ライズ視点
~テーブルシティ『中央広場』~
「ギュァァァァァァァアアアアアアアアア!!!!」
「クロロロロロロロロァァァァァァアアアアア!!!!」
ネクロムと本体を露にし、頭部にドラゴンテラスタルの冠を被り、全身をクリスタルへと変異させているアトラル・カが真正面からぶつかり合う。
ネクロムは先程までの無茶に加えてZ技による全力を出したせいでもはやまともな『わざ』を使えるようなエネルギーは残っていない。
対するアトラル・カも自慢のアトラル・ネセトは破壊され、まともに糸を操ることさえ出来ないほど消耗しており、お互いに『わるあがき』による激突となった。
「ギュァァァァァァァアアアアアアアアア!!!!」
アトラル・カはその大鎌のような手を大きく振るって近接戦を仕掛けて来ており、周囲にあるアトラル・ネセトの破片を糸で力ずくで振り回しながら戦っている。
対するネクロムは元々物理ではなく特殊攻撃に特化した月食ネクロズマをベースにしていたためにあまり近接攻撃は得意ではない。
だがウルトラバーストによってそのポテンシャルはソルガレオ以上へと引き伸ばされており、例え鍛えていなくとも十分過ぎるパワーを発揮している。
だがアトラル・カの攻撃を避けるほどの体力は残っておらず、その全てを『コスモパワー』で上昇した防御能力に物を言わせて受けきっている。
攻撃に関しても元々腕として扱っていた巨大な脚部による掴みや噛みつき、翼による殴打などとなっており、アトラル・カと良い勝負になっている。
能力を底上げしているネクロムをであっても良い勝負程度で済んでしまっている為にアトラル・カの近接戦闘でのポテンシャルは確実にウルトラネクロズマを遥かに越えるようだ。
「だからって負けてられるかぁぁぁぁぁああああ!!」
「クロロロロロロロロァァァァァァアアアアア!!!」
一瞬俺とネクロムが何か繋がり会うような錯覚を覚える。
まるで俺がネクロムになって、ネクロムが俺になっているような妙な感覚だ。
それに何故かネクロムが見ている光景が俺の見ている視界とダブって見えているような気がする。
早速アトラル・カの鎌が右から袈裟懸けに斬りかかってくる。
流石に俺の視界にもその姿が映っているのもあって反射的に自分の腕で守るように構えてしまうがネクロムも俺と全く同じ動きをしてその右側の三枚の翼を重ねて盾にして守った。
「っ!?動きが変わった!」
今度はネクロム側の思考や動きが俺の方へとフィードバックされていくのが分かる。
俺は左側の腕を大きく振り上げて指を鉤爪のように曲げた状態で手を広げ、その腕で引っ掻くように振り下ろす。
ネクロムも俺の動きにシンクロするように翼の先端にある爪による攻撃を行う。
「ギュッ!?ギュァァァアア!?!?」
ネクロムの身体の放つ光が更に強くなっており、一撃一撃の威力が少しずつ上がってきている。
明らかにおかしい……おかしいが……これなら勝てる!!
「…………っ!キズナ現象……。」
ヴィオが思わずそう呟くのを聞くと俺は何処かで聞き覚えがあるような気がしたが今は戦いに集中するために今は置いておくことにした。
「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!!」
「クロロロロロロロロァァァァァァアアアアア!!!!!」
俺とネクロムが咆哮を上げると共にアトラル・カへと噛みつきにかかる。
「ギュァァァァァァァアアアアアアアアア!!!!!」
アトラル・カも負けじと尻尾の針による反撃を行ってくるがネクロム……いや、俺たちは『コスモパワー』によって大きく上昇した耐久力に物を言わせて耐え抜き、逆に身動きが取れないようにアトラル・カの上に陣取って浮かべた脚で更に拘束を強めていく。
だが思ったよりもアトラル・カの可動域は広いようで、鉤爪状の鎌がこちらに向かって何度も襲いかかってくる。
「ギッ!ギャアッ!ギュァァァァァァァアアアアアアアアア!!!」
何度も攻撃を受け止めながら俺達はエネルギーがようやく一発分とはいえ回復してきたのを確認すると全身の光をサイコパワーで操り始めていく。
「ギュァァァァァァァアアアアアアアアア!!!!」
その間にももちろんアトラル・カは攻撃を続けていく。
だが今の俺達は片方がなにかをすればもう片方もシンクロするような状態だ。
だから……。
「俺が防いでネクロムが放つ!」
「クロロロロロロロロァァァァァァアアアアア!!!」
俺はひたすらアトラル・カの攻撃を防ぐ動きをしてネクロムへとシンクロさせて防ぎ続ける。
ネクロムはサイコパワーを練ることに完全に集中する。
そして攻撃の準備が整ったことを悟った俺は一瞬の隙を突いてアトラル・カに噛みつく。
「ネクロム!!ゼロ距離『フォトンゲイザー』!!!」
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」
そしてその場で大爆発が起きる。
「っ!?!?ぐぁぁあ!?」
これは……っ!?ネクロムの感じている痛みか!?
どうやらこの状態の間はネクロムの感覚全てがフィードバックされるらしい。
そして『フォトンゲイザー』をゼロ距離で直撃したアトラル・カは……。
「ギ……ギシャァァァ……。」
目を回して気絶していた。
かなり危なかったが……俺たちの勝ちだ。