「おはよう!! 朝ごはん出来てるわ! 顔洗ってきて?」
「オウ」
「ハイ、これお弁当、と行ってらっしゃいのキス! 今日も頑張ってきてね?」
「オウ」
「おかえり!! お風呂沸いてるわ! それともご飯にする?」
「メシ」
水軍の外套を預かりながら、
「ね? ワタシ、妻として役に立ててる?」
特大の大きなタメ息。
「まったく、この女は何度言ってもわかりゃしねぇ」
「ご、ゴメンなさい」
「ま、ガキでも仕込めばイヤでも思い知るだろ」
「え? え? えぇ? えーッ!!」
「さっさとメシにするぞ!!」
「は、ハイ♡」
「どう? これ似合う?」
「ちょっと大胆すぎるんじゃないか?」
「じゃあ、これは?」
「ちょっと派手すぎないか?」
「もう!! お父さんってば、文句ばっかり!!」
「し、しかし、ワタシにはこういうのはちょっと」
「これから何度も来るんだよ?! ちゃんと慣れて!!」
「ん、そ、そうか、何度でもか! うん、頑張るぞ!」
「ヤッター! 荷物持ち確保ー!!」
「任してくれ!! それならお母さんで慣れてる!!」
「……」
「え? どうした? 頬を膨らませて」
「知らない!!」
「ああ、それじゃダメじゃ。女の子の気持ちをわかってやらんと!」
「もう、昔とちっとも変わってないじゃない!」
「あの、政務がありますので戻っていただけませんか?」
「もうちょっと! もうちょっとだけじゃ!」
「ヴィオラ様に至っては王宮でもご覧になれるでしょう?」
「ああ?! ほら、アイスでも買ってあげなさいよ!!」
「もう、アンタら一緒に暮らせよ」
ずっと昔
「なにがあったんだ、カイドウさん? アンタが幹部を集めるなんて珍しいな」
「なんだったら戦争だって一人で終わらしちまうもんな」
「で、なんだい? 教えておくれよ」
「ヤマトが」
「お嬢さんが?」
「洗濯物でもイヤがられました?」
「自分はおでんだと言い始めた」
「は?」
「はぁ?」
「ハァァァ?!」
「待て待て、ちょっと待て。え? この前始末した、アレでしょ? 侍の」
「どうしたらいいんだ? 死にてぇ」
「どうせ死ねねぇから、放っとくとして、え? どうすんの?」
「いや、まずは事態を把握しよう。おでんになりたいんですかい? それとも侍?」
「いや、もう、自分はおでんなんだと。なりたいどころか、なったつもりでいるのか、それさえもわからねぇ」
「おでんという人物そのものになったと?」
「男じゃないか」
「そうです。女のお嬢さんはおでんにはなれません」
「なんか、男なんだって」
「は?」
「はぁ?」
「ハァァァ?」
「だから、女じゃなくて男でおでんで侍なんだってよ!!」
「意味がわからねぇ」
「オレだってわかんねぇよぅ」
「マジもんに落ち込んでやがる」
「もしかして、酒飲んでねぇぞ、この人?!」
「ウッソだぁ」
「酒の匂いがしねぇ」
「世界の終わりかよ」
「とりあえず、そういうワケで」
「どういうワケだよ」
「理解を諦めたぞ」
「理解出来るわけねェだろうが」
「ハイ、おっしゃる通りで」
「オレは、あの、なんだ。息子を再教育する」
「あ、そこは理解があるんだ」
「一応、オレの息子だ。理解しねぇでもいいし、否定しても構わねぇが、尊重してやってくれ」
「あー、うんうん、ハイハイ」
「よくわからないけど、わかりました」
「どうすっかなー。ホント、どうすっかなー?」
「とんでもねぇ呪いを残して逝きやがった」
「つまり、どういうことだ?」
「わからん」
検索出来ないけど