未来と古来と異界のポケモン   作:クロマ・グロ

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少年と双子と親バカ

 

 

ヴィオ視点

 

 

~エリアゼロ(密林地帯)~

 

 

 

どうしてこうなった……。

 

「さて、色々と話して貰いましょうか。

貴女は私のこの姿を含め私達の世界にあまりにも詳しすぎます。

この世界で生まれた貴女に何故そのような知識があるのかをね……。」

 

私はライズが観測ユニットのロック解除を行っている間にライズの育ての親である傀異克服オオナズチに呼び出されていた。

 

ちなみに何故私だけと聞いたらそもそももう一人レティは私の妹でずっとライズと一緒に居たのは変わらないだろうから話を聞くだけなら私一人居れば十分とのことだった。

 

これ……なにか変なこと口滑らしたら死なないわよね?

 

「…………私は前世の記憶を持って生まれました。

その前世で貴女方の世界について知りました。」

「それだけだと少し腑に落ちないわ。

キュリアの本来の宿主であるガイアデルムが討伐されたのは去年、でも貴女は明らかに10年以上の時をこの世界ですごしている。

あまりにも時系列が合わないわ。」

 

あー、これ下手な誤魔化しは止めといた方が良さそうね。

 

「私の居た前世の世界はこの世界でも貴女達の居た世界でもないです。

そこではこの世界も貴女方の世界も架空の物語……それもゲームとして出ていました。

そしてそのゲームで私はカムラの里から始まった物語を色々と知っています。」

 

私は正直に色々と答えることにした。

 

これ以外にもいくつかの疑問点か飛んできたが、何もかも前世の事についてで答えるのはそれほど難しい訳じゃなかったので問題はなさそうね。

 

「…………はぁ、貴女についてはどちらかと言うと"あの方"関連の案件になりそうね。

もう良いわ、貴女が何故私達の世界に詳しかったのかも納得は出来なくはないし。」

 

彼女は呆れたような様子で溜め息をつく。

 

まぁ輪廻転生なんて概念が実在すると言われても信じられる方がおかしいものね。

 

それにしてもオオナズチさんが言う"あの方"ってどう考えても祖龍ミラルーツよねぇ……。

 

「確認したい事は確認し終わったしそろそろ本題に入りましょうか。」

 

あ、あれ?なんか威圧感が増えてきているのだけど……?

 

「貴女達…………ライズとはどういう関係なのかしら?」 「ゑ゛?」

 

ナニヲイッテイルノダロウカコノコリュウハ。

 

「ただの旅仲間にしては随分と私の息子に熱い視線だったわね……それも二人とも。

色々と吐いて貰おうじゃないの?」

 

あ……これ駄目だ、典型的な親バカのパターンだ!?

 

しかもなんでさっきじゃなくて今誤魔化したらぶち殺すぞと言わんばかりに威圧してくるのよ!?

普通逆でしょ!?

 

しかもなんて私だけぇ!?

 

「…………元々は本当にただ一緒に旅するだけの仲間って認識でした。

でも日頃からライズとバカやったり弄ってたりしてると何時もより楽しいとは思ってたんです。

でも旅の途中でこっちで言うアナザーポケモン、貴女達の世界のモンスターに私を直接狙われた時にライズに助けて貰ってからその……一緒にいるとドキドキして……その……気がついたら好きになってました……はい。」

 

なんでこんなこと吐かなくちゃいけないのよ……いくらライズの育ての親でも恥ずかしいにも程があるんだけど……。

 

「…………へぇ?」

 

あ、殺気が増えてきた。

 

「ふ、ふふふふ、ふふふふふふ。

ライズに……私の息子に……ガールフレンド?

ブッころ……いや、ここは良いわ。

 

それはともかく……色々聞かせて貰うわよ?」

 

…………それからと言うものライズが戻るまでの間生きた心地がしなかった。

 

ライズが戻ったタイミングに合わせて戻しては貰えたけどあの目は絶対に諦めてない……。

 

「後で話があるので諸々の事が終わったらまたこの場所に来なさい。

勿論来なかったらこっちからぶっ……貴女達の所へ伺うわね?」

「アッハイ……。」

 

アニメとか漫画とかの二次元だとこういう親バカってそこまで珍しい訳でもないけど現実で出会すとここまで恐怖なのね……。

 

「とはいえ私情はさておき、ライズに同じ人間の友達がこんなに一杯出来てとても嬉しく思うわ。」

「……!やっぱりなんだかんだ心配だったんですね。」

「親だからってのもあるけどあの子は私達の世界で受け入れられるにはあまりにも早すぎたからね。」

 

すると観測ユニットからライズがこっちに向かってきた。

 

あの……色々と聞かれてないわよね?聞かれてたら流石の私でも羞恥で死ねるわよ?

 

「俺はこの世界に来たことに後悔はしてないよ。

でも記憶をある程度取り戻した今だから言えるけど……俺はまだ母さんとあの森で過ごしていたかったよ。」

 

っ!それってライズはやっぱり……。

 

「ライズ!……その。」

「あぁ、向こうの世界には自在に行き来出来るならともかく戻るつもりは無いぞ。

こっちで色々と世話になった人が一杯いるしな。」

 

よかった……もし向こうに行くって言うなら私も何を捨ててでも行く覚悟を決めなきゃいけない所だった……。

 

 

 

 

 

でもそっか…………素直に嬉しいわね。

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