未来と古来と異界のポケモン   作:クロマ・グロ

257 / 300
少年と双子と最初の施設

 

 

ヴィオ視点

 

 

~エリアゼロ~

 

 

 

「あ!あれじゃない!?」

 

エリアゼロを少しずつ降りるように歩いていくこと十数分、ネモが指差した場所を見ると確かにそこには博士から送られてきた画像にもある施設があった。

 

「ねぇ、ここの崩れてる場所を下れば比較的楽に行けそうじゃない?」

「崩れてる場所を下るって流石に危なくないかしら?

途中で雪崩れても知らないわよ?」

 

レティの提案に私は否定的な意見を返すとライズはなにやらカメラ型の機械を荷車から取り出して崖の方へと向ける。

 

「見たところここが崩れたのは数年前だな。

傾斜も凹凸がそこまで激しくなくてだいぶ滑らかだ。

恐らくだがここに生息しているポケモン達も普段からここをショートカットとして利用しているらしい。」

「その機械そんなことまで分かるの?」

「いや、調べられるのは精々地層の年代とか地面がどれだけ新しいかくらいだ。

残りは崩れてできた傾斜を観察して出た予測だな。」

 

いや、これだけでそんなに分かるなら十分過ぎると思うわよ?

 

「それじゃ先に降りるぞ。」

「あ、私も~!」

「あ、コラ待てお前ら!」

 

ライズにネモ、ペパーと次々と降っていくのを見て私達も一緒に降っていく。

最初はちょっと怖かったけど結構すんなり降りれたわね。

 

「博士が言ってた施設……。」

「なんだっけか?……満足ナゲット?」

 

マ○クとかにありそうねそれ……懐かしいわ。

 

「はぁ、観測ユニット。」

「フンッ。」

「ボタンって記憶力すごいねー!」

「さてはネモも覚えてなかったな?」

「…………えへっ。」

 

ネモ……相変わらずバトル以外はそこまで眼中に無いのね……。

 

「キラリ……!」

 

すると施設の方面から一匹のポケモンが姿を表した。

 

「わっ!わっ!なんか出た!」

「キラフロル?野生で生息する個体は初めて見たな。」

「トップのポケモン!大穴にいるんだ!」

「案外オモダカさんもここで捕まえたのかも知れないわね。」

「へぇ~、アオキさんは知ってます?」

「いえ、存じてません。」

 

オモダカさんのキラフロルについて話していると向こう側のキラフロルが身体を大きく広げながらライズの元へと向かってくる。

 

明らかに襲う気マンマンね。

 

「フロシチウ!」

「よーし!いっくよー!!」

 

 

 

 

 

なおキラフロルはネモが単独であっさりと捕まえてしまっていたのだった。

 

 

 

 

 

「珍しいポケモンいっぱいいるのかな……。」

「エリアゼロの恐ろしさはこんなもんじゃねえからな?」

「は?何で上から目線?」

 

後ろで待機していた私たちは先程まで起こっていた蹂躙劇を無視していく。

 

するとキラフロルを捕まえたネモが戻ってきた。

 

「まぁまぁ!とりあえず観測ユニットに入ろうよ!」

 

ネモは二人の間に割って入った後にそのまま観測ユニットに向かって先行する。

 

「あ、ネモー!待ってよー!」

「全く……仕方ないわね。」

「俺たちも向かうか。」

 

先行するネモを追いかけて観測ユニットとやらへと入っていく。

 

「わー!古代の遺跡ー!?」

「いや、むしろ逆でしょ?」

 

ネモがあまりにもアホな事を言うから私はついツッコミを入れる。

 

とはいえこの観測ユニットというのは実際見た感じそれなりに古い施設なのか所々に使い古されたような印象を受ける。

 

「ライズ、この辺の施設もやっぱり長い間使われてない?」

「…………そうだな、機材なんかは何十年以上も前のかなり古いタイプの物が多いがそれなりに使い込んでる様子がある。

だが埃の被り方はゼロゲートと同レベルで少なくとも数年単位で誰も中に入ってないな、電源も最低限のみのようだ。」

 

やっぱりこっちもまともに使われてないらしい。

 

…………やっぱり完全な無人なんじゃないかしら?

 

数年使われてないってことは下手したらラボの方も年単位で封鎖されてる訳だし確実に食糧なんかが持つとは思えない。

 

『無事一つ目の観測ユニットにたどり着けたようだな。』

「「「「っ!」」」」

 

突如としてスピーカーから博士達の声が聞こえて私達は少しびっくりする。

流石に不意に声をかけられたら誰でもビックリするわね……。

 

「…………。」

 

アオキさんは相変わらず無反応ね……。

 

『87年前エリアゼロ調査の中継地点として作られた施設だ。』

 

87年間!?ライズが数十年前とは言っていたれどそれほど古い施設だったなんて……。

 

「だからベッド!」

「まぁ休憩施設としての役割もあったんだろうな。」

「私達が疲れたらここで休めそうだね!」

『では子供達、中央のパネルを操作してロックを解除してくれ。』

 

私達は一斉にライズとボタンを見る。

 

まぁ私達の中で機械に強いって言ったらこの二人しかいないしね。

 

「う、うちでもここまで古い機械はさすがに分からんよ?」

「はぁ……仕方ない、ちょっとまってろ。」

 

ライズは溜め息をつきながらも中央のパネルを迷いなく操作していく。

 

ほんとすごいわね……。

 

「解除出来たぞ。」

『その調子だ、残りの観測ユニットも引き続きよろしく頼む。』

 

博士はそれだけを言い残してまたいきなりスピーカーを切っていった。

 

ほんと言いたいことだけ言ってすぐ切るわねあの博士達。

 

するとライズの様子がまた少しおかしい。

 

大丈夫なのかしら……心配ね。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。