ガイア連合が管理している異界の中には探索者たちに圧倒的に不人気の異界が存在する。
臭くてバッチくて事故率が高い、屍鬼系の出る異界だ。
特にゾンビ等疑似的な肉体が実体化してるところは特に、
ただでさえ呪殺対策必須なところに
毒や麻痺の対策費用が掛かり、さらに不潔な体で接近され
引っかかれたり噛みつかれたりする。
黒札マタギ処か現地民さえ他に選択肢があれば避ける傾向がある場所である。
もっとも低知能で弱点対策してない馬鹿ばかりな為、
破魔が使えたりうまく地形等使って嵌め殺しを行って稼ぎ場と割り切って通う
モノず・・覚悟ガンギマリもいるにはいるが。
「オカルトアイテムがなかなか買えない弱小霊能組織にはガソリンまいて
放火すれば殲滅も可能な実体持ち悪魔なんて、
貴重なマッカ収入の場兼修行場なんですよ」by現地霊能力者レベル5(成長限界)
まだガイア連合が根願寺の仲介で仕事の斡旋で地方に赴いていたくらい初期
こういった低レベルの屍鬼が発生した異界は無数に発生していた。
悪魔の手により地方霊能組織が全滅した、
あるいは悪魔の知識など完全にない一般人だけの村に餓えた悪魔に狙われて
助けるための人は足りずもはやその地域を隔離、立ち入り禁止にするしか手がなく、
恐怖と苦痛の果てに屍を晒し、
弔われず放置された遺体と魂は悪魔のマグに刺激され
死霊や屍鬼に代わっていってしまった。
こうした異界はガイア連合が地方進出していくとともに滅ぼされていき、
残った遺体も回収・供養されることとなっていくのだが、
終末に至るまで完全になくなることもなかった。
低レベル霊能力者のため?それもある。
状態異常系アイテムのフォルマの回収のため?まあある
動く人型系の存在に銃撃ったり切りつけて童貞卒業させるため?ガンギマリ養成にまあある
そのなかでも終末まで需要があり、
むしろ終末後に需要が増えていってる理由それは
・・・防空壕跡地が異界化した内部
ギシ ギシリとロープがきしむ音が異界として広がった洞窟内に響き渡る
「うぅ~」
「あぁ~」
そこに苦痛を訴えるうめき声が不協和音として重なっていく。
洞窟内は天井からつるされた無数の人型で埋め尽くされていた。
遠目にはIの形で無抵抗に吊るされるように見え一見、
無数の首つり死体かと思うその光景は、
近くで見れば四肢を切断されダルマになったゾンビが厳重に縛られ
天井から吊るされていた。
そんな異様な光景の中心、
異界の核には煤けたたたら炉が設置され
ほのかな赤い光が今現在も使用されてることを示している。
そんな異界を進む二人の影が。
「先輩もうこんなとこ嫌です帰りましょう」
ガシャリと
改造パーツを追加したデモニカに訴えかける。
「あほ命の危険がなく報酬の割がいい大人気依頼をなんかいやで放棄したら
二度と割のいい依頼が回ってこないと思え」
「ううでも~」
ちらりと上に目線を向けながら先輩に不満を零す
「上を見るな無視しろ、安心しろただのロープに見えて
悪魔の怪力にも耐えられるオカルトアイテムだ」
「なに万に一つの事故で解けたり千切れてもマグをスライム化寸前まで吸われてる*1
手足もないからむしろスライムより雑魚だ」
それを聞いて余計に落ちて来ないか警戒する後輩を無視して、
一部屋しかない異界の中心の炉まで行き、
神道形式での神への礼拝*2を行い
炉の周囲の箱に溜まった土いや砂鉄を回収していく。
「さっさと手伝え・・・神様への礼儀を守ってな」
のろのろ歩いていた後輩をさぼるなと叱咤し手際よく作業を進める、
背負っていた炭を奉納所に置き、
空いたバックパックのスペースに袋に詰めた砂鉄を詰め込んでいく。
「炉の中の玉鋼はいいんですか?」
「あほ生成途中なのもだが、戦車のタイルを作る時ならともかく
支部長でも簡単に手が出ない高級品だ」
さっさと帰るぞ後10往復はしないといかんからな。
鉄の重さに行きよりも重くなった足音を響かせて帰っていく二人
後に残るのは一人でに生成される玉鋼と炉のみ。