ヴィオ視点
~ポケモンリーグ屋上~
「ミッ……ミガル……サ……。」
「ミガルーサ戦闘不能ですか……なんという威力。」
よし、残り二体。
正直私がそれなりにガチで選んだこの子達の育成には難儀したわよ。
だってこの世界でもタウリンとかの努力値系アイテムめちゃくちゃ高いんだもん!?
いやほんと凄まじい金額消し飛んだわよ?
そもそもどのポケモン倒したらどの努力値上がるとか覚えきれないわよ。
マリナードタウンに足繁く通ったりして努力値下げのきのみも買い漁った甲斐があったわ。
性格補正のハーブなんかは一応この世界にも存在してはいるけど……性格そのものを無理矢理歪めるっていう危険性から危険ドラッグ扱いに指定されているからその辺は出来るだけ狙った性格っぽい子を選んだのだけどね。
このカイリューは所謂いじっぱりAS……こうげきの高さだけなら他のカイリューと比較しても一回り以上強く出れる上に自分に不必要なとくこうを下げ、すばやさも鍛える事で『りゅうのまい』の効果を最大限活かせるようにしてある。
ただいじっぱりな性格なのもあってちょくちょく他のポケモンと張り合う事もあるからあんまり数を育てたくはない性格なのよね……。
しっかり性格とかのバランス見て手持ちを組まないと喧嘩ばかりで旅もままならなくなってしまうもの。
「そのカイリュー……私が見たどの個体よりも極端な育ち型をしていますね。
基本的にトレーナーが育てたポケモンはその経験から全体的にバランス良く育つ物ですが貴女のカイリュー……いえ、どのポケモンからもそのバランスの良さが全く感じられない。
むしろ不必要な成長を除外して一点突破で育てたような極育ち型……貴女はなかなか面白いトレーナーですね。」
うっわバレてる……というかやっぱりこの世界だとこの手の育て方も異端な部類なのかしら。
確かに今までの旅で出会ってきたトレーナーの殆どはあんまりポケモンに尖っている部分……というか明確な強みを活かそうって言う感じの育成をあまり感じられた事はない。
流石にジムリーダーや四天王、オモダカさんレベルになってくると圧倒的な経験の多さからか動きが身体に染み付いてるように自然な流れで得意な戦法に引きずり込みにくるけどやっぱり尖ってはいなかった。
隣でレティやライズのポケモンの育て方なんかも見続けていたけどやっぱりバランス良く出来るだけいろんな対処を出来るようにと育てている場合が大半だった。
対して私はポケモン一匹一匹に合った能力を限界まで引き伸ばして無駄を削ぎ落として役割に特化させることを意識していた。
受け身ではなく攻め、兎に角自分の得意を押し付けるのが最善と分かっているからだ。
だから不利と分かればすぐに交代、又は倒されるのを想定して引かずに攻めている。
…………私はこの世界において間違ってないか時々心配になる。
「クエスパトラ!踏ん張ってください!」
「クエェェェェェェェエエエエ!!!」
だけどライズのポケモン達にまともに対抗するにはやっぱりこのくらい尖った強さが無いと通用しない。
何よりも……。
「惚れた男の人にくらい良い所を……強みを見せてあげたいじゃない!」
「ッ!クエスパトラ!『ルミナコリジョン』!」
「させないわ!『しんそく』『ドラゴンクロー』!」
「リュゥゥゥウウウ!!!!」
「グエッ!?」
「なっ!?」
カイリューはクエスパトラが動くよりも先に『ドラゴンクロー』を展開して『しんそく』の加速と『りゅうのまい』によるパワーアップを噛み合わせた一撃でクエスパトラを一瞬で吹き飛ばした。
「またしても戦闘不能……一撃で倒されましたか。」
流石は『りゅうのまい』と言った所かしら。
これでラスト!それにあの人のテラスタル枠は流石に調べたから知っている。
するとオモダカさんが行きなりネモみたいに笑い始める。
「アハ!アハハハハ!
こんなに不利な状況いつ以来でしょうか!
それでもまだ負けるつもりはありませんよ?
行きなさい!キラフロル!」
「キラキラ~!」
出た……キラフロル。
「トレーナーを導く光あれ!キラフロル!」
オモダカさんは懐から取り出したテラスタルオーブに力を込めてキラフロルへと向かって投げつける。
キラフロルの全身がクリスタルによって包まれ、そこから現れたキラフロルの頭部には岩によって創られた神殿のような形をした冠が乗せられていた。
「いわテラスタル……!」
それにキラフロルは特性『どくげしょう』で物理攻撃……というか接触攻撃を食らうとどくびしをばらまくとか言うイカれた特性を持っている。
ただこのタイミングで出てくるキラフロルに関しては実は私はちょっと思うところがある。
そのポケモン…………エース運用よりも先発適正の方がめちゃくちゃ高くないですか?