未来と古来と異界のポケモン   作:クロマ・グロ

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少年と双子と生きる伝説

 

 

ライズ視点

 

 

〜ゼロラボ(タイムマシンの間)〜

 

 

幻聴か?何故ここに居ないはずのシロちゃんの声が背後から……。

 

するとガーグァが俺の前に浮遊しながら現れる、そしてその傍らには荷車に乗せていたはずの虹色の卵が浮遊していた。

 

いや、ネクロムと深く繋がったお陰か何かしらの力が卵からガーグァへと流れているのがよく分かる。

 

『でも全てを私が解決してしまうのも少し面白くないね。

そうだね、竜騎兵だけは私としても放置するわけにはいかない代物だからね。』

 

シロちゃんがそう呟くと目の前に浮遊している卵にヒビが入り、亀裂から尋常じゃない限り量のドラゴンエネルギーが吹き出し始める。

 

「なっ!?」

 

ただでさえ卵から溢れている量だけで明らかにジョーやヴィオのオストガロア、ネモのバルファルクすら凌駕している。

漏れ出ているエネルギーだけでこれとなると本体はどれだけ尋常じゃないエネルギーを内包してるんだ?

 

「ワンチャンそうじゃないかと思ってたけどマジかぁ…………。」

 

ヴィオが嫌な予感が当たったと言わんばかりに頭をカ抱えている。

 

「ライズ、今から現れるのはポケモンで言うアルセウスと同じ創造神クラスの力を持ったアナザーポケモンよ。」

 

なっ!?アルセウスと同じ!?

 

アルセウスが存在していると言うのは知っていたがそれと同等の存在……!

それにシロちゃんの声がこの卵から響いているという事はまさか!?

 

そして俺は向こうの世界の人の言葉すら理解する程に知性の高い古龍達の全てがシロちゃんの事を様付けで呼んでいた事を思い出した。

 

そう、生きる災害とも言われる古龍が……それも竜大戦で生き残り、今でもまだ生存しているほどの生態系の絶対王者とも言うべき存在すらもだ。

 

卵に更にヒビが入り、ドラゴンエネルギーの他にほのお、みず、こおり、でんきタイプのエネルギーも下手したら伝説のポケモンすらも超えているようなとてつもないエネルギーを放出し始める。

 

『『な、なんだこのエネルギーの密度は!?』』

 

ヒビが卵の全体に入る程になると今度はあまりにも濃密過ぎる気配がこの空間を覆い尽くす。

 

そして俺は生きる伝説であり、シュレイドを焼き尽くした禁忌の存在であり、存在そのものが現象に例えられる程の世界最強の存在を思い出した。

 

「ミラ……ボレアス……!」

「半分正解で、半分違うわ。

アレはそれ以上の存在……同じミラボレアスと呼ばれる存在の中でも全ての竜や龍の始祖とも呼ばれる存在……。」

 

卵が破れ、そこから溢れ出したエネルギーが竜騎兵クラスの巨体になるほどに集まりその姿を形成し始める。

 

その姿は美しいまでに純白な鱗と甲殻に包まれており、かなりの長さとなる尻尾に全身を覆い隠せそうな程に巨大で存在感のある翼、脚は小さくも全身の体重を支えられるように太く発達しており、その腕は小さいながらも力強さを感じさせる。

 

首はかなり長く、その頭部からは髭にも見える体毛と恐怖を通り越して感動すら覚えるほどの力を秘めた角が生えていた。

 

「なっ……!?」

「綺麗……!」

「ガーグァの卵からなんで?」

「ワクワクソワソワワクワクソワソワ……。」

「…………。」

「ネモ……流石に自重して頂戴。」

 

他の皆の反応はそれぞれだが俺は声にも出せない程の感動を覚えた。

 

ただ見ているだけで涙が出てくる、まるで報われたかのような感動が俺の中から……いや、竜人の血に刻まれた記憶から引き出されていく。

 

「このポケモンこそが全ての始祖(ルーツ)……祖龍ミラボレアス、またの名をミラルーツよ。」

「ミラ……ルーツ……。」

 

『『あ……アリエナイ、計測不能理解不能計算不能予測不能……!』』

 

楽園防衛プログラムですら彼女の存在を前にしてまるで恐怖を覚えたようにエラーを繰り返している。

 

『さて、私はものすごく久しぶりに会えた私の愛子と早く触れ合いたいんだ。』

 

ミラルーツはその腕を前に上げ、一本の指で竜騎兵を指す。

 

『生命を冒涜せし存在よ、目障りである。

我が前より消え失せよ。』

 

彼女がそう言うと同時にその指先から赤黒い稲妻状のドラゴンエネルギーが一瞬だけ放出され、竜騎兵へと当たり、竜騎兵が帯電するように一瞬だけドラゴンエネルギーを纏う。

 

すると竜騎兵の肉体が金属部分含めて徐々に消滅していく。

 

あの竜騎兵を……まるで羽虫を追い払うような感覚で消滅させる。

 

彼女は……ミラルーツはどれだけの存在だと言うんだ。

 

『さて、私が君達にしてあげるのはここまでだ。

後は君達だけでも突破は出来るさ。』

 

彼女は俺達に振り向いてそう伝えるとどんどんその身体が小さくなっていく。

 

「よいしょっと!はぁぁぁ、やっぱり真面目にやるのって疲れるなぁ。」

 

って、ん?

 

「あ、あの子は私が面倒を見ておくから君達はアレの相手をすると良いよ。」

 

すると俺の身体が勝手に浮遊して彼女……いや、シロちゃんの所へと連れて行かれると何故か膝枕をされる。

 

「「「むっ!」」」

「ふふふ、悔しかったら早くそれをどうにかするんだね小娘達。」

 

…………んん?

 

俺は先程まで見ていた彼女の姿と今の姿を見てどうにも同じ存在に思えなかった。

 

…………というよりとても残念な存在に見えてきた。

 

さっきまでの感動を返してくれ。

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