未来と古来と異界のポケモン   作:クロマ・グロ

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少年と双子とコワレタコエ

 

 

ライズ視点

 

 

~エリアゼロ(深層)~

 

 

 

「何これー!ボロッボロ!」

 

俺たちが最後の観測ユニットに入った途端ネモがそう叫ぶ。

 

だがそのような反応をするのも仕方ない。

外からでもかなり破損していそうだった第四観測所だが、その内部にまでテラスタル結晶による侵食が進んでおり、中の機材も侵食してきたテラスタル結晶によってその全てがひっくり返されたり破損したりしていたのだ。

 

とはいえ結晶が侵食しただけじゃ説明出来ない形で内部は荒れていた。

これは確実にナニカがいた痕跡だろう。

 

「…………コンソールは無事か、なんとか操作は出来そうだ。」

「なんかが暴れたみたいな?」

「暴れたってなにが……?」

「心当たりが逆に多すぎるな、この辺に現れているパラドックスポケモンなんかは見た限り一匹として大人しいポケモンが存在否して無いからな。」

 

周囲の痕跡を調べているとなにやら妙な既視感を感じた。

この足跡……どこかで見覚えがあるような?

 

するとこの建物のスピーカーがザザっという妙なノイズと共に起動する。

 

『ハロー子供たち。』

「うわっ、博士か……ビックリした。」

「あ、博士!」

「博士、そっちは大丈夫なの?」

 

スピーカーから聞こえてきた声にボタンにネモとヴィオが反応する。

 

だが……博士は俺達の疑問には答えずに妙な返事が返ってくる。

 

『すまない。』

「ここって何で壊れてんですかー!?」

 

ネモがそう大声で叫ぶと去らないスピーカーから聞こえてくるノイズが大きくなる。

 

『それはすまない。

ハロー子供たちよ。』

「……あ?」

 

そしてこの妙な返事をきっかけにスピーカーから聞こえてくる声はどんどん音調すらおかしくなりながら激しいノイズを放ち、音を出し続ける。

 

『すすすままないすまななないすますまないすまないまますままままままままままままままままま…………。

ハロー子供たチハローハロー。』

「「ひっ!?」」

「なんだあ!?」

「やめてキモいし!?」

「この施設側の異常っぽいな……コンソールで調べるか。」

 

それにしてもヴィオとレティがこんなにも怖がるなんて珍しいな。

 

『……ハロー子供コドモコドドたちドドタチコドモタチ。』

 

俺はスピーカーから聞こえてくる声をスルーしてコンソールで調べ続けているとある一つの事実に気が付いた。

 

「異常がない?」

 

そう、スピーカーやこの施設にある機能に関しては何一つ異常が見当たらなかった。

 

そうなるとこの事態で考えられる原因はそう多くはない。

 

元々可能性があるという程度だった……このエリアゼロに来てからかなり違和感が強くなってたしペパーの為にもそうであって欲しくなかった。

 

『再起動を開始します…………。』

 

確定だ。

今……いや、今まで連絡をしてきた二人の博士は本人じゃない。

下手したら本物の博士たちはもうすでに命を落としてる。

 

「……なんか通信変だったね。」

「変……ってかアレってもう……。」

「やっぱりペパーも気付いてるか。」

「あぁ……やっぱりアレってもう……なんか……違えじゃん。」

「…………覚悟はしておけ。」

 

ペパーは若干暗い顔をしながら重く頷いた。

 

「わざとだとしたら趣味悪すぎ……ちょっとビビった……。」

「さっさとロックを解除しよう。」

 

俺はコンソールを操作してゼロラボの最後のロックを解除する。

 

するとまたスピーカーから声が聞こえてくる。

 

『アーアー……ハローハロー』

『先程はスマナイ、通信が乱れてしまった。』

「……んな訳あるかよ。」

「ペパー?」

 

ペパーには……重い真実だろうな。

 

『…………。』

『ロックは全て解除された、エリアゼロ最深部……ゼロラボを目指してくれ。』

 

博士はそれだけを伝えるとスピーカーを切った。

 

すると今度は観測ユニット……いや、エリアゼロが大きく揺れ始める。

 

そして同時に俺の頭に何十もの断片的な声がなにかを訴えかけるように響き始める。

 

「ぐっ……ァァァァァアアアアア!?!?!?」

「「「「ライズ!?」」」」

「ライズ君!?」

「……ッ!」

 

皆が声をかけてくれるが俺にはその声に答える余裕が無かった。

 

『イタイ』『サミシイ』『クルシイ』『ツライ』『ボクノカラダ……』『タスケテ』『オカアサン……ドコ?』『オレノカラダハドレ?』『イタイ』『ココハドコ?』『コレハナンダ?』『カエセ』『オナカスイタ』『セマイ』『カエシテ』『ニンゲンメ……』『コロシテヤル』『クルシイ』『イヤダ』『ワズラワシイ』『ムスコヲカエセ』『カラダヲカエセ』『ココハイヤダ』『スニモドリタイ』『イタイ』

 

 

 

 

『『『『『カラダヲカエセ!!!!ボクタチのカラダヲカエセ!!!!』』』』』

 

これは……この声はまさか……!?

 

「あぐっ……ァアァァァァアァァァァァァァアアアアアアア!?!?!?!?」

 

俺は頭に響き続けるこの声に耐えきれず意識を失った。

 

 

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