地面から巨大な土煙を上げながら現れたのは緑の鱗と強靭な皮膚に覆われ、内側からは赤い筋肉や血管が見える筋肉質な体をもつ恐竜型のドラゴンタイプのアナザーポケモン……イビルジョーことジョーであった。
「グォォォオウ♪♪」
「あだだだだだだだ!?キバが刺さってる刺さってる!?!?」
ジョーの奴は俺がポケモンフーズで飢餓感を完全に克服させたせいか以前にも増して甘え癖が付いたんだがコイツの顎は外側にも牙が付いてる上に地面に擦り付けて研ぐ習性があるからめちゃくちゃ痛いんだよな……
「あのイビルジョーがこんなに甘えん坊になるなんて予想出来ないわよねぇ……」
「いやぁ……正直この子が特殊過ぎるだけだと思うよ?
ライズがオオナズチに拾われた頃から何故かこの子の周辺でだけはどれだけの飢餓感に苛まれていても捕食行為を行わなかったし……」
「レロレロレロレロ……」
ヴィオとシロちゃんの2人が遠い目をしながらジョーと俺を見ている……あとジョー、お前の舌は強酸で溶けるからさらっと舐めないでくれ……
「あの…、大丈夫なのか?舐められた所から煙出てるけど……」
「酸性が強すぎて溶けてるだけだ、気にするな。」
「いや大丈夫じゃないだろそれ!?」
なに、いつもの事だ、俺は慣れた……うん。
今思えば他の奴らもやたらとスキンシップで噛み付いてきたり丸呑みにしてきたりしてきたからな……溶かされたり牙を擦り付けられるくらいどうとでも……いででででででで
俺は一旦甘えてくるジョーを離してこれからバトルする事を伝えていく。
同じドラゴン・あくタイプ同士だから結構いい勝負が出来るはずだ。
なんとかジョーをアナザーポケモンとの専用バトルフィールドへと連れて行き、リオン達も対面側に立たせていく。
「……ずいぶんと広いフィールドだな……下手すればダイマックスポケモンすらも入れるんじゃないか?」
「実際このくらいの空間がないと基本的に巨体が多いアナザーポケモンには狭すぎるんだ。」
アナザーポケモンはこっちの世界のポケモンに比べてもやはり巨大なポケモンが数多くいる。そもそもがホエルオーですら向こうだと普通程度なレベルでおかしいのだ。
少しするとレフェリー側の場所にレティが立って審判としての準備を整える。
「じゃあルールを確認するねー!ルールは一対一でシングルバトル。ポケモンの交代なんかも当然出来ないよ。道具は持たせてもいいけど途中で回復系の道具を渡して回復させたりとかは禁止だからね!」
「あぁ。」
「それで大丈夫。」
「……グゥルルルルル」
「キュルォォォオオ……!」
ジョーとメル・ゼナの二匹がお互いに威嚇しあっている。
バトル前は必ずと言っていいほどアナザーポケモン達は威嚇をする習性がある。
どうやらに匹ともやる気は十分なようだ。
「それじゃあいくよ……!始め!!」
俺は開始早々先手を打つためにジョーに指示を出していく。
俺がジョーを使う時に最初にやる技は基本的にに決まっているため、ジョーも何も言わずすぐに技へと移っていく。
「ジョー!『じしん』!!」
「グォォォアアアアアアアア!!!!!」
ジョーが脚を大きく振り上げて地面へと叩きつけ、下手な地面タイプのポケモンすらも上回る威力の『じしん』を放っていく。
「っ!メル・ゼナ!急いで飛べ!」
「キュルォォォオオ!!」
メル・ゼナはその翼で飛行して『じしん』を回避していくが想定内だ。
「ジョー!『ドラゴンブラスター』!!!」
「グォォォォォォォォァオオオオ!!!!!」
「キュルォォォオオ!!………キュルゥ!?」
ジョーは口が裂けそうなほどに大きく開けてそこから赤黒い雷がバチバチと弾けるブレスを放っていき、メル・ゼナは回避行動を取るが空中を滞留するドラゴンエネルギーのブレスによって移動範囲をどんどん狭まれてしまい直撃する。
このブレスは霧状でしばらく空中に留まる為に対飛行ポケモン相手にはかなり強力な対空技になるのだ。
それに加えてメル・ゼナは古龍種、他のドラゴン達よりもジョーの龍属性ブレスである『ドラゴンブラスター』は特別な意味を持ってくる。
「メル・ゼナッ……!!
指示から攻撃までが速い!始めから決めてたなあの人!?」
「ジョーの持ち味は圧倒的なパワーとタフネスだ。
なら力尽くで相手の選択肢を狭めて残りを対処した方が早いからな。」
正直ジョーの相手として一番困るのが『なみのり』とかの技で回避されることだからな。
それに『テレポート』やゴーストポケモンのすり抜け行為も対処が難しい。
「メル・ゼナ!『
「キュルォォォオオ!!」
「グォァァアア!?」
っ!?速い!先制攻撃か!だが先制攻撃にしては威力がかなり高い、おそらく『ふいうち』や『であいがしら』みたいな高威力タイプか!
しかも攻撃を受けた場所にキュリアが張り付いて吸血している……!
「まだまだ行けるなジョー!」
「グルォォォアアアアアアアアア!!!!」
ジョーは背中の筋肉をパンパンに膨らませて咆哮を上げていく。
これはなかなか面白い戦いになりそうだ