麦わら一味の日常   作:HIRANOKORO

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懸賞金はステータス


危険な男

 新たな懸賞金が周知され、互いにマウントを取ったり、震え上がったり、ヤニ下がった後。

 結局、額は危険度であり強さの指標ではない、と言う話に。

「なるほど。ニカ。興味深いわ」

「まあ、曲がりなりにも船長だし危険ではあるわな」

「問題はオレたちにとっても、ということだな」

「オレは仲間を危険に晒したりしねェ」

「じゃあ、盗み食いやめろ」

「無茶な舵取りは命取りじゃ」

「マジで進路を勝手に変えないで」

「ルフィ、船長なのに……」

「あんなふうになっちゃダメよ? チョッパー」

「散々じゃねぇか」

「ヨホホホ!! 口笛下手ですねェ」

「かける言葉が見つからねェよォ!!」

 閑話休題。

「ま、実際、ウチにとっちゃ政府がどれだけ内情を把握してるかの目安にもならぁな」

「そうか。オヌシ、古代兵器の設計図を持っておったな」

「燃やしちまったがな」

「なるほど。上に報告してなかったらロビンと同じぐらいの金額になってた可能性もあるのか」

「そこはちゃんと仕事したみてェだな」

「じゃあ、もしかしたら政府が知らない情報があれば懸賞金が跳ね上がるの?」

「そういうことになる」

「五十年も前の話は、流石に反映されないでしょうね。それほど暴れた記憶もありませんし」

「いや、ソウルキングなだけで充分じゃねぇか?」

「幹部というだけでは四皇といえど、そう注目はされん。億を越えるならそれ相応の理由があるということじゃ。ワシは音楽はわからんが、なかなかのもんじゃよ」

「ヨホホ! ありがとうございます」

「こいつが革命ソングとか歌ったらヤバいことになりそうだよな」

「……あんまり把握出来てないんじゃないか?」

「そうね。中にスパイでもいない限り、限界はあるんじゃないかしら?」

「……なんだよ?」

「ハッ、マ〜リモ〜」

「剣士バカ」

「方向音痴」

「迷子」

「酒を控えろ!! バカ、マリモ!!」

「ヨシ、ケンカ売ってんだな?」

「「「ギャー!!」」」

「やんのか、コラ?」

「呆れたのう」

「フフ、いつものことよ」

「やめろ、メシが不味くなる」

「大変だ!! オマエラやめろ!! 船長命令だ!!」

「へいへい」

「マナーを叩き込んでやりてぇよ」

「ハイハイ、座って!」

「何気に戦闘BGMを奏でだした音楽家が改めてコエー」

「ヨホホ!」

「じゃあ、例えばサンジ君の実家の事情とかも考慮されてるの?」

「なるなど、過大評価か」

「いちいちうるせぇな、マリモ」

「ジェルマね。強国ではあるけど」

「あそこにはモルガンズもいた。ビッグ・マムの娘の婚約者だったのも含めて、全部台無しにしたのは漏れとるじゃろう」

「いえ、それ関係で上がったのは確かよ。今回のことでいえば、クイーンを撃破したことが考慮されてるハズよ」

「なるほど、CPがいたんだっけか?」

「情報を抜かれてるんじゃねェか? ウカツだな、クソコック」

「いや、オヌシも人のことは言えんぞ、ゾロ」

「あ?」

「役職のない戦闘員。船長の右腕と目されておるのはともかく、覇気の強さ、その手にある業物、鷹の目との交流、様々なことが考慮されての金額じゃ」

「個人の強さだけだと、国を滅ぼしたダグラス・バレットですらアナタと同額よ」

「まあ、流石のゾロも気まぐれに国を滅ぼしたりはしないもの」

「オレたち、結構国滅ぼしてなかったか?」

「そんなこと……」

「そうだったか?」

「ああいうの再興とか言うんじゃねぇか?」

「ムウ、まだワシが知らんこともあるか」

「これからよ」

「とにかく、倒した相手と同額でも上でもないってこた、別に判断基準があったんだろうな」

「バレバレじゃねぇか」

「ウカツだな、マリモ」

「マヌケ〜」

「ゾロ〜」

「ゾロで悪口なのヒドいな」

「大丈夫だ! オレが治してやるゾ!!」

「いや……」

「慕われてはおるようじゃの」

「ルフィには言わない辺り賢いな」

「死んでも治りませんからね。ええ」

「オレ、嫌われてんのか?」

「ルフィも好きだゾ」

「オレも好きだ。オモシロ変形トナカイ」

「ヤッパキライ!!」

「泣き虫は男が廃るぜ。気にすんなよ、な?」

「え? オレが悪いのか?」

「微妙なとこだ」

「ソレはソレとして、謝っときなさい」

 閑話休題

「船長には引き続き反省してもらうとして。まあ、大方妥当な金額ではあるが必要以上に知られているわけじゃなさそうだな」

「そうね。無駄かもしれないけど、気をつけるにこしたことはないわ」

「そう、無駄かもしれないけど」

「ああいう船長だ。気にしてもしかたねェ」

「そもそも、そんな賢くないですしねェ。政府の方々」

「というと?」

「懸賞金を使って誰かに狙わせるなら、そのように設定しないと。この一味を崩壊させるために、ルフィさんやゾロさんの相手をさせても無理ですよ」

「まあ、ソコラの賞金稼ぎには負けねェが」

「負けても次があります。ワタシが死なせませんし、それならチョッパーさんが治します。フランキーさんが船を万全にしていれば、ナミさんの航海術で逃げられますし、追手はジンベエさんが阻むでしょう」

「オウ」

「我々をまるごとどうにか出来る戦力がなければ、お二人の懸賞金なんていくら高くても無意味なんです」

「オレは?」

「アナタがいなくなったら、誰が船長のメシの支度をするんです? ワタシたちの誰でも無理ですよ」

「コイツが来る前はオマエらが用意してただろ?」

「アンタがやりなさい」

「忘れたのか? 音楽家を入れるって聞かねェルフィを曲げてまで探したコックだぞ? 命の危機だったんだ」

「何でルフィは曲がらないんだろうな? ゴムなのに。……ゴムじゃなかった!!」

 トナカイ驚愕。

「危険度は測れても、優先度まで踏み込めてないのね」

「まあ、事情があるんでしょうけどねェ〜。ワタシたちはそれを利用するだけです」

「エゲツないな」

「これも経験か」

「歳だけは無駄に重ねておりますから」

「ま、つまり懸賞金じゃ一味への貢献は測れないってことだ」

「へいへい。ま、守る相手が狙われないのは楽だな」

「この金額で関係ある? 不安だわ」

「オレも覇気を覚えた方がいいか?」

「どうだろうな……」

「向き不向きもあるしな」

「能力者への対策にはなるわね」

「どうじゃろうな? 気合で海が渡れるか? ロギアとは本来、そうしたものじゃ。そしてグラグラのようにそれ自体を吹き飛ばすような能力もある」

「ロジャーも白ひげも病気だった。覇気は万能じゃないゾ?!」

「そりゃ、説得力があるな」

「風邪ぐらいなら気合で治せそうだけどな」

「風邪は万病の元なんだゾ?! ちゃんと医者に診せろ!!」

「だからなったことねェって」

「と、いうよりお二人が一番、懸賞金に見合わない能力だと思いますけど」

「そうか。ナミさんは天候を操る」

「倒せるかはともかく、四皇だってビックリですよ」

「覇気ってのは消耗が激しい。常に纏うわけにもいかねェ」

「そこに狙撃か。厄介だな」

「オイオイ、敵に回したくねェな」

「ハハーん!! それほどでもあるぜ!!」

「でも、それを知られたら懸賞金が上がるんでしょ?」

「ウチの秘密兵器だな」

「マジで秘密にしてくれ!!」

「つーか、オマエはもっと知られたらマズいことがあるだろ?」

「あ、四皇幹部の息子」

「天竜人を尻に敷いてなかったか?」

「その、なんだ、アレ撃ち抜いたのオマエだよな?」

「先ほどはああ言いましたけど、実際に傷ついたクルーを担いで走り回ってるのはアナタですよね?」

「なんだかんだ決定的な仕事をしとるんじゃな?」

「実は船長の次に危険なんじゃない?」

「仕方ねェ。この一味の右腕は譲るしかないな、キャプテン・ウソップ」

「やめてくれ。オマエの右腕に装備された悪夢が蘇る」

「なー? もう終わったかー?」

「ルフィが飽きてきたぞ。お開きにしようか」

「じゃ、お風呂入ってくる」

「もうこんな時間か」

「寝るかー。おやすみー」

「おやすみなさい」

 

 

「いや、出してくれよ……」




一味を全部出そうとすると、真面目な話になって船長が黙る不具合
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