丸山彩生誕祭2022記念 企画小説集   作:咲野 皐月

2 / 6
 皆様、おはこんばんにちは。咲野 皐月です。

 最初に投稿された私の投稿から数時間しか経っておりませんが……二人目の方の作品を公開いたします!

────────────────────────

咲野 皐月さんの企画小説です!


丸山彩と食べ歩き男子

「お仕事やレッスンにバイトも無い、完全にお休みの日だから、今日は有名な繁華街を見て歩こうっと」

 

 寒い冬、賑やかな繁華街。そこを訪れたのは、アイドル系ガールズバンド『Pastel✽Palettes』のボーカル、丸山彩である。完全オフ、以前から訪れたかった繁華街にやって来た。

 

「どれも美味しそうだなぁ! あ、でもあんまり食べ過ぎたら千聖ちゃんに怒られちゃうなぁ……」

 

 食べ歩きで有名なこの繁華街には、和・洋・中・エスニック、メインディッシュからデザートに至るまで色とりどりのグルメがそろっている。

 

「でも、最初は何にしようかな……悩むなぁ」

 

 彩は一品目を吟味しているところだ。しかし、アイドルである以上は食事量のことも考えないとならない。彩は唸りながら悩む。

 

「あ、あの屋台には肉まんがある……決めた! まずは肉まんを食べよっと! そしてスイーツでおしまいにしないと! すみませ~ん、肉まんを1つください!」

 

 彩はそう決めて、まずは肉まんを買うことにした。立ち上る湯気、ほんのりと甘い生地の香りがたまらない。

 

「わぁ! 生地だけじゃなくて、中のお肉も美味しい!」

 

 肉まんの美味しさに、彩は歓喜の声を上げた。それからは無言で肉まんを平らげる。

 

「あ~美味しかった! あとはデザートだけど……」

 

 そして次に、デザートを食べようと再び繁華街を歩き始めた。

 

 

「あ、有名なクレープ屋さんだ! 次はクレープにしようかな! すみません、イチゴのクレープを1つください!」

 

 次に彩が注文したのは、SNSでも有名なクレープ屋のイチゴのクレープだ。

 

「このイチゴのクレープ、ムース入りだしコーンフレークも入ってて美味しいなぁ!」

 

 彩は再び歓喜の声を上げる。中のイチゴ味のムースとコーンフレークの組み合わせは、スイーツが好きな女子にはたまらない。

 

「ふぅ……お腹一杯! さて……次はどこを見て……あれ?」

 

 次にどこに回るかを考えていたら、茶髪の頭に帽子を被っている、1人の男子が彩の視界に入った。

 

「アレって……」

 

 その男の子はちょうど、小籠包の店の前に立っている。

 

「すみません、この小籠包を100個ください」

「はい! お持ち帰りでしょうか?」

「いえ、全部ここで食べます」

「え……!?」

 

 彼は100個全てを一人で食べるつもりのようだ。そんなことできる訳がない。彩は唖然としながらも、山のような小籠包から目が離せなくなった。

 

「お! 噛んだ瞬間にスープが溢れ出る……」

「急に評論家のようなことを言い始めたよ……」

 

 彼は小籠包を笑顔で食べながら、小籠包のレビューを述べ始めた。彩はあっけにとられて、ただ小籠包を食べる彼を見続ける。

 

「もう残り半分になったのかぁ、注文数が足りなかったか?」

「100個も注文して、まだ足りないって言ってるよ……」

 

 彼は100個中、50個を簡単に平らげた。そんな彼はまだ足りないと言っており、彩は思わず苦笑いを浮かべる。

 

(あれ? あの人、どこかで見たことがあるような……? 気のせいかな?)

 

 どこかで出会った気がする。そんな違和感を頼りに記憶をたどっている頃、彼は小籠包を平らげた。

 

「ごちそうさま」

「あ、あんなにあった量を……15分も経たない内に完食しちゃってる……」

「おお!」

「凄いなぁ!」

 

 そんな彩とは別に、彼は100個の小籠包を完食し終えたのだ。彼の気持ちの良い食べっぷりに、いつしか人だかりが出来るほどだった。各所で歓声と小さな拍手が上がっている。

 

「メロンパン10個ください」

「かしこまりました!」

「10個……!?」

「ウソだろ……」

 

 間髪入れず、隣の屋台に注文をする。今の食事量に見合わない量の注文と、小籠包のあとのメロンパンという食べ合わせに周囲はたじたじだ。

 

「ふんわりとした食感と、この甘さがまた美味しい」

「す、凄いなぁ……私だったら、あんなにたくさんは食べられないよ」

 

 彩のつぶやきに何人かが頷く。メロンパンを10個も食べるとなれば体中が甘くなりそうで、見ている側も胸焼けを起こしそうだ。

 

「ふぅ……」

「また完食した……本当にどうなってるんだろう?」

 

 彼は10個もあったメロンパンも簡単に完食した。そして周りの人達は、彼の食欲と胃袋は人間を超えていると、そう思うしかなかった。

 

「それにしてもあの人、見たことがあるような気がするんだけどなぁ。う~ん……思い出せないよぉ」

「ん?」

「あ……」

 

 彩が彼について思い出そうとしてた矢先、彼はようやく彩の視線に気付いたのか、彼女の方に歩み寄って来た。

 

「何か用?」

「え、えっと……」

「さっきから、ずっと食事してるところを見てたようだったから」

「あ、その……凄い量を食べてたから気になって」

「まぁ、ライターとしての仕事も兼ねて食べ歩いてるだけだから」

「ライター……あ!」

 

『ライター』という言葉を聞いた彩は、彼が誰なのかを思い出した。

 

「あ、あの……もしかして、グルメライターの東堂(トウドウ) ヤイバさんですか? 以前お仕事でお会いした」

「あぁ、確かアンタは“パスパレ”の……」

 

 彼の正体は、18歳でありながら有名なグルメライターの東堂 ヤイバであった。パスパレである彩とは、以前番組で一緒に撮影したことがあった。

 

「それで、何か用でも?」

「え!? えっと……大量の小籠包とメロンパンを簡単に完食したのを見て、凄いなと思って……」

「あぁ、なるほど。元々食べ歩くのが好きだから、趣味と仕事を両立できるのは俺としては嬉しい」

「そうなんだ……」

 

 ヤイバは気さくに話してくれた。彩はそれを聞きながら、表情が無愛想に見える割には話しやすいんだなと安心した。

 

「あ……」

「どうした?」

「なんか、またお腹空いて来ちゃった……」

 

 彩の腹は音を立てたわけではないが、先ほど食べたばかりなのにもう腹の虫が騒ぎだしそうで、勝手に恥ずかしくなってきた。

 

「じゃあよかったら、一緒にどう?」

「え、いいの……?」

「アンタがよければの話さ。強制じゃないから、判断は任せる」

「えっと、じゃあ一緒にお願いします」

 

 ヤイバの誘いに嬉しさが込み上げ、一緒に食べ歩くことにした。

 

「う~んと、う~んと……」

「どうした?」

「美味しそうな物がたくさんあるけど、カロリーのことも考えないとって……」

 

 彩は先程、肉まんとイチゴのクレープを食べたばかりである。そろそろ次で終わりにしなければ、カロリーがオーバーしてしまう。

 

「アイドルも大変だなぁ。食べる物に悩まなきゃいけないなんて……事務所の人か他の人に制限されてるとか?」

「う、うん……」

 

 考えてることがヤイバにあっさりバレて、苦笑いの彩。

 

「後でとっておきの消化法を教えるわ」

「え、そんなのあるの?」

 

 彩にとっては願ってもない話だったので、思わず前のめりになる。

 

「ツボの専門家から、食べ歩きをする際に良いツボを教えてもらってる」

「そ、そうなんだ……」

「食リポ関連のロケで使っている芸能人も多いらしい」

「へぇ……」

「そのツボのことは後で教えるから、何を食べるかだな……」

「じゃあ私、あそこにある“オムライスボール”』が良いなぁ」

「わかった、俺がお金を出すから好きなだけ食べてくれ」

「ありがとう、ヤイバ君」

 

 彩のリクエストで、オムライスボールを食べることとなったヤイバと彩。オムライスが好きな彩には、手頃に食べられるオムライスというのは嬉しい料理だ。

 

「美味しい!」

「確かプロフィールに、好きな食べ物はオムライスって書いてたっけ?」

「うん、そうだよ!」

「そっか、好きな物を食べるのは嬉しいことだからわかるわ」

「奢ってもらっちゃったね、ありがとう……」

「いいさ、美味しそうに食べてくれてるから」

 

 ヤイバに奢ってもらったオムライスボールの美味しさに、彩は満面の笑みでお礼を言った。ヤイバも彩の美味しく食べてる表情を見て嬉しそうだ。

 

「そうだ、さっき言ってたツボの話……」

「あ、教えてくれるかな?」

「食欲を抑えたいときは、『胃腸点』のツボ押しが効果的なんだ。中指を内側に曲げたとき、指先が接するところと手首の中間点にあるんだ」

「へぇ、手にそんなツボがあるんだ」

「そしてもう1つが胃腸のはたらきを高め、腸の蠕動運動を活発にする『足三里』。ひざの外側、ひざ下のくぼみから指4本下の場所だから、ひざを軽く曲げて座り、親指をツボに当てて、ほかの指をふくらはぎに添え、やや強めに押し揉むのが良い」

 

「ツボって、いろんな種類があるんだね」

 

 ヤイバから聞いたツボの話を早速実践する。ツボにはいろいろな種類と効果があると始めて知った彩は、また1つ成長したなと感じた。気がつくと夕方となっていて、空が朱く染まっている。

 

「ヤイバ君、今日は楽しかったよ! ありがとう!」

「プライベートはいつも1人だから、俺も楽しかった」

「ねぇ、また一緒に食べ歩きしたいって言ったら……いいかな?」

「アイドルが異性と一緒にプライベートを過ごすのは、マスコミに怪しまれて大変だぞ?」

「そ、そうだよね……」

 

 ヤイバの言うことはもっともだ。もしもマスコミ……週刊誌にでも見つかったら騒ぎになる。ただ今日の楽しさを思うと、彩は少し寂し気な表情が出てしまう。

 

「まぁ……対策が無い訳じゃないからな。今度はいろいろと作戦を考えるとしよう。それまで待ってもらえるか?」

「うん! 約束だよ!」

「あぁ」

 

 ヤイバの提案で、再び笑顔となった彩。次に食べ歩きの約束をして、解散する。次回会えた時、この2人の未来は……どうなっていくのだろうか? それは、神のみぞ知る。

 

 

 Fin




 今回、咲野皐月様の企画に参加させていただいたD.MAKER(ドラゴン・メーカー)です!丸山彩での短編を執筆するのは初めてでしたが、楽しんでいただけてたら幸いです!
 下記に東堂(とうどう)ヤイバについてのプロフィールと、自分の代表作として、ヴァンガードの作品を紹介させていただきます!

東堂(とうどう)ヤイバ
誕生日:10月10日
年齢:18歳
身長:168cm
体重:68.3kg
好きな食べ物:何でも食べる
嫌いな食べ物:無し
趣味:食べ歩き、
職業:グルメライター

 18歳にして、有名なグルメライター。『Pastel✽Palettes』とはグルメ番組で共演していた。


 カードファイト!! ヴァンガードG -LUPIN-
https://syosetu.org/novel/280279/
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。