麦わら一味の日常   作:HIRANOKORO

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黒猫さん読んで思いついた



ゲッチュー

「アレ? 進路変わった?」

「ワタシにはわからないけど……」

 確かめるまでもなく、船長が窓から顔を出す。

「ナミ!! サルゲッチュだ!! とりあえず、避けた!! 面舵!!」

「おじいちゃんが捕まえにでも来たの?」

「サルガッサムかしら? 少し厄介ね」

「どれぐらいある?」

「島ぐらいあるぞ。進路をどうするか聞けって」

「んー?」

 船の通行を邪魔すると言われる浮き藻だが、外輪でもない限りそうでもない。

 ただ、グランドラインでその規模に出会うと、浮き藻を隠れ家にする小魚を狙う魚を狙う大型魚類を狙う海獣類を狙う海王類、という連鎖でヤバい。あと、臭い。

「あまり脅威には感じないわね」

 サニー号の性能は海王類からも逃げ切れるほどだし、下手すればそれを主食にし始めたクルーが乗っている。

「ンんー?」

 最も、海王類の場合は通りすがりの横波一発で船が横転することもある。避けるに越したことはない。

「オマエがそんなに悩むの珍しいな」

「ウン! ヨシ! 舵はウソップに替わって、ジンベエにこの周辺を調べてくるように言って? ワタシはゾロを起こしてくるから、アンタは展望で監視!!」

「なんだ? 戦闘か?」

「警戒しとくだけよ。手が空いてるヤツがいたらソイツも監視ね? さ、動く!!」

「ワタシはどうしたら?」

「この辺りの海域の資料ってある?」

「ええ、探しておくわ」

「お願い! じゃ、チョチョイとやっちゃいますか!」

 

「なんか騒がしいな」

「なんかナミに言われてこの辺りを調査することになった」

「何があるんだ?」

「浮き藻しか見えねェ」

「お仲間か?」

「斬るぞ?」

「まあ、何か考えがあるんだろ」

「ツマミくれよ」

「すぐに昼飯だ」

「暇なんだよ」

 

「オイ!! 引き揚げてきたぞ。こんなもんでいいか?」

「ねぇ、チョッパー。これがどれぐらい浮いてたかわかる?」

「うーん。とりあえず、調べてみる。もうちょっとサンプルがほしいかも」

「ミニメリー号じゃ限界があるぜ。シャーク号出すか?」

「あの中突っ込むのは?」

「あんまり、オススメしないな。それより、海流を調べた方が早い」

「そっちはジンベエがやってくれてる」

「じゃあ、それを待つんだな」

「これは参考ってことでいいか?」

「そうね、そうしてくれる?」

「なら、これだけでなんとかするよ」

 

「三日……見つかんなかったか」

「なんか探してたのか?」

「これだけ浮き藻があるなら、どこかに浅瀬があるはずなの」

「そりゃ道理だが、島でも見つけたかったのか?」

「いいえ。この辺りにないのはわかってる」

「? じゃあなんだ?」

「浅瀬に用でもあったのか?」

「ワタシにはないわよ。仕方がない。針路戻すわよ」

「なんだったんだ?」

「さぁな。逆に何で許可したんだ?」

「ナミがやりたいって言ったからだ」

「ありがたい船長だよ、オマエは」

「シッシッシ!」

 

「来たぞ? 何ぞ、用かの?」

「あ、ジンベエ。座って。一応、大雑把だけど海図が出来たの!」

「海図?」

「この前調べてもらった海流から、二、三候補を絞ったんだけど、やっぱり時間がなくて」

「候補?」

「ま、そういうのは魚人の方が得意よね! ハイ! あと、これまでの航海で似たようなことがあった場所の記録も渡しておくわ!」

「待て待て。話が見えん。どういうことじゃ?」

「え? 魚人島の人たちって、移住先を探してるんじゃないの?」

「そりゃ悲願ではあるが」

「あの海域に島や陸地の記録はない。ワタシの感覚でも、島のある気候じゃなかった。でも、海藻が育つ土壌はあるの」

「そうじゃの」

「太陽の下で暮らせるじゃない!!」

「?!」

「浅瀬だけなら人間との争いにならないし、グランドラインのど真ん中なら逆に安全でしょう? そういう、島のなり損ないみたいな土地なら、頑張ればログポースも使えるかもしれないし」

「そんなことが」

「人間の航海じゃわからないかもしれないけど、魚人ならきっと見つけられるし、そういう場所って一つじゃないと思うの!」

「そうじゃ、そうじゃの」

「もしかしたらダメかもしれないけど、でもダメでもともとでしょう? やらないよりはマシよ!」

「その通りじゃ」

「ね? 貸し一つよ!! 絶対、返してもらうから!!」

「これでも海侠と呼ばれとる。期待してくれてええよ」

「ヤッタ!! 絶対だからね?!」

 

 

「食事には遅れると言っておくわ」

「……頼む」

「一味に入ってよかったでしょう?」

「間違いないわい」




天使か
女神だった
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