俺達は一旦俺の家のリビングから出て庭へと向かっていた。
理由は単純であり、アナザーポケモンはそもそもデカすぎる個体があまりにも多い為に下手に室内で出す事が出来ないからである。
ヴィオやシロちゃんから聞く限り山レベルの大きさのポケモンも何種類かマジでいるらしいしな……
そんなこんなでいつもアナザーポケモン達を解放して遊ばせている庭へと向かっていき、リオンのアナザーポケモンを見せてもらう。
「出てきてくれ。」
「キュルルルオオ……」
そこにはまるでドラゴンの髑髏のような独特な形状の頭部に紅く光って見える皮膜を持ち、鉤爪の部分が長く追加の関節がある独特な翼、さらに首元にはまるで貴族の服装によく見られるフリルに近い形状の紅く光った毛……じゃないなこれ。
よく見たら一つ一つが独立した生き物か……となるとコイツはこのアナザーポケモンと共生関係にあるわけか。
そして尻尾はまるで三叉の槍のような形状をしており、所々騎士のような印象を受けるが、それ以上に貴族っぽい見た目やゴーストポケモンにも似た雰囲気を感じるアナザーポケモンだった。
「おっふ……」
ヴィオがなんかすげぇ顔してる……確実に知ってるっぽいな。
「あっはははは!まさか君がこっち来てるだなんて!」
シロちゃんはお腹を抱えて笑ってるしアナザーポケモンはその様子を見てなんか気まずそうにしてる……うん、間違いなく古龍種っぽいなこれ。
「この子の種族はメル・ゼナ。
まぁこの世界風に言えば厳密には原種じゃなくてリージョンフォームとかその辺に近いモン……ゲフンゲフン、アナザーポケモンだよ。」
メル・ゼナか……リージョンフォームとなるとこのポケモンの生態を大きく変えるような環境的な要因がいるのは間違いないよな……となると関係があるのは間違いなく首元のコイツラか。
「やっぱりライズは気付くよねぇ……そう、その首に引っ付いて共生関係になった生物のキュリアってのがリージョンフォームの原因だよ。この子達って結構キッツい毒を持ってて群がって相手に寄生して生命力をガンガン吸い取っていくんだけどその分寄生先も強くすることがあるんだよ。
特にこの子達の毒を克服したポケモンにはかなり大きな恩恵を与えるんだ。
この子はそもそもの毒に抗体に近いものを持ってたから生命力を吸収する性質を利用して相手の生命力を奪わせて自分に分け与えさせたり自分で拘束した獲物を毒で弱らせながら生命力を吸ってこの子達……キュリアに分け与えたりするってわけ。」
「ついでに言うとそいつらかなりの厄ネタよ……ねぇルーtゲフンゲフン、シロちゃん……元凶の方は来てないのよね……?」
「んー、どうだろ?でも地上に出て来てたらあの子大はしゃぎで暴れまくるだろうからそういうのが無いならまだ来てないんじゃないかな?」
「ハァ……そこだけは唯一の救いね……」
どういう事だ?
どうやらヴィオはメル・ゼナ自体じゃなくキュリアの方をかなり危険視してるみたいだが……
するとリオンは俺の方へと近づいてくる。
まぁ十中八九シロちゃんとヴィオの事だろうな……一応向こう側の世界の詳しい事情は完全に俺の所で止めてリーグにすら伝えていないからな……
「ライズ、あの二人は一体……」
「あぁ……悔しく説明するとちょっと面倒だからFALLに近い存在でアナザーポケモン達の事を詳しく知ってるって事にしといてくれ。
ヴィオはともかくシロちゃんは色々と説明が面倒なんだ。」
「分かった……それにしてもメル・ゼナ……メル・ゼナか……ようやくお前の名前が分かったな……。」
「キュルルルル……」
リオンはメルゼナの顎のあたりを撫でながらそう呟いていく。
確かに俺達は偶々ヴィオが居たから分かったってだけでリオンからすればどう呼べば良いかずっと分からなかっただろうからな。
「タイプとしては……話を聞いてる限りどく・ドラゴンっぽいが図鑑でスキャンした感じあく・ドラゴンって感じみたいなんだよなぁ……」
「あくまでも毒はキュリアのものであってこの子自身は毒を生成することは出来ないしずっと毒に侵されてるようなものだからね。」
成程な……そうなると原種の方も少し気になってくるな。
「……リオン、久々の再会だ。
せっかくだから一戦やらないか?」
「っ!貴方から誘ってくるとは思いませんでした……でも俺もメル・ゼナの力がどのくらい通用するのかは知りたいです。」
「ウホッ……」
ん?なんかヴィオから変な声が聞こえたような……さすがに気のせいか……ヴィオは今なんか凄まじい勢いでスマホロトムに書き込んでるし。
「あ、なら私審判やっとくよー!」
「ありがとうレティ。とりあえずルールはアナザーポケモン同士の一対一でどうだ?」
「望む所だ……!!」
俺はあるアナザーポケモンを呼ぶ為に口笛を吹く。
すると地面が大きく揺れ始め、その勢いがどんどん強くなっていく。
「グルルォォォアアアアアアア!!!!」
今回はお前に任せるか……