レティ視点
~エリアゼロ~
「ここが……パルデアの大穴。
その中の……エリアゼロ……教科書の挿絵で見るよりなんかすご……。」
「普通入れないもんねー。」
控えめなボタンは珍しくエリアゼロの光景を目にしてどこか感動したような反応を示す。
ネモは正直隣で歩いてるだけでバリバリと戦意を感じる……というか周囲のポケモンが物珍しそうに私達を見てるのにネモと目が合いそうな子達だけ逃げてる……。
「あれ?そういえばミライドンとコライドン、それにガーグァは?」
「……なんか二匹はビビってボールに戻った。」
「俺の場合は何やら様子がおかしかったから強制的に戻した。」
「えー、心配だね。」
反応軽いよネモ……。
するとボタンが若干顔をしかめる。
「もしかしてあの子達いないと上に戻れん?」
え?そんなことは……と思ったけど私は改めて考えてみたら気付いてしまった。
今私達のポケモンで飛行して地上に戻せるような子は私の『レギィ』、ヴィオ姉の『ダルシム』、ライズ君の『ギギネブラ』と『ネクロム』の四匹くらい……アオキさんはひこうタイプがいるから大丈夫そうだけど……。
対して私達はネモ、ボタン、ペパー、アオキさん、私、ヴィオ姉、ライズ君の合計7人。
アナザーポケモン達は身体は大きいけどギギネブラやダルシムなんかは肌が掴みにくいのもあって多分乗れて一人、ネクロムもそんなに大きくないからこっちも一人、レギィは身体も大きいし掴み所は多いけど……逆に下手に運んだらケガしちゃいそうだしやっぱり一人が限界。
「…………あれ?往復する必要ある?」
「だろうな、だがそれは空中で襲われなければの話だしただでさえ危険なエリアに未知数の異変……あまりバラけない方が良いだろうからこのエリアゼロのどこかにあるワープ装置をオンラインにして戻るしかないだろう。」
「え?ワープ装置なんてあるのここ!?」
あれって確か設備に尋常じゃない費用がかかるって聞いたことあるんだけど……。
「実はさっきゼロゲートを起動した時に見つけて調べてたんだ。」
「結局全部オフラインになってて機能してなかったけどね……。
ハッキングも無駄だった……物理的に回線遮断されてるし。」
「俺の方も調べたがそもそもの電源が入ってないなあれは。
何処かで再起動する必要がある。」
さ……さすが凄腕ハッカーと現役のポケモン博士……。
二人がいれば機械系は全然大丈夫そうだなぁ。
私はさっぱりなにも分からないけど。
「一応前来たときはそらとぶタクシーに泣き入れて来てもらった。」
「えぇ……。」
あの人達どれだけ行動範囲広いんだろ……エリアゼロにまで平然と来るんだ……。
「下に博士いるなら頼れば良かったじゃん?仲悪いん?」
ボタンがペパーに親の話題を出しちゃったせいかペパーは顔をしかめてしまう。
「うっせぇな……オマエ調子乗んなよ?」
「は?オマエって言うな、何キレてんの?」
「もー!せっかくの大冒険楽しくしようよう!」
ネモが二人を取りなしてくれたけどやっぱり二人の空気は悪くなっちゃってる。
ペパーはともかくボタンにはちゃんと言う必要あるかな。
「ボタン、ちょっと言いかな?」
「レティ?急にどうしたん?」
「あのね……。」
私はボタンに小声でこれまでにペパーが話してくれた彼とその両親の関係を話していく。
「……そうだったん。
うち……無神経な事聞いちゃってた。」
「ううん、ボタンは知らなかったんだし仕方ないよ。」
良くみると
ただやっぱりお互いに若干気まずい空気が流れたまましばらくエリアゼロを歩き進める事になった。
すると気まずい空気に耐えきれなかったのかネモが若干無理矢理だけど話題を作る。
「そういえばボタンとライズ達って結局どういう関係なの?
あの配信は見てたけど関係性が分からなくてさ。」
「え?んと……助けてもらった。
学校とか友達とか……いろいろ大変だったん。
そんな時頼りになってくれた恩人達……。」
「へー!ジムも行きつつアナザーポケモンの調査までやってるのに、三人ともすごいね!」
恩人か……スター団の一件は割と成り行きだったんだけどね。
「そういう……あなたは?」
「私は三人と同じクラス!レティとヴィオとは家もご近所なんだよ!
チャンピオン目指そって言ったらヴィオがチャンピオンになってくれたんだー。」
「何それヤバ……。」
「引かないで頂戴……。」
あははは、ヴィオ姉私達の中じゃ一番バトルの腕が強いからなぁ……。
すると気まずそうにしてたペパーがようやく話し始める。
「いやオマエらさ……オレとコイツらの友情関係に比べたら全然まだまだだぜ!」
「ってペパーまで張り合ってくるのか……。」
「案外皆似た者同士なのかもね。」
「「ちがう!」」
ボタンとペパーだけは照れ隠しっぽい所あるけどネモ……そのギラッギラした目で見ないで……嫌な予感しかしないから。