「やはり死体ではどうにもならんか…」
男がそう言いながら死体を踏む。その手には、しっかりとウォッチが握られていた。
「とは言え、こいつは想定外の出来事だ。あの男をライダーに仕立て上げる事にしようと思ったが、どういう因果だ?
何故、奴にディケイドの力が渡った?」
考えれば考えるほど分からずに怒りが募る。このままでは、ディケイドに俺の計画が全て台無しにされてしまう。
だが、俺にもまだ可能性はある。生き残った奴がもう一人居るのだから…。
世界が滅び、家族が消えた。俺の大事な妹が…亡骸となって残った。何故だ?何故妹が犠牲にならなきゃ行けないんだ。
俺が…俺が悪いのか?思い出すのは、妹との最後の会話。
『行ってらっしゃい!お兄ちゃん!』
『行ってきます。良い子にしてるんだぞ?』
……あぁ、俺のせいなんだ。あの時、俺が連れ出していればこんなことにならなかった。
少年は自分の妹を殺してしまった罪悪感に押し潰されそうになっていた。
『そうだ。貴様は己の罪を知り、家族の大切さを知った。お前は二人で一人の存在となり罪を裁け。
それが、貴様が行うべき家族への償いだ。その力を貴様にくれてやろう。
…今日から貴様が、仮面ライダーWだ。』
この滅びを迎える世界で二人の戦士が生まれた。一人は、全ての世界を破壊する悪魔のような力を持った戦士の力を。
もう一人は…
「何処に行ったんだよ!あの怪物!」
一方、海人は何処かへ消えたアナザーWを追っていた。途中で黒いタキシードを着たような怪人も現れたが、それはディケイドの力で蹴散らした。
「(世界が、景色が壊れてく…。これがこの世界の最後…。世界の最後を見るなんて滅多に無いな…ははっ。)」
探しながらも自分が存在していた世界が崩壊していく様を見て、少し落ち込むも直ぐに現実に引き戻される。
そんな海人の目の前には巨大な二色の竜巻。紛れもなく、奴だ。
「……居る。」
その竜巻がゆっくりと此方に向かってくる。それは災害と呼ぶに等しい程の風を纏って、歪な力を振るう者。
「さぁ…お前の罪を数えろ…」
左太腿にはDOUBLEの文字、右太腿には2009の文字がそれぞれ刻まれていた。互いにそっぽを向いているように繋げられたようなその悪趣味な容姿に、海人は嫌な気分を味わっていた。
「罪があるとするならアイツの方だ。俺も、お前も…被害者みたいなもんだからな。
だけど、止めてやるよ。この滅び去っていく世界で自分の罪を数えさせない為にも…な。」
海人は仮面ライダーの事は良く分からない。ライダーの情報が頭の中に入ってくるだけだが、それでも一つだけ分かったことがある。
あの歪な力は、彼ら仮面ライダーだと。ならば止めるしかない。
その力を振りかざして、大切なものを傷付けさせない為にも。
「お前を破壊してやる。変身。」
【KAMENRIDE DECADE!】
海人は再びディケイドへと変身し、アナザーWと対峙する。両者は同時に駆け出して、攻撃を繰り出した。