ライズ視点
~エリアゼロ『第一観測ユニット』~
俺は観測ユニットの中にある一つの本が目についた。
「こいつは……?」
俺は本を開くとそこには日記のような形式で何かの記録がかかれていた。
『仮称◻️◻️◻️の存在が影響してエネルギーが結晶化していると判明した。
六角形が多層的に組み込まれた◻️◻️◻️の殻の構造が要因と考える。
この現象をテラスタルと命名する。』
っ!こいつは最初に発見されたテラスタルの記録か!
所々一部の名称が読めないがこれはまさか一匹のポケモンか!?
「…………これ以上はめぼしい情報はないか。」
すると俺は急に頭に強烈な痛みが走り出した。
「ぐぁっ……ぁぁぁあああ!!!」
記憶が……また逆流する!?
「ライズ!?」
「ライズ君!?」
「お、おい!?」
「大丈夫!?」
「え?え?また!?どしたん?」
これは……朽ちた……城?
いや、焼け落ちたような跡が……なんだ……これ……シュレイド城……?
その名前……どこかで耳にしたような……。
するとそんな城の中で俺と思われる視界の主は本を広げている。
羊皮紙の本だ……そうとう古いタイプだな。
『…………は相変わらず気になったものはなんでもかんでも調べないと気が済まないんだね。』
『…………だって気になるんだもん。
…………についても調べたけど全く分かんないし……。』
後ろから声をかけてきていたのは以前に記憶が流れてくる時にも見た白い少女。
所々記憶の抜けが酷くて名前までは出てこない。
すると彼女は困ったような表情をしていた。
『仕方ないよ、私はあまり人前に出ないようにしているからね。
私は…………だからね、あまり人前に出るのは都合が悪いんだ。』
『…………は人前に何度か出てるのに?』
『クロは……そういう役割だからね。
もう一人は意地っ張りだから…………に負けたって事実がどうしても認められないんだって。』
『生きているだけでもいいんじゃない?
俺も…………に拾われて無かったら死んでたんだし。』
『確かにそうも考えられるかもね、でも私達に本当の意味での死という概念は無いもの。
肉体が滅びてもまた新しく生まれるだけ。』
死の概念がない……?肉体が滅びてもまた生まれる……?
『ねぇ、そろそろ私の事をちゃんと…………って呼んでよ。』
『………やだ。
だって…………ってちっちゃいから…………って呼んだらすごい違和感しかないもん。』
『んな、そんな失礼な事を言う口はこの口~?』
『いひゃいいひゃい。』
…………この子と俺は一体どういう関係だったんだ?
『…………どうしても言わないと駄目?』
『やっぱり違和感のが強い?』
『うん。』
『相変わらずハッキリ言うわね…………肉体年齢もう少し弄るべきだったかしら?』
『??』
『なんでもないわ。』
この言葉を皮切りにどんどん意識が逆流する記憶から現実へと戻っていく。
「……イズ君!ライズ君!」
「っ!はぁ……はぁ……はぁ……。」
「…………ご無事ですか?」
「大丈夫なの?」
「おいおい、そんな調子で良いのかよ?
もう少し寝てた方が良いんじゃねぇの?」
意識が戻った時、気付くと俺はベッドで寝かされていた。
どうやら記憶を思い出していく際のショックで現実の俺は気を失っていたようだ。
とはいえ俺自身は激痛こそあれどずっと意識はハッキリしていたからあまり実感は無かったのだがな。
「悪い、迷惑かけたみたいだ。」
「ううん、気にしないで。
それよりももう少し休んでた方が……。」
「いや、大丈夫だ。
また記憶の断片が逆流してきただけだ……とても……懐かしいような……そんな記憶を。」
ふと気が付くと俺の瞳から涙が流れていくのを感じた。
どうやらあの少女との記憶は俺にとってそれだけ大事だった記憶らしい。
「悪い、早く出発するとしよう。
それにこのエリアゼロ……やっぱり俺がFALLになる前とかなり密接な関係性がありそうだ。」
「ちょっと……本当に大丈夫なの?」
「あぁ、体調の方問題ない。
それに……何でだろう……何かに呼ばれてるような……そんな感覚がする。
それもこのエリアゼロの何処かから。」
俺は第一観測ユニットから出ると下の層にある霧の発生している巨大樹林、溶岩が溢れ出ている火山地帯、数多くの砕けた水晶が光輝き、竜巻が複数発生しているエリアの三つを見るとそれらの場所からも懐かしいような気配を感じる。
…………多分この三つのエリアに俺の過去に関わる人物……もしくはアナザーポケモンがいる。
さっきのシュレイド城という場所で思い出した。
あそこについてはヴィオが以前に話してくれていた事を今思い出した。
…………そうなるとヴィオとの話と俺の記憶の断片……それらを整理するとやっぱりこいつの名前しか浮かばないな。
ミラボレアス……か。