ライズ視点
〜エリアゼロ(最深部)〜
俺達はヴィオのスマホから鳴った着信音が原因で微妙な空気になりながら一先ず電話に出ることにした。
『ハロー子供たち。
君達の目の前にある建物こそがゼロラボだ。』
「博士がいるとこですね!」
「結晶体に取り込まれてる……!?」
『エリアゼロ内部の結晶体は不思議なエネルギーを持つ。
生物の能力を変化させたり、機械の機能上昇にも効果がある。
ポケモンがテラスタル化するのも同じエネルギーなのだ。』
「つまりこの建物もテラスタルしてるってことか?」
「……ペパーちょっと黙ってて。」
建物がテラスタルというよりも建物そのものを結晶体に取り込ませた、もしくはくり抜いてエネルギーを取り出せる形で建設したってところだろうな。
それにテラスタルと同じ現象に加えて結晶体の辺りでちょっと俺はある考えに至った。
そしてボタンは俺と同じ考えに至ったのか博士に直接聞きに行く。
「テラスタルオーブはエリアゼロの結晶体で出来てるってこと……ですよね?」
『一部者しか知らないがね。
ロックを4つ解除したならゼロラボのゲートを開けるだろう。
だがゲートを開けば中にいる危険なポケモンたちが一気に外へと飛び出してしまう。』
「それって大丈夫なんですか?」
『君達7人なら乗り越えられるはずだ。
しっかりと準備してからゲートを開いてほしい。』
それを伝えると博士達は通話を切った。
「どんな相手でも皆と私がいれば大丈夫!」
「いつでも迎撃出来るように皆ポケモンをあらかじめ出しておこう。」
「それが合理的ね、こういうのはさっさと倒すに限るわ」
「ははー、心強いっす」
俺達は迎撃の為にあらかじめバルファルク、グラビモス、オストガロア、リオレイア、パルシェン、ニンフィア、タイカイデンを繰り出しておく。
流石にこの面子なら群れが相手でもなんとかなるだろう。
「それじゃ開けるぞ……覚悟だけはしっかりな?」
「ちょっと待ったー!」
「ん?どうしたペパー?」
「えー何?いよいよって時に……?」
「ヤバいポケモンが出てくるならミライドンにコライドンもいたほうが良いんじゃねぇか?」
「確かに入江の洞穴でのミライドンとコライドンなら心強い!
あの戦いっぷり見たい!」
ネモの戯言はともかくとして要は念には念をと言う訳か。
だがあんなに怯えている状態の二匹だと戦えるのか?
いや、緊急脱出の手段にはなるか。
「えー、でも……エリアゼロ来てからライドするのも嫌がってるし……。
ってかバトルフォルムになれんのでしょ?」
「それもそうだな。
ただな……ヴィオ、レティ、いざという時に逃げる用意もしておいた方が良いだろう。」
「確かにそうね。」
「ちょっと気は進まないけど……ごめんねコライドン。」
「心配すんな、あいつは本当は強いんだ。
秘伝スパイ食ってたしここぞって時は戦うだろ。
それにエリアゼロはあいつがしばらく暮らしてた場所だし……ボールから出しとけば家族も見つけてくれるかもだぜ?」
家族……ねぇ?
俺はヴィオ達から話しか聞いていないが砂浜に流れ着いた時のあの二匹はかなり傷だらけで衰弱していたそうだ。
“まるで電撃と強い殴打でも受けたような傷“でだ。
正直ここにもし同種がいるとしても俺には嫌な予感しかしていない。
「ペパーにしては一理あるよね!」
「ううーん、そうなんかなぁ……。」
「ふたりとも!ミライドンとコライドン出しちゃえ!」
「いざって時は俺たちが守ろう。」
「分かった……出てきて、ミライドン。」
「コライドン。」
二人は二匹の入ったボールを取り出してミライドンとコライドンの二匹を外に出す。
「アギャ……?」
「ギャッス……?」
「おっしゃライズ!二匹のボールに続いてラボのゲートもオープンだ!」
赤いランプを点灯させ、サイレンを鳴らしながらゼロラボのゲートが開放される。
すると背後に大きな着地するような足音が2匹分聞こえてくる。
そこにいたのはヴィオやレティの個体とは少しフォルムが違う上に明らかに大型のミライドンとコライドンの別個体だった。
おそらくあれが2匹のバトルフォルムってどこなのだろう。
コイツはヤバいな……どう見てもアローラで見た当初のソルガレオとルナアーラ並のパワーだ。
「「グォォォォォォォォォォォオオオオ!!!!!」」
どう見ても友好的な雰囲気じゃないなこいつは……。
「家族が会いに来てくれた!」
「おお……マジか!」
「まて!どう見ても違うぞ!」
2匹はお互いにミライドン、コライドンを見下すような視線を向けると……。
「「グォァァァァアアアア!!!!」」
「アギャッス……。」
「ギャア……。」
「フン……。」
「ギャッギャッギャ!」
どう見ても馬鹿にされている。
二匹ともこの別個体に対して明らかに怯えた様子だ。
「いや……なんか変?」
まるでどけとでも言いたそうに二匹に対して吠えると別個体はそのままゼロラボへと入っていった。
入口付近でこちらを振り返り、着いてくるなら好きにしろとでも言いたげな様子だ。
…………嫌な予感がしていたがやはり当たっていたか。