「なにをしとるんじゃ?」
「採血」
「寝とるところに針を刺すのか……そして起きんのか」
「朝、言ったのに来ないんだ。コイツら戦闘になるとすぐに大怪我するから、血はストックしておかないと」
「まあ、血さえあれば助かる命もある」
「医者としては信じられないぐらい丈夫だから、簡単に死んだりはしないと思うけど、でも助けられないなんてイヤだからちゃんと準備するんだ」
「立派じゃの」
「ジンベエ、注射怖い?」
「好きではないな」
「オレ、魚人診るの初めてだからアレだけど、もう大丈夫だから、今度採血するぞ? ジンベエはルフィと一緒だから助かる」
「ほう? 船長と一緒とは光栄じゃな」
「針だけ我慢したら、しばらく寝てるだけだから嫌がらないでくれよ?」
「イヤがるのか?」
「ルフィはじっとしてられないからブルックかウソップに頼まないとだし、ゾロはコレだし、ウソップは言い訳するし、ナミはウソつくんだ。サンジは仕事を優先するし、フランキーは針が刺さらないし、ロビンは腕だけ生やすし、ホネはもう、どうしたら」
「大変じゃのう」
「医者は、医者は助かりたいと思うヤツしか治せないんだ。オレが万能薬になるには、コイツらに治してほしいって思われる医者にならないとダメなんだ」
「チョッパー」
「なんだ? ジンベエ?」
「オマエさんは立派な医者じゃな」
「ほ、褒めてもなにもでねぇぞ、コノヤロー! お茶飲むか?」
「貰おうかの」
「血を抜くから、水分や糖分なんかも補給出来るように用意してあるんだ! ゾロは寝てるから、ジンベエに分けてやるぞ!」
「こりゃ儲けたな。寝ておって勿体ない。せっかくの気遣いを」
「いいんだ!! オレが完璧にしたいだけで、コイツらの命だからな!! オレが腕を磨けば、コイツらは好きなこと出来るからな!!」
「心強い。頼んだぞ、チョッパー」
「任されたぞ!!」
「なにを、しとるんじゃ?」
「ロビンがゾロに落書きしてる」
「それを眺めてる」
「本人は?」
「さあ?」
「化粧か」
「び、美人だな。プクク」
「そうかぁ? なんかオカメみてぇ」
「なんか、チョッパーが新作出す度に、実験台にされるんだよ」
「オレもよくやられる」
「質は良くても、ちょっと扱いが難しいんだってよ」
「ナミがパッパグに売ったって言ってた」
「そんなことをしとったのか」
「ウチは貧乏でな」
「四皇ってなんだろな?」
「少なくとも、食費で悩むのは違う気がする」
「バギーとか、絶対借金してるぞ」
「まさか、そんな」
「まあ、ありそうな話じゃ」
「なってみると四皇ってそれほどじゃない?」
「そんなわけなかろう。が、本人にとってみればそうかもしれん」
「どうせ、他人の言うことだからな」
「たまにクールだよな、オマエ」
「そうかぁ?」
「言っとる間に完成したようじゃが」
「プーッ!! バケモンだー!!」
「バカ!! 起きちまうだろ?!」
「起きんのう」
「大物だよな、コイツ」
「この顔で?」
「ヤメロ! 見せんな!!」
「平和じゃのう」
「たまに釣りのエサにしてやろうかと」
「やめてやってくれ」
「魚も食わねぇよ。イヤ、スマン」
「構わんよ。確かに、そう好んでは食わんじゃろうな」
「ミカンの肥料にする?」
「根腐れするかも知れないわ」
「まさか、寝たまま一日が過ぎるとは思わなんだ」
「嵐も過ぎるぞ」
「目的地もね」
「目の前に敵がいても、そっちか!!って叫びつつ明後日の方向に突撃するからな」
「逆にルフィさんはなんで合流出来たんでしょう?」
「謎だな」
「まずは起きんことにはこの顔のままじゃぞ?」
「落ちにくいから数日は大丈夫よ」
「数日も寝たままなのか?」
「鏡を見ないだけよ。バカだから」
「コイツ、ヒゲ、あんまり伸びないんだよな」
「身嗜みは漢の基本だぜ?」
「今なら性別不明だし、構わねぇんじゃないか?」
「そうだな。放っておくか」
「気づくまで毎日、書き足しておきますね」
「また、一味に人とは呼べないメンバーが増えるのね?」
「ワシ、魚人のアイデンティティ守れるかのう?」
「油断しないことね」
起きないから