?」
っ!そこまで知ってるのね……プライバシーもなにもあったものじゃないわね。
確かホゲータは……。
「ほのおワニポケモンです。」
「……流石です。
申し訳ありません、同じ質問を繰り返させてください。
バイオレットさんはチャンピオンになってどうなさるおつもりですか?」
これは……意思確認なのかしら?あとはちゃんとリーグに挑戦してきたかどうかとかそう言うことなのかしら?
それにしてもなぜ面接?
「……私達の宝探しの最終目的地であるパルデアの大穴へと潜ってこの地方に起きている異常、それに友達の因縁に決着をつけさせてあげたいんです。」
「…………そうですか。
それでは最後の質問です。
バイオレットさん、ポケモンは好きですか?」
……冗談言わないで頂戴、そんなの一つに決まってるわ。
「好きじゃなければ家族のようにふれあうことも出来ませんから。」
するとチリさわが目を閉じて沈黙をする。
「…………………………………………。」
だ、大丈夫……よね?