ライズ視点
「はぐはぐあぐあぐ♪」
「ングッングッングッ♪」
「クルルルルル……♪はぐはぐ♪」
「ふぁ……ふぁふへへた……たすけて……。」
今俺は治療を終えたジョーに頭を甘噛みで飲まれかけ、上半身をリオレウスに甘噛みで齧られ、下半身をリオレイアが甘えるように擦り付けては甘噛みで齧られている。
正直今までにさんざんやられてきたから慣れてはいるんだがこれじゃ身動きが取れなすぎてなにも出来ん。
「離れてーーー!!!」
「相変わらず!なんだから!」
「全然剥がれない……!」
「ぬぉぉぉぉぉおおお!!どんだけラブラブちゃんなんだよ!?」
「ガムート!頑張って!」
「パォォォォォォオオオオオン!!!」
「…………。」
痛い痛い痛い痛い、千切れる!?千切れるっての!?
『全く……貴方達、あと30分だけよ。』
「「「はぐはぐあぐあぐ♪」」」
「…………。」
「「「「ちょっ!?」」」」
マムさん……そりゃ無いです。
結局マムさんの言う通り30分もの間ずっと俺はジョー、リオレウス、リオレイアの三匹に甘噛みされて全く動けなくなっていた。
「死ぬかと思った……服がベタベタだし軽く溶けてるから着替えないと……。」
『ふふふ、相変わらずのようじゃのライズ。』
「流石に助けて欲しかったんですけど?」
『むしろ30分で済ませてやっただけありがたいと思うが良い。
あのままなら30分以上かかった上にもっと苦しんでおったと思うぞ?』
…………想像してみたら確かに否定できる要素が存在しなかった。
俺自身が実体験としてすでにギギネブラに体の半分を飲まれたまま甘噛みされていた経験があるからな。
「甘えてくれるのは素直に嬉しいんだが全身を拘束したり飲み込んでくるのはなんなんだ?」
「それだけ離したくないってことなんじゃないかしら?」
服を脱いで身体をタオルで軽く拭いているとヴィオが俺の替えの服を持ってやってくる。
……って今なんで写真撮ったオイ。
「全く……替えの着替えを荷車に入れていて正解だった。
流石に溶けている上にリオレウスやリオレイア達のよだれが染み込んだまま乾いた制服を着続けるのは精神的に来るものがあるからな。」
特にこの辺は何故か火山地帯に作り替えられているせいで温度が異常に高くすぐに服が乾いてしまう。
洗濯……というか溶けてる時点でアレはもうダメか。
学校に後で新しい制服を注文しないとだな。
それにしても30分もじっくりと俺を甘噛みし続けていたリオレイアとリオレウス、そしてジョーの三匹は満足そうな顔をして丸くなっていた。
「リオレウス、リオレイア。」
「「グォ?」」
「…………俺とずっと一緒に居ないか?
またあの世界に居た時のように他のモンスターの皆と一緒に暮らさないか?」
俺は懐からモンスターボールを取り出す。
こいつの中に入れば他の皆と一緒でどんな場所でもずっと一緒に居られる。
だからさ……俺達とまた家族にならないか?
「「グォウ!!」」
二匹は軽く一声鳴くと俺の取り出したモンスターボールに自分からぶつかりにいく。
二匹がモンスターボールへと吸い込まれ、揺れることなくすぐにカチッと言う音が鳴った。
「これからまたよろしくな。」
俺の手の内にある二つのボールがそれに答えるように揺れた。
「ジョーも戻ってくれ。」
俺はジョーのボールも取り出して一旦全員をボールに入れておく。
その後はスマホロトムのボックスアプリからザボアザギルとギギネブラを転送してリオレイアとリオレウスを手持ちに加えた。
「マムは……やっぱり俺達とは行けないか?」
『わらわにも役割があるゆえな。
とはいえ後継の一匹でも出来ればそなたと旅をすることも叶うであろうて。』
そうか。
「マムの後継ってそれ何百年後だよ。」
『んな!?わ、わわわわらわにだだってそそそういう相手がいいいるし?』
「マムの同族とか見たこともないけど?」
『うぐっ!?』
相変わらずマムは見栄を張るのが下手だなぁ。
「また……会えるよな?」
『……試練を乗り越えたのであればそなたが望む限りいつでも会えるだろうて。
なにせあのロリBB…………あの方がそなたと共にある為にここまで仕込んだのであるからな。』
あの方……俺の記憶にある虫食い状態で未だよく分かっていないあの娘は何者なのだろうか。
『心せよ、そなたへ訪れる試練は人が犯した禁忌その物。
だが……そなたが試練を乗り越えたのなら……何者にもそなたを妨げる事が出来る者は居なくなるであろう。』
人が犯した禁忌その物……?
俺はマムの言葉にどこか既視感と違和感を覚える。
『気をつけて行くのじゃぞ……ライズ。
我らが愛し子よ。』
「あぁ……行ってきます。」
俺達は第三観測ユニットのロックを解除した後に次のエリアへと向かう。
背後から何故か聞こえた悲鳴を全力でスルーしながら。