未来と古来と異界のポケモン   作:クロマ・グロ

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少年と双子と異変

 

 

 

ライズ視点

 

 

~ゼロゲート内部『地下1F』~

 

 

『生体認証確認済み、オールクリア。』

『降下ゲート解放。』

 

博士達の誘導に従い俺達はエリアゼロへと続く降下ゲートがある地下階へと訪れていた。

 

だが今の俺にはそれよりも気になることが出来ていた。

 

『自然に愛された子……モンスターに愛された子……君は人には……されなかっ……もしれない。

でも……ないで……は……な……さ……るのだから。』

「…………ぐっ。」

 

頭が……割れるように痛い。

まるで虫食いのような記憶が……このエリアゼロへと近付くにつれて流れ込んでくる。

 

『ねぇ…………君。

君は……になりたい?』

『………君!』

『はやく……においで!』

 

…………確実に俺がfallになる前の記憶だと言うのは本能的に理解できる。

 

だがなぜエリアゼロに近付けば近付くほど記憶の逆流が激しくなってるんだ?

 

 

「……イズ君。」

 

それにあの白い少女は何者なんだ?

俺と何の関わりがあるんだ?

 

「ライズ君。」

 

モンスターに愛された子?それに自然に愛された子って一体どういう……。

 

「ライズ君!!!」

「ッ!?わ、悪い……またぼーっとしてた。」

「大丈夫?」

「ここに来てから何か変よ?」

「おいおい、ここから先は危険なんだぜ?

そんな様子で大丈夫かよ?」

「体調悪いん?」

「…………。」

「大丈夫?バトルする?」

 

とりあえずネモにはツッコミを入れておきたいが嫌な予感しかしないからやめておこう。

 

改めて目の前に集中するとそこには先程のゲートが開かれており、その先にある降下口のゲートが倒れるような形で開いていた。

だが見る限り昇降機等があるようにも見えない。

 

どうやらエリアゼロは飛行可能なポケモンによる行き来を前提としているらしい。

 

『ここから外はエリアゼロの上空だ。』

『バイオレット、スカーレット……ミライドン及びコライドンは連れてきているな?』

「はい。」

「連れてきてますけどまさか……。」

『ここまで一緒に冒険してくれてありがとう。』

『二匹のライド技・かっくうを使えばエリアゼロへ降りられるだろう。』

 

するとボタンが当然であろう疑問を覚えたのか口にする。

 

「え?エレベーターとか無いん?

ってかミライドンとコライドン飛べんの!?」

『下に着いたら連絡する。

無事を祈っているよ。』

 

だが博士達はそんなボタンの疑問を無視してその一言を伝え、そのままスピーカーを切っていった。

 

「……強引なヤツら。」

 

ペパーは博士達の様子に呆れるような声をあげる。

だがネモは我慢出来ないとばかりに急に駆け出していく。

 

「エリアゼロのポケモン楽しみ!はやく降りよっ!」

「あの子怖いとか無いんか?」

「…………どうなんでしょうね。」

「はぁ……オレ達も行くか。」

 

先に向かっていったボタンやネモを追いかけるように俺達は降下口付近へと近付いていく。

 

勿論進むにつれて俺への記憶の逆流は更に進んでいく。

 

「辺り一面雲しか見えん……一体何mあるんやろ……。」

「うわぁ……スッゴいワクワクしてきたなぁ!」

「お前ら腹はくくったか?」

「ええ。」

「元々そのつもりだったから当然だよ!」

「俺もこの場所と俺の何が関係しているのかを知りたいしな……。」

「よっしゃ分かった!

行くぞ!アイツら出してくれ……。」

 

ペパーの言葉にヴィオとレティはお互いを向き合って頷き合い、懐からモンスターボールを取り出した。

 

「出てきて!コライドン!」

「行くわよ!ミライドン!」

「アギャア!」

「ギャァァッス!」

 

二匹は勢いよく飛び出したと思ったら周囲を見渡してどんどん表情を曇らせていく。

 

これは……怯えている?

 

「アギャ……。」

「ギャァス……。」

「どうしたんだろ?」

「フンッ!高くてビビってん……だろ!」

 

ペパーはそう言いながら無理やりコライドンの方へと飛び乗っていく。

 

「ギャァス?」

「そっかそっか!

よいしょっ!みんなで飛べば怖くないよー!」

「ギャァアッ!?」

 

今度はネモがミライドンの方へと乗り込んだ。

 

「意味分からん。」

「……失礼いたします。」

 

ボタンはスマホロトムを覗きながらそのままミライドンの背中に後ろ向きで座りこみ、アオキさんはコライドンに一声かけてから乗り込んだ。

 

すると今度は俺の懐のモンスターボールが勝手に起動してガーグァが出てきた。

 

「…………クエ。」

 

だが様子が明らかにおかしい。

 

「あれ?」

「いつもとちょっと違う?」

「あ!この独特のオーラなんか見た覚えある!」

 

ガーグァにはいつものようなアホっぽさは微塵も感じられず、なにか知性的な物を感じた。

それにガーグァの纏うオーラに呼応するように俺の荷車に乗せていた虹色に光るガーグァの卵が七色の輝くオーラが包んでいる。

 

「…………グエ。」

「「「!?」」」

「ガーグァ!!」

 

ガーグァは一声無くとゆっくりと浮遊しながらエリアゼロへと向けて降りていってしまう。

 

一体あいつになにが起きたんだ!?

 

「ギギネブラ!頼む!ガーグァを追ってくれ!」

「ギギャァァァ!」

 

俺はギギネブラを出してその背中に飛び乗り、すぐさまガーグァを追いかけに行く。

 

「ライズ!?」

「ライズ君ーーー!!!!」

 

 

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