未来と古来と異界のポケモン   作:クロマ・グロ

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紫の少女と四天王

 

 

ヴィオ視点

 

~ポケモンリーグ会場内部~

 

 

「…………………………………………。」

 

チリさんがしばらく無言のままでいると急に笑みを浮かべて緊張感が一気に解ける。

 

「お疲れさん、以上で面接は終いや。

バイオレット、おめでとさん。

一次試験……面接テスト合格や!」

 

ふぅ、なんとかなったみたいね……それにしてもあまり面接の質問の意図が良く分からなかったわね?

 

「いやぁ、一発合格するとはなぁ。

というかあんたさんやたらと面接慣れしとらんかったか?

とてもその年で出来るような態度ちゃうでそれ。」

 

あぁ……そういえばこっちだとそもそも面接なんて子供がやるようなもんじゃなかったわね。

前世だと16の時点でバイトの面接とかあったから感覚が麻痺してたわね。

 

「さ!気持ち切り替えて次の試験や。

二次試験は四天王とのポケモン勝負……その名も実技テストや!」

 

…………いやあの……面接に実技テストとかどっかの受験かなにかなのここは?

いやまぁある意味受験に近いのかも知れないけど……。

 

「そのまんまやないかーいってツッコミは無しな。

ポケモンリーグ選りすぐりの四人のトレーナーとの連続勝負……それに各ジムリーダーから聞いとるで?お前さんらあのアナザーポケモンっちゅうのとのバトルも希望しとるんやろ?

あのポケモンらは実力が明らか次元が違うさかい本テストとは別口でやらせてあげるつもりやから楽しみに待っとき。」

「あ、やっぱり案の定全員持ってるんですね。」

「そりゃあなぁ……パルデア各地であんな暴れとるさかいうちらが駆り出されて捕獲及び調査もやっとるって訳や。

それにライズからもある程度聞いてるで?

あのポケモンらがこの地方に現れる原因……あの大穴にあるそうやないかい。」

 

パルデア各地で……か。

おかしいと思ってた……ジムリーダー全員が所有しているのもそうだけどスター団のボス達が捕獲している分に私たちが捕獲した分……あまりにも多すぎる割には情報が殆ど出回ってなかった。

 

多分四天王の人達やオモダカさんなんかが捕獲して下手に騒ぎにならないように情報操作していたんだ。

 

「ま、認める認めないは置いとくとして激しい戦いになるさかいしっかり準備してから奥の部屋に進みや。」

 

チリさんは面接の結果についてもう一仕事があるらしくて後から向かうらしい。

 

私も手持ちのポケモン達の様子を確認してしっかりと"道具"を間違えてないかもチェックした後チリさんの言っていた奥の部屋へと進んでいく。

 

しばらくは一本道が続いて緊張感が出てきたけどすぐにもう一つの扉が見えてくる。

 

私はそこを通っていくとその部屋には巨大なバトルフィールドと"剣盾"以前の通信対戦の専用フィールドを思わせる不思議な作りの壁や天井、床に覆われた巨大な部屋に到着した。

 

「他の四天王の達は一体……?」

 

部屋の中には誰もおらず、若干緊張感が増してくる。

 

すると後ろの扉が開く音がしてチリさんが部屋に入ってきて私とは反対側のフィールドへと陣取った。

 

どうやら最初の相手はチリさんらしい。

 

「そんじゃあ早速始めよか。

四天王の露払いはこのチリちゃん!

うんとかわいがったるからせいぜい……きばりやぁ!」

「こっちのポケモン舐めてたら痛い目を見ますよ!」

「そいつは楽しみや、いくでぇ!ナマズン!」

「行くわよ、ヤルキモノ!」

「ナマッ!」

「ウッキャァァアアアア!!!」

 

確かチリさんは地面タイプの使い手だったわね。

『じしん』なんかは威力が特に高いし気を付けないと。

 

「ようやっと戦えるなぁ!すぐに終わったら承知せんでー!

それにその育て方……わざと進化しないようにしとるな?」

「やっぱり気付きます?」

「そりゃなぁ、特性の『なまけ』なんかは結構デメリットが大きいさかいちょくちょく見るもんや。

だけどその分能力は上がりにくい傾向があるのはもちろん知っとるよな?」

 

確かにこの世界においてわざとケッキングにしないというトレーナーは一定数いる。

だけど調べた限りそのトレーナーの大半はある"どうぐ"の存在を知らないからこそその真価を殆ど発揮できていないようだった。

 

「ええ、でも進化前ポケモンは育て方次第で全く別のベクトルで化けるものですよ。」

「そんならその力、早速見せてもらおか!

ナマズン!『だいちのちから』!」

「ヤルキモノ!『ドわすれ』で受けきりなさい!」

「ズッズマッ!!」

「ウキャ~~?ウキッ!?」

 

ヤルキモノがとぼけた顔をして『ドわすれ』を発動させてチリさんのナマズンによる『だいちのちから』を真正面から直撃する。

 

だけど……。

 

「んな!?なんやとぉ!?」

 

残念ながらヤルキモノには全くと言って良いほどダメージが入っていない。

 

「結構この世界じゃ知られてないんですよね。

この道具……"しんかのきせき"は!」

 

この道具は進化先のあるポケモンに持たせて戦わせる事で真価を発揮する道具であり、その効果は……"ぼうぎょ"と"とくぼう"が1.5倍という破格の倍率になることだ。

 

たかが進化前のポケモンの1.5倍と舐めていると痛い目にあう。

進化前ポケモンの恐ろしさを教えてあげるわよ。

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