~ボウルタウン~
「おはよ、ライズ君!」
「おはようレティ、今日はずいぶんと早起きじゃないか」
「えへへ~、今日はジムテストだし頑張らないとって思ったらなかなか眠れなくて」
「いや寝ろよ……んで?調子は?」
「バッチリだよ!」
「そうか、なら良かったよ」
俺達はとりあえずやどりぎ亭に泊まって夜を過ごし、今は朝ごはんのサンドウィッチを作っている所だ
「ヴィオは?」
「多分まだ寝てると思う、起こしたんだけど起きなくって……」
「鼻にでもこれを突っ込んできたらどうだ?」
「へ……これって……」
そう言って俺はチューブに入ったすりおろされた緑色のハーブを取り出す
「うげ……『水辺のハーブ』……私これ苦手なんだよなぁ……なんかこうツーンとした感じがちょっと……」
「あー、まぁ好みは分かれるからな……とりあえずジムテストは午後からだし午前中はゆっくりしても構わんだろう……それになんとなく何をするのか読めてきたし……」
「ふぇ?どういうこと?」
「まぁ飯食った後に外に出るから歩きながら話そう
さて……今日はそうだなぁ
……朝だからサッパリと行きたいな」
「サッパリ系かぁ……『トマト』とか?」
「まぁそいつも悪くはないな……俺としては……主役はこいつかな?」
俺は食材用の保冷バッグから『スモークきりみ』を取り出す
「『スモークきりみ』だ!私これ好きなんだよね!」
「まぁこれは味もしっかり出るし塩味が程よいから酒飲みとかも好きってヤツが多いらしいな
あとはこいつに『たまねぎスライス』と『トマト』、『レタス』を一緒に乗せて上から『ビネガー』と『砂糖』、『ペッパー』の合わせ調味料をかけて……うし、こんなもんだろう
レティ、ヴィオを呼んできてくれ」
「はーい!ヴィオ姉ー!ヴィオ姉ー!ご飯だよー!」
レティはそのままヴィオを起こすために俺達が宿泊している部屋へと向かっていった
数分すると寝癖がとんでもないことになってるヴィオがお腹を鳴らしながら降りてくる
「おはよ……」
「とりあえずお前は一回洗面台まで行ってこい」
「先にご飯……」
「朝飯は逃げねぇから先に身支度を済ませてこいって」
「はーい……」
「レティ、頼む」
「あー、分かった……ほら、ヴィオ姉!」
全ての髪が上に延びるような形で寝癖がついてたから流石にな……つかあんな寝癖初めて見たわ……
「「いただきます」」
「ほい、召し上がれ」
数分後ヴィオが寝癖を治してすぐにこっちに戻ってきたのでちょうどいいので朝飯を皆で食べることにした
「ん~♪『スモークきりみ』の塩味に『ビネガー』や『トマト』の酸味、『砂糖』の甘味で食べやすくなっててペッパーのピリッとした辛みが『スモークきりみ』に合うわ~」
「ヴィオ姉はほんと食べるの好きだよね~」
「食は私の人生の半分よ」
「そんなに……」
「とりあえず食い終わったら一回町を見て回るぞ」
「ふぇ?分かったー」
「何か買いたい物でもあるのかしら?」
「いや、ジムテストの下見」
「ふぇ?どういうこと?」
ヴィオとレティが揃ってサンドイッチを頬張りながら首を傾げる……妙な所で息ピッタリなんだよなぁコイツら……流石姉妹
「この間ボウルタウンを軽く見ていて気付いたんだがやけにこの町はキマワリの像とかが置いてあってキマワリ自体も結構いろんな所にいるだろ?」
「確かに」
「んでよく見てみたら何も植えられた様子のない植木鉢がいろんな所にあったりそこにキマワリが入ってたりしてるんだよ」
「っ!像に擬態させてるわけね」
「多分な、むしろ本来作品として展示する予定だったやり方と逆になってそうだけどな」
「あー、キマワリ達の中に溶け込ませるってこと?」
「まぁその辺の細かい所は分からんし芸術なんて専門外だから俺の主観に過ぎないけどな」
まぁあの人基本的に趣味に生きてるタイプの人だからもしかしたら適当な可能性もあるけどな
「ご馳走さま」
「ご馳走さまでした~今日も美味しかったぁ!」
「お粗末様でした、何だかんだでレティも食べるのかなり好きだよな」
「えへへ……バレた?」
「隠す気も無かったろうに……」
「それで?私達はキマワリが入りそうな鉢植えを探せば良いのね?」
「あぁ、場所は一応記録してスマホロトムにでも送ってくれ」
「それじゃ!解散!皆で探すよりもバラけた方が探しやすいし!」
「ええ、とりあえずジムテスト1時間前に現地集合でどうかしら?」
「異議なし」
「よーし!がんばるぞー!」
レティのヤツ気合い入りまくってるなぁ……
『上手に焼けました~♪』
お?通知が入った……っ!
『パルデア地方各地にて今まで発見されなかったポケモンが発見
その多くはかなりの大型の個体であり、調査の為各地にてジムリーダーが捕獲
なおかなり強力な個体も報告されており、現在ジムリーダーが捕獲したポケモンは調査の為にジムバトル勝者に希望者限定での特別枠でのバトルを実施中
詳しくはナンジ』
俺は読んでいる途中ではあったが切ることにした
「そうなるとここにもいるわけか……」
俺はジムの施設へと視線を向ける
「一筋縄じゃ行かなそうだな」
俺はそう呟いてスマホロトムをしまう
「ライズ君どうしたの?」
「あぁ、いやなんでもない」
「そう?変な画像でも見てたんじゃないの~?」
「よし、今日のヴィオの晩飯は水辺のハーブとマスタードとチリソースを使ったサンドウィッチにしてやる……」
「それだけは!?それだけはぁっ!?お慈悲をー!?」
「知らん」
「お慈悲をーーーっ!?!?」
ったくコイツらと一緒にいると真面目に考えるのが馬鹿馬鹿しくなっちまう
その後俺達はそのまま町を探索しにいくのだった