マム・タロト視点
~過去の回想~
わらわの旧友たるオオナズチが拾った人間の童が新大陸に来てから早いもので半年が経過した。
流石にわらわの巣穴に止めてやるのは無理なのであやつが近場で新しく巣を作って一時的に住み着いておるらしく、わらわの所へと定期的にやってきていた。
ただ…………あやつが来る度にどんどん童に着いてくる面子が増えておるんじゃがどうなっておるんじゃ?
気がついたら森林地帯に生息しておるモンスターや環境生物の全てをこの短期間で視界に納めておるんじゃが……。
そのうちこの巣穴の周辺のモンスターもあの童についてきそうじゃな……ただでさえこの間はブラキディオスがいつの間にか着いてきておったしな。
この間旧友にそれとなく聞いてみたのじゃが……。
『ソレガワカッタラクロウシナイワ。』
とのことしゃった。
あやつも苦労しておるのじゃなぁ……。
「マム~!!」
ぬ?童が今日も来おった…………な?
『…………また妙なもん連れて来て来たのぉ。』
「妙なのって?」
今日の童の後ろには保護者としての旧友たるオオナズチの他にいつも首だけ出して覗いておるイビルジョー、そしてどこで見つけてきたのかジンオウガの幼体がまるで子犬の如く尻尾を振りながら着いてきておったわ……。
なんか童に引っ付いてくる面子が普通のモンスターよりもモンスターの幼子の割合のが高い気がするのは気のせいかの?
「マム、今日はどんなの見せてくれるの?」
『今日はそうじゃな……。』
童がわらわの所へと頻繁に来るようになってわらわとしても悪い気はしない。
しかしわらわの巣穴にはろくなものが無く、人間の童は退屈してしまう。
童が退屈せぬようにと模索しておったが地下から出ることの無いわらわは地上の文化には疎い、そうやって悩んでおると突然童が何やら鉱石を拾ってきてわらわの所へと持って来おった。
「ねぇマム、これ何?」
『ぬ?それはマカライト鉱石じゃな。
割と何処でも掘れるような一般的な鉱石じゃよ。
まぁ鉄よりは取れんがな。』
「じゃあこれは?」
『おお、それはユニオン鉱石……って何処で拾って来おった!?』
よりにもよって
いったいどう言うことじゃと旧友に問いかけても遠い目をして首を振るのみ……つまりはいつも通りだったらしい。
なんじゃろ……こやつそのうちとんでもないことをしでかしそうで怖いんじゃが……。
『わ……童よ……。』
「マム?どうしたの?」
『ほんっっきで何処で拾って来おったそやつら!?』
今度は童がわらわでさえ見たことがない覇竜と崩竜の幼子を拾って来おった……流石に帰させたが本気で何処で見つけおった!?
「マム、マムはなんで外に出ないの?」
『ぬ?そうじゃな……別に出ようと思えばいつでも出ることは可能じゃがわらわの場合この巨体ゆえに目立ってしまい騒ぎを引き起こしかねないのでな。
それにわらわはかなりの高熱を発する事が出来てしまうゆえに一歩間違えれば森が焼けてしまうからの。』
それに人化はどうにも苦手じゃしのぉ
それにしてもなにに対しても興味を持つ童じゃのぉ。
童の興味はモンスターや鉱石だけに止まらず自然現象、植物、生態系……あらゆる分野において興味を示しおった。
わらわはオオナズチと共に童が興味を示した事に次々と答えておったがやはりこの童の成長は凄まじい。
学んだことを生かし初めて見るようなモンスターや植物、鉱石でもその特徴からどんなものかを当ててくるようにまでなってきおった。
流石にわらわ達古龍の事まではまだ理解が甘いが古龍以外のモンスターはもはや見ただけでおおよその見当はつくじゃろうな。
数日後。
「おーい!」
「あ、シロちゃん!」
「久しぶり~!」
「久しぶり、元気だった?」
…………なんで?なんでおるのこの方……もはや童が怖くなってきおったわ……。
というかわらわも他の事言えぬがこの方わらわ以上のBB……。
『あん?』
なんでもないのじゃ……。
というかさらっと心の中を読まないで欲しいのじゃが……。
『オオナズチよ、どういうことじゃ?』
『私が報告したら一発で気に入られたわ……。』
『なんということを……この童ホントに大丈夫なんじゃろうな?
というかなぜあの方はあんな幼子のような……。』
『いつもの威厳は一切無くなってるわよね……。』
『『齢を考えて欲し……。』』
『お仕置きされたいようね小娘共。』
『『あっ……。』』
童はさらっと来おった黒に外へと連れ出され、わらわ達二匹はあの方によってボコボコにされてしもうた……。
角折るのだけはやめて欲しかったのじゃが……。
童にあげる?いくらでもへし折ってくれて構わんのじゃ。