かつて、世界を守った戦士の力が異世界へと流れ着いた。それに目を付けた悪意のある者達の手によって回収されてしまい…歪んだ力へと変わっていった。
其処にあったのは正義の力ではない。歪になってしまった、正義とも悪とも呼べない力であった。
だが、その内の一つだけは変わらずに行方しれずとなっている。
ある世界で唯一の家族を守れずに絶望した少女がいた。その家族を殺したのは、誰でもない自分自身の筈なのに…それを認めたくなくて…架空の仇を生み出して、邪魔する者全てを薙ぎ払う。
仇を探し、心の中にあるエンジンを起動させる。だがそれは、ブレーキの効かない暴走車と何ら変わりなかった。
『そうだ。貴様が失った唯一の家族の仇を討つために、復讐を開始するんだ。
止まらずに走り続けて、己の心を燃やし尽くす力をお前に与えてやる。
―今日から貴様が、仮面ライダードライブだ。』
ある世界の少年は嘆いた。仲間を守れず、己の無力さを恨むしかなかった。
最後に残ったのは、運命の出会いをした女性のみ。ならば、最後に残った者だけでも守り通して見せる。
彼女に害を為すものは誰であろうと、決して許しはしない。それが例え、自分であっても。
『そうだ。愛する者を守り抜こうとするその心、それが貴様を変える原動力となる。
己を変えろ。守るために、貴様を鬼にも修羅にも変える力を与えてやろう。
―今日から貴様が、仮面ライダー鎧武だ。』
その少女は何度も時間をループした。繰り返される程に見てきた、大切な人の最後の姿。
耐えられない…。大切な人を救えない事など、あってはならない…そんな時間など、消えてしまえば良い。
『そうだ。貴様は守るのではなく、消す力を身につけた。気に入らない時間など消してしまえ。
そして何時までも幸せな時間を作るが良い。その力を、貴様に与えてやる。
―今日から貴様が、仮面ライダー電王だ。』
自分は死ぬのか…。それは、不幸な事故であった。ただ普通に生きていただけなのに…。不幸は平等に降りかかる癖に、奇跡なんてのは選ばれた人間にしか与えられない。
そんな不条理に抗えない人間は死ぬしかない。…嫌だ、嫌だ…死にたくない。まだ、生きていたい…。
『そうだ。貴様はこんなところで死ぬような男ではない。生きて悪い者などこの世にはいない。死など振り払ってしまえ。
世の理など壊せ。その力を貴様に与えてやる。
―今日から貴様が、仮面ライダーゴーストだ。』
青年が死んでしまうのかと言わんばかりにもがき続ける。それは不慮に起こされた世界の破滅。このままでは、自分の命はおろか、世界も失くなってしまうと察した。
そんな青年を前に一人の男が現れた。
『世界の破滅…それは当然許されるものではない。ならば止めてしまえば良い。その力を貴様に…「……貰う必要…は……ない…!」何?」
青年は言い終わる前にキッパリと断った。嫌な予感が…気配がしたのだ。
勘とはあまり信用はない…が、今はその勘を信じるしか無いだろう。
「力なら…ここに、ある…!」
そう言って見せたのはマゼンタ色のカメラのような物体であり、中から赤い石が光りを放つ。それを見た男は、激しく動揺した。
「貴様…!何故それを!……くっ、ここは一度引くしかしあるまい…!」
「…!待て…!」
青年が追い掛けようとするも男は直ぐに行方を眩ませた。青年も男を追い掛けて…走り出した。
たった一つだけ、歪むことの無かった力。それは全ての世界を破壊する…悪魔の力であった。
別の世界では、その名を仮面ライダーディケイド…世界の破壊者と呼んでいる。