ライズ視点
~テーブルシティ『中央広場』~
お互いに最後の一匹……さっき脳内に響いた謎の声といいfallになる前の記憶といいグラビモスがさっき使った技といい気になることだらけではあるが今はバトルに集中しることにする。
理由としては単純明快であのバトルジャンキー相手にするのに余計なこと考えてたら確実に負けてしまうからだ。
あいつの実力はめちゃくちゃ高い。
それに加えて同じアナザーポケモンだらけなのもあってポケモンの強さによるアドバンテージほぼ無いに等しい。
俺の最後の一匹……まぁ何を出すべきかは最初から決まっている。
「いくぞネクロム!!」
「シカリノッ!!!」
「いっくよー!アトラル・カ!!」
「キシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアア!!!!!」
ッ!?オストガロア並の威圧感!?
「…………や……やっぱりなのね……。」
すると後ろでヴィオがめちゃくちゃ顔をひきつらせている。
というか言動からしてあいつ途中からネモが何出してくるか全て予測出来てたっぽいな。
「…………ライズ、そいつはオストガロアを遥かに越える化物よ。
一応種族的には甲虫種だけど大半の古龍を上回る実力の持ち主よ。」
なっ!?ヴィオから聞いていたがありとあらゆる生態系を逸脱した存在が古龍……生きる災害そのもの。
だがそれの大半を越える?
だがあいつから感じる威圧感自体はオストガロアと同等程度だ。
一体どういうことだ?
「そいつの強さは己の肉体のみにならないわ!
アトラル・カは自分が知っている最も強い存在を模倣し、人間の作り出した文明すらも利用して巨大な動く巣を作り出すのよ!」
自分の最も恐れる存在?
生身でオストガロアクラスの強さを持つあのポケモンがか?
だが考えていても仕方ない。
ここで出せる全力を出しきるまでだ!!
「いくぞネクロム……大衆の面前でやっていいかどうか若干悩むがな……。
ウルトラバァァァストォォォォォオオオオ!!!!!」
「クロロロロロロロロロロロロロロロロロッ!!!!!」
「アトラル・カ!!テラスタル!!」
「キシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアア!!!!!」
俺は腕のZリングを掲げ、ネクロムの全ての力を解放し、真の姿を露にする。
ネクロムは銀の光の柱を発生させる。
だが相対するアトラル・カはテラスタルオーブから産み出されるクリスタルに包まれるとそのクリスタルはみるみるうちに巨大化していく。
なんだこれは……ただのテラスタル現象じゃない。
普通に考えていてもテラスタル結晶はここまで巨大化しない!
中央広場がかなり広大じゃなきゃやばかったな。
やがて周囲の建物すらも越えるレベルの巨大な結晶にまで成長するとその結晶に少しずつヒビが入っていき、砕け散る。
そこから現れたアトラル・カは先ほどまでの黄金のカマキリのような姿ではなく、四足歩行の巨大なブリキにも見える翼を持たないドラゴンポケモンのような姿へと変化していた。
その身体は人が作ったと思われる金属板や歯車、超巨大な槍、大砲、バリスタと思われる物……大量の兵器や装甲等を糸で無理矢理繋ぎ止めたような姿であり、その頭部の上にはドラゴンテラスタルの冠を付けており、全身が結晶化している。
どうやらオストガロアのように特性で向こうの世界にウルトラホールを開けて自分の物を出したり先ほどまでのような自分の有利なフィールドを自力で生成するようなタイプではなくテラスタルすることで自分の巣を生成するとはな……。
元の姿は跡形も無いように見えるが良く見るとあの巣の中央辺りに巨大な黄金の繭が見える。
おそらくあそこがアトラル・カの本体なのだろう。
「で……でっかーい!?」
「アトラル・ネセト。
アトラル・カの移動式の巨大な巣よ。
いえ、女王の為の玉座とでもいうべきかしらね。」
「アトラル・ネセト……玉座ねぇ……。」
正直これのどこが玉座だよとツッコミたいが我慢する。
というかどうみてもこいつに使われてる建材や兵器からして砦や街がいくつか襲撃されてるだろ。
明らかにあの兵器郡からしてその手の防衛施設を丸ごと取り込んでいる上に砦の残骸一つで足りるような大きさじゃないぞ。
「アトラル・カはかなり頭が良いのもあって人間の作り出した兵器すら攻撃に利用するわ。
気を付けなさい。」
「見るからにヤバそうなのはあの巨大な槍だな。
おそらく向こうの世界に多く存在するドラゴンポケモン達の硬い甲殻を貫く為に作られた物だろうが凄まじい程のドラゴンエネルギーも纏っている。」
「良く気付いたわね。
それは撃龍槍、本来は超巨大古龍を撃退する為の物よ。
今では強大な力持つ古龍や街の防衛なんかに使われる兵器だけどかなりの数のドラゴンポケモンに致命傷を与えてきた兵器よ。」
撃龍槍……だがあれだけを警戒すれば良いってだけの簡単な話じゃない。
あれだけの存在……これはかなりヤバいな……。