青年は男を追い掛けて走り出したが、その男の逃げ足が早く…直ぐに見失ってしまう。
マゼンタ色のバックル…『ネオディケイドライバー』を手にした青年、『伊谷 海人』の世界は今も滅びが進んでいる。
「何がどうなってるんだ…!」
海人の世界は突然滅んだ。家族と友達を失いながらも、彼はディケイドに選ばれた。だが海人は今持っているドライバーがどんなものか、全く分かっていない。
しかし直感が言っている…。これは、世界を救うために必要な物だと。
そんな中で海人は、目の前に信じられない物を発見した。
「…人!?」
人影が見えたのだ。まさか、自分と同じ生存者なのか?もし生存者ならば声をかけない訳には行かない。
俺は直ぐ様その人影に近づこうとした時…その足を動かすのを止めた。止めるしか無かったのだ。
何故ならそれは人ではなく…異形の化け物であったからだ。
緑と黒…二つの体が反対向きに繋げられたかのよう姿をした化け物。笑っているのか、泣いているのか分からない顔をしており…それが不気味さを漂わせている。
そんな異形が、海人へ襲いかかる。
「っ!」
海人は痛む体に鞭を打って怪物から距離を取る。そして、手に持っていたバックルを腰に当てる。
ベルトが巻かれるとバックルを開き、一枚のカードを取り出して…バックルへと装填する。
「変身!」
【KAMENRIED DECADE!】
20のライダークレクトと灰色の影が重なり、目の前の異形とは似ても似つかぬ姿へと変身した。
それこそ、全ての世界を破壊する悪魔と恐れられていた『仮面ライダーディケイド』だ。顔にプレートが刺さるかのように装着される姿は地味に面白いが。
「(何で俺…この姿に?)」
目の前の怪物…『アナザーW』と言う名前の怪物がディケイドを認識したのかは分からないが、少し戸惑っていた。
「(…あいつ、アナザーWって言うのか…)」
ディケイドに変身した海人の頭にアナザーWの単語が浮かんできており、それがあの怪物の名前ではないかと推測できた。
アナザーWは少し怯むかのような仕草を見せたがそれは直ぐに終わり、再び此方へ向かってくる。
「…来る!」
アナザーWの足や拳から繰り出される蹴りやパンチ。その全てが、素早い動きから繰り出されるため、ディケイドはガード仕切れずに幾つか攻撃を受けてしまう。
まるで風に乗って戦っているようで、ディケイドはこの怪物を相手に苦戦を強いられている。
「っ、この!」
負けじとパンチを放ってもスルリと抜けられ、お返しと言わんばかりに顔に強烈な蹴りを受けて地面に倒れてしまう。
どうしたら…『ライドブッカー』を開いて一枚のカードを適当に引き抜く。はっきり言うが、カードなんて選んでいる余裕はない。
ディケイドの戦いかたは変身した時、頭にイメージとして流れ込んできたから分かるのだが…。
「(これでやるしかないか…!)」
【KAMENRIDE WIZARD!】
赤い魔方陣がディケイドの全身を包みやがてその姿を変える。それは、絶望を希望へ変える指輪の魔法使いの姿。
宝石を象ったと言わんばかりに煌めく姿だが、こればっかりは仕方がない。そう言うデザインだから。
Dウィザードへと姿を変えたディケイド。再びもう一枚のカードをバックルに装填する。
【ATTACKRIDE CONNECT!】
Dウィザードの目の前に現れた魔方陣に手を伸ばして、中からウィザーソードガンと呼ばれる武器を取り出してアナザーWを迎え撃つ。
ディケイドの時とは違い、Dウィザードは踊っているかのような…そんな戦いをする。
流れる動作で蹴りを連発し、反撃の隙を与えない。だがアナザーWは、ステンドグラスで作られたような腰に存在していたベルトを操作すると、右側が黄色へ変化する。
その状態で右腕を振るった瞬間、何と伸びたのだ。誇張でも何でもなくだ。
「うわっ!?」
これには流石のDウィザードも驚いてアナザーWから距離を取る。まさか腕が伸びるとは想像もしていなかった。
伸びる腕によって吹っ飛ばされたDウィザードは変身が解けて、ディケイドへと戻る。
「この野郎…!」
怒ったディケイドがライドブッカーから一枚のカードを取り出してバックルに装填する。
【FINELATTACKRIDE DE DE DE DECADE!】
ディケイドの目の前にカード型のエネルギーが現れてそれらが一列に規則正しく並ぶ。ディケイドが飛び、そのエネルギー体をキックの体勢で潜り抜けていく。
アナザーWも伸びる腕で対抗するも、ディケイドは構わず突っ込んでいく。
必殺技である『ディメンションキック』を受けたアナザーWは大きく飛んでいく。このままだと不味いと思ったのか、アナザーWは巨大な竜巻を発生させて逃げていった。