未来と古来と異界のポケモン   作:クロマ・グロ

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少年と双子と煌炎の試練

ライズ視点

 

 

~エリアゼロ『火山地帯』~

 

 

マム・タロト……いや、マムが俺の過去について話し終わると俺の失われた記憶がさらに逆流するように戻っていく。

 

だが不思議と不快感や違和感はない。

 

大事な思い出を思い出せたのだから。

 

だけどまだあの頃の記憶には虫食いのようにどうしても思い出せない部分がある。

 

「…………俺の記憶は次の場所で完全に戻るのか?」

『おそらく次が最後の記憶になるのぉ。

童……いや、ライズよ……お主は記憶を真に取り戻した時、お主に待ち受けている運命が何なのかを全て思い出すじゃろう。』

 

俺に待ち受けている運命……か。

 

『さてライズよ、わらわの旧友たるオオナズチが貴様を試した以上わらわも貴様らを試さない訳にはいかぬ。

そこでじゃ、わらわの与える試練は……。』

「「グォォォォオウウウ!!」」

 

マムがリオレウスとリオレイアの二匹を見ると二匹はそれに答えるように大きく咆哮を響かせ、胴から頭部にかけて外側が青白く、最も高温の中心部は黄色い光を放っていた。

 

この二匹の持つ黄金と白銀の甲殻の放つ輝きと合わさってその光はとても幻想的に見えた。

 

『この二頭……黄金の月と白銀の太陽とも呼ばれるこやつらをライズ、お主だけでどうにかしてみせよ!』

 

っ!2対1と来たか!

 

『あぁ、先に言っておくが貴様が出して良いのは一匹までとする。

このくらいの試練が突破できないようであればこの先に待ち受ける運命には勝てぬであろうからな。』

 

案の定先手でクギを刺されたか。

 

そうなると単体でこの二匹に対応できる耐久力とパワーを備えているのは……やっぱりジョーが適任か。

 

「ライズ、さすがにこの二匹相手はかなり……。」

「あまり無理しちゃダメだよ?」

「えと……その……頑張って!」

「…………!」ソワソワソワソワ

「おう、生徒会長は一旦落ち着こうな。」

 

あぁうん、やっぱりネモは平常運転か……一周回って逆に落ち着いてきたわ。

 

「出てきてくれ!ジョー!」

「ぐるぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!」

 

ん?なんか鳴き声にしては変な声が……。

 

「くぉぉぉぉぉぉぉおおおお……。」

 

成る程腹の音か……どうやらもう空腹らしい。

 

消化しきるの早くね?

 

とりあえず俺はバッグからまたカビゴン用のポケモンフーズを取り出してジョーに与える。

 

今度から結構買い貯めしといた方がいいなこれ。

 

「グォウ♪」

 

リオレウスにリオレイア……確かリオレウスは原種が空の王者、リオレイアの原種が陸の女王と呼ばれてるんだったな。

 

そう考えるとこの二匹も戦い方はそこまで大きく変わらないだろう。

リオレイアも義母さんのところで戦った紫毒姫に近いはずだ。

 

「ジョー、やれるな?」

「グォォォォオウウウ!!!!」

 

ジョーは咆哮を上げて答えてくれる。

 

気合いは十分らしい。

 

『ではわらわ達は主らの邪魔にならない所でゆっくりと試練を見ておることとしよう。

異存はあるまい?』

「アッハイ……。」

 

あ、またヴィオが出荷(ドナドナ)されるように連れていかれた。

まぁ今は気にしても仕方ないのでバトルに集中することにする。

 

見た感じどちらもほのお・ドラゴンタイプっぽいが確か両方とも毒持ちだったな……。

 

『それでは双方……始めるがよい!』

「ジョー!『じしん』!」

「グォォォォォォォォオオオオオウ!!!」

 

ジョーが片足を大きく上げて地面を強く踏み抜くとまるでポケモンの『じわれ』かと思うような大きな地震が発生して衝撃がリオレウス達へと襲いかかる。

 

「「ギャォォォォオオオオ!!!」」

 

だが二匹は空へと逃げることで『じしん』のダメージを回避する。

 

やたらと攻撃がくるまでの動きが速かったし二匹はあまり『じしん』を受けたくはなさそうだな。

 

そうなると少なくともリオレウスはほのお・ドラゴンっぼいな。

リオレイアはどっちかまだ判断出来ないがこっちもおそらくほのおだ。

 

「グルアァァァァァァァァァアアアアア!!!!!」

 

リオレウスが飛行したまま地面へと『あおいほのお』を吐きながらこちらへと迫ってくる。

 

焼けた地面の様子からしめとてつもない威力なのは間違いない。

だが問題はリオレイアの方が地面に降りてリオレウスが攻撃を仕掛けるタイミングで身体を大きく振り上げてその口に青白い炎の塊を溜めている。

連携がかなり上手いな……。

 

「ジョー!横にステップしてリオレウスの炎を回避!

尻尾を『かみくだく』で掴んでリオレイアへ投げ飛ばせ!」

「グォォウ!!」

「グルァァァアア!?!?」

 

ジョーは俺の指示が来ると同時に動き、まるで直感で動きながら俺の指示した内容をに沿って行動を変化させていた。

 

成る程、こいつがこれほどまで恐れられる訳だ!

イビルジョーが古龍にすら対等に立ち向かえるその最大の理由は極限の飢餓状態のまま戦い続ける事で得た直感的なバトルセンスか!

 

「グルォォォォォォォオオオオオ!!!」

「グギャァッ!?」

「グォォォ!?」

 

イビルジョーは『かみくだく』で掴んだリオレウスの尻尾を振り回してからリオレイアへと投げ飛ばし、リオレイアのチャージを中断させる。

 

動きに迷いがない、確実にこれは手慣れてるな。

 

なんて頼もしいんだ、ジョー!

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