未来と古来と異界のポケモン   作:クロマ・グロ

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今回はちょい短めです


爛輝龍の思い出・出会い

 

 

 

マム・タロト視点

 

 

~過去の回想~

 

 

 

この日はずいぶんと珍しき事があったのを良く覚えておる。

 

この付近にはあまり近寄らんかったオオナズチのとある個体……最も長い年月を生き抜いたわらわにとっても旧友とでも言うべき存在が突然連絡を寄越したかと思えばとある人間を自らの子として育て始めたち言うではないか。

 

珍しい事もあったものよ、別のモンスターを最低限巣立ちするまで面倒を見るならともかく人間を育てようなどという酔狂な事……こんなことはわらわ達古龍でも余程の物好きくらいしかやらないだろう。

 

だがいざ話を聞いてみるとなかなか興味深い話を聞くことが出来た。

 

なんとオオナズチが育てている人間の小僧は『龍の愛し子』なのだそうだ。

それならそれでちゃんと人間の里に戻すべきだとわらわは思うたがどうやらその童は同じ人間から捨てられたらしい。

 

それに加えてその村全体で忌むべき存在として扱われたそうじゃ。

なんとも嘆かわしい……世が世なら絶対的な守護者にすらなれる程の才を持つ子だと言うのに……。

 

わらわはこの話を聞いて一度会うてみたいとオオナズチに伝えるともう少し成長してから連れていくとの事だった。

なんでもまだその童はまだ幼子……生まれて一年とたたずに捨てられたらしい。

 

どうやら最近感じたあの妙な気配はこの幼子が生まれた事によるもののようじゃな。

 

わらわとしてはその童に大変興味がある故に自分からあ奴の元へと迎えに行きたいくらいじゃが生憎とあやつがおるのはこの新大陸と人間どもが呼ぶ地とは違う大陸……わらわには巨大な肉体はあっても空を飛ぶ為の翼もなければ海を泳ぐためのヒレも呼吸するためのエラもない。

 

さらにわらわはあ奴と違うて人化はあまり得意な方ではない故にいずれどこかしらボロを出してバレるのがオチであろうな。

 

今は大人しく旧友の義理の息子が成長するのを待つとしようぞ……それに人間の成長は遅く、寿命は短いものだしのぉ。

 

 

 

二年ほど時が経つとまたオオナズチから連絡が来た。

 

ある程度大きくなったので一度この地へと連れていくとの事だ。

 

正直わらわとしてはもう少し時間がかかってもおかしくないと思うておうたがあやつ曰く肉体はともかくとして知識に対してあまりにも貪欲であり、精神面での成長が異様に早いらしい。

 

ますます見てみたくなってきた。

 

数日が経つとオオナズチが件の童を連れてわらわの巣穴へとやってくる。

 

ただ……なぜだか知らぬが童の後ろにはリオレウス希少種の幼子が甘噛みした状態で引っ付いており、その背後から何故かやたらと温厚になっているイビルジョーが地面から首だけ出してめっちゃ童を見ておるんだが……。

 

「旧友よ、その状況はなんだ?」

「気がついたらこうなってたわ……この子多分歴代の『龍の愛し子』の中で最も自然に愛されてるわよ……。」

 

あやつは若干諦めた目をしておった……一々気にしていたら切りがないと見える。

 

「おっきい……キレイ……。」

 

童はわらわをじっと見つめるとそのような言葉を言いおった。

まぁ悪い気はせぬな。

 

それにしても見れば見る程不思議な童よ。

 

今までも『龍の愛し子』には何人か会うて来たが確かにこれ程自然に愛された存在は見たことがない。

これだけ力が強いと言うことは恐らくまだ若く人間の言葉を深く理解してない個体の古龍すらも引き寄せるだろう。

 

確かにこれでは今の人の世に任せるにはあまりにも早すぎるな。 

 

「おかーさん、このモンスターさんは誰?」

「この子は私の友達でマム・タロトって言うのよ。」

『わらわは爛輝龍マム・タロト……マムとでも呼ぶが良い。』

「ちょっと……この子の母親は私なのだけど?」

『かかかかかっ!なに、ちょっとした冗談じゃよ。

童よ、わらわの事はそなたが好きなように呼ぶが良い。』

 

すると童は首を傾げて「わらべ?」と呟いておった。

 

ふむ、今時の人間達の言葉ではあまり幼子を童とは言わぬのか?

 

「ライズ、童って言うのは子供って意味よ。

つまりは貴方の事を指してるのよ。」

「僕が童?わかった。」

 

童は頷くとずくにわらわの元へと駆け寄ってきおった。

 

わらわの背後や溶かした金属で作った外郭をじっくりと見ておった。

 

すると……「いろんな武器が溶けてるね!」

 

っ!こやつ一目見ただけで、これが何で出来ているかを見抜きおった!

ほぼ原型がなくなるまで溶かしておるのにあまり簡単に見抜けるというのか……。

 

これはたしかに人間の里には置けぬな。

 

 

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