ライズ視点
~エリアゼロ~
「ガーグァ!待ってくれガーグァ!ッ!?」
俺はガーグァを追ってエリアゼロへと入っていくとその異様な光景に思わず息を飲んだ。
まるで火山のように溶岩が垂れ流しになっているエリア。
砕け散ったテラスタル結晶が至るところにばら蒔かれ、いくつもの竜巻が常に発生しているエリア。
木々が大きく成長しており、ただでさえ視界が悪いその場所に濃霧が多い尽くしているエリア
幻想的な草原にテラスタル結晶、さらに機械等が入り組んだ混沌としたエリア。
さらにその中央はまたさらに大穴が空いており、洞窟があるのが見える。
まるでイッシュ地方にあるブルーベリー学園のようだ。
「一体……これは……。」
「おーい!ライズー!ってなんじゃこりゃぁぁぁああああ!?!?」
後ろから俺達を追ってきたのかミライドンとコライドンに乗って滑空してきているレティ達がやってくる。
だがそんな中ペパーはこの光景にまるで信じられないとばかりに目を見張っている。
ガーグァが浮遊しながらゆっくりと地面へと降りると俺達も地面へと到着してやっとガーグァを捕まえる。
だがガーグァの目はどこか虚ろでやはり何かに導かれているようだ。
「ハァハァ……道中……二回は死んだ……。」
「アギャギャ……。」
「ギャァァス……。」
「ん?ギギネブラ、ガーグァを頼んだ。」
「ギギッ。」
ミライドンとコライドンの怯えたような鳴き声が聞こえて後ろを振り返ってみるとどうにも落ち着かない様子だ。
すると二匹は自分からボールへと戻っていってしまった。
「自分からボールに戻ってった?」
「どうせ腹でも減ってんだろ?
ってかそれよりもなんだこの光景は……前に来た時と全く違いすぎるぞ!?
あんな竜巻も巨大な森も火山みたいな場所だって無かった!」
ペパーが前に来た時と全く違うか……具体的に何年前なのかはまだ聞いていないが現実的に考えて10年以内だろう。
だがたった10年でこれほどまで劇的な環境変化は伝説のポケモンでもなければ不可能だろう。
…………つまり伝説のポケモンクラスの実力を持った個体が確実にいるわけか。
「…………ん?そういや生徒会長は!?」
「へ?」
「ん?」
「あら?」
「…………。」
「…………ねぇ、あれって。」
レティが指差した先を見ると……。
「ねー!ねー!みんなー!エリアゼロスッゴいの!
早く行こーっ!」
…………すでに俺達がいる上層部から下層部へ向けてどんどん進んでいってやがる。
「ちょっ!?」
「ネモーー!?!?」
「一人で行くんじゃない!」
「あぁ……胃が。」
とりあえず勝手にガンガン進んでいくネモを捕まえた俺達は一旦簀巻きにしてヴィオ達が上からついでに持ってきてくれた可変式荷車に積んでおく。
「酷いよみんなー!」
自業自得だ……。
「ヴィオ、ここまで環境を激変させるようなアナザーポケモンに心当たりはあるか?」
「…………困った事にありまくるわ。
どう考えても古龍種……それも確実に最低でも3匹は確定だと思う。」
やっぱり古龍種のアナザーポケモンによる生態系の急激な変化か。
「ただ少し妙なのよね。」
「妙?どういうことだ?」
「例えばだけど……あそこ、竜巻のあるエリアにいる大型で緑色のドラゴンポケモンが見えるかしら?」
ヴィオが指差した場所を俺達も探してみると確かにガチゴラス等の恐竜系統のドラゴンタイプポケモンと思わしき大型のポケモンがいた。
顎の辺りには無数の牙が外にむき出しになる形で無数に生えており、圧倒的に発達した肉体には無数の紅い傷跡が見える。
「あれはイビルジョーってアナザーポケモンなのだけど生態としてはかなり獰猛な肉食で動きも活発なカビゴンと言ったら分かりやすいかしら?
そんな感じの生態を持っていて相当危険なのだけど……周囲に小型の他のポケモンが何匹もいるのに全く襲う気配がない。
満腹になっている可能性も無い訳じゃないけどそれならそれで小型のポケモン達が逃げ出さないのもおかしいわ。」
…………確かにヴィオの言う生態が本当ならば色々と腑に落ちない点が多すぎる。
そこまで獰猛なポケモンならば少なくとも非捕食者である小型のポケモンなどは確実に恐れてその姿を見たり感じたりするだけで逃げ惑ったりしてもおかしくはない。
だが俺としては別の点に目が行った。
「なんだこのポケモン達は……まるで地上での活動に特化したようなウルガモス、頭部に尻尾のような部位のあるプリンに似たポケモン、レアコイルに似ているが圧倒的に長い磁石を足のように使って浮遊せずに歩いているポケモン……それに全身が機械のような身体のポケモンも数多い。」
一体このエリアゼロの生態系はどうなっているんだ?
明らかにこれはまともな環境じゃない。
この地で何が起きてるって言うんだ……。